草食系なんて言わせない

もう、怖いものなしでしょ

「…はぁ…っはぁ。」
「もう…トワのばか。こんな所でするなんて…。」
「でも、気持ち良かったっしょ？（笑）」
「…！」
「綾芽が可愛すぎるのが悪い。」

「…っ。本当に変わったね。」
「もう、草食系なんて呼ばせないんで（笑）
　何ならもっかいｓ…痛っ！」
「本当にばかっ！場所を考えなさい。」
「叩かなくてもよくね？」
「こんなのトワじゃない～。」


そんなことを言いながらも嬉しそうな綾芽先輩。
脱がされたシャツのボタンを掛けながら
恥ずかしそうにしている姿が愛おしくて思わずまたぎゅっと抱きしめた。


「っちょ、何？」
「大好き。」

「…ん、あたしも大好きだよ。」

「…幸せすぎるっ！！！！」

「もう、離さないでね？」
「当たり前じゃん。何いわれても離してあげない。」

「…ばか。」
「なんとでも言え。」


そうイチャついていたら授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
さすがに戻らないとまずいという事で時間差で教室に行くことにした。


後日談だが、あの後、教室に戻った綾芽先輩は
掛け違えているシャツのボタンを友だちに発見され、詳しく尋問されたそうだ。


よりを戻してからは綾芽先輩が俺のクラスに迎えにくるようになって、
友だちから羨ましすぎると落胆の声が上がる一方で、
綾芽先輩の学年の男子には綾芽先輩が俺にゾッコンであるとう噂が広まり、
俺への茶々がほとんどなくなった。


まだまだいろいろありそうだけど、
とりあえず綾芽先輩がいれば俺はなんだってできる気がする。



【終わり】