妄想女子の青春記。

こつぶ

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第十二章 卒業

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卒業式当日。



三年の先輩はほとんどかかわりがなかったものの、
部活の先輩にはたくさんお世話になった。
式が終わってから卓球場に男女共一年~三年まで久しぶりに勢ぞろい。

先輩にお礼を言ったり、各自感謝を伝えたり、
高校でも頑張ってください!と交流していた。
優羽先輩はというと、お世話になった先輩と肩を組みにこやかな表情。
先輩からも可愛がられる優羽先輩にまたキュンとなる私なのであった。


卓球場を出ると、他の部活もそれぞれお別れ会的なものを行っていた。
三年に好きな先輩がいたらしい子は、いなくなるのが寂しくて泣いていた。

それを見て、ふと来年は私もあぁなるのかななんてなんとなく考えてしまった。
今までは優羽先輩がいるのが当たり前の毎日。
けど、二年後にはもうここにはいない。




そう思ったら急に寂しくなってなぜか涙が出てきた。



「…?!ちょっと、にぃちゃん泣いてるの?」
「なんか、来年の今を思ったら泣けてきた…。」
「なるほどね。でもさ、まだ一年あるんだよ?
 一年はずっと優羽先輩いるから、胸にその姿を焼き付けておきな。」

「そうする…(泣)」
「でもさ、なんかあたしは最近の二人を見ていると、
 来年度中には何かある気がするんだよね。」
「え、それどうゆう意味?」
「いい意味で!」



「え?ちょっと、どうゆうことー!」



そう言って走り去ったさおちゃんを追いかける私。
知らないうちに涙はすっかり引っ込んでいた。






もうすぐ私が優羽先輩に恋をしてから二度目の春が来ようとしている。
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