ケンカの後のホットココア

気まずい雰囲気

「…あ、ただいま。」
「…。」


自分が予定していたより遅い帰宅になってしまい、
罰が悪そうにこそこそ帰ってきたユキト。
私の顔とテーブルに置きっぱなしになっていた
ケーキを見るや否や今日が何の日だったのか思い出したようで
余計に罰が悪そうな表情となる。



「…もしかして、待ってた？」
「待ってない日なんてないけど？」
「あ、そうだね。ごめん。」

「もういいよ…。お風呂沸かしなおして入っていいよ。」
「うん…。」



一緒に居るのが気まずかったのか浴室に向かうユキト。
典型的な男の人って性格で女心を全然わかっていないのがたまに嫌になる。



浴室から聞こえるシャワーの音、
いつもは出てくるのが待ち遠しかったのに今日は違う。



お風呂から上がったユキトから石鹸のいいにおいがする。
思わず抱きつきたくなる気持ちを抑えてソファーで
そっぽを向いて意地を張る私。可愛くないと自分でもつくづく思う。
でも今日だけはどうしても許せなかった。