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第三章 彼が王子になった訳
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しおりを挟むまだ、謎のベールに包まれまくっている優羽先輩の話をここらでしよう。
彼を見つけたのは、四月下旬。
私が卓球部に入部して間もない頃だった。
前にもさらっと述べたが私が卓球部に入部を決めたのは、唯の誘いがあったからだ。
そもそも、唯は幼い頃からバレエを習っており、
部活で余計な筋肉をつけないために卓球部に入部を決めたと言っていた。
(今思えば卓球なんてめちゃくちゃ筋力いるし、
足太くなるゴリゴリの運動部なのだが。)
すんなり部活が決まった唯とは裏腹に、
当時の私はといえば日頃の優柔不断な性格がさく裂し
いくつかの候補はあったものの、一つに決めかねていたのだった。
「ねぇ、さおちゃんは部活何にするか決めた?」
「え、全然決めてない。にぃちゃんは?」
「なんとなく、ソフトボール部かテニス部かなって
思っているんだけど…決まらないよね。」
「そうなのね。じゃあさ、一回部活の体験入部でもしてみない?」
「いいね、そうしよ。」
そんなこんなで、お目当ての部活の体験入部をすることにした私たち。
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