20 / 41
本編
18話
しおりを挟むみんなの期待が大きくて辛いこの頃。
この頃と言っても数時間の間だけどね。
「では勇者、はじまりの森に向かおうか。こういうのは早いほうがいい。」
「あ、この村ではあまり回復量が多くはありませんがポーションなどの補助系の道具を売っております。そちらもご活用ください。」
「ということのようですので勇者様、準備が出来次第出発いたしましょうか。」
おおう。私の入り込む隙間がない。
んーでもポーションってなんだろう?
名前しか聞いたことないんだよね。
とりあえず見に行こうかな。
「お、終わったか。」
「あれ??賢者!!今までどこ行ってたの??」
いつの間にか家の入り口に立ってる!!
いまは全く関係ない話だけど、この家入り口に扉がないんだよね。
外丸見え…。
「ちょっと散歩してた。」
「散歩って…のんきすぎでしょ。」
「このゲー厶のパーティーメンバーに賢者はいねぇんだよ。だから少しでもゲームのシナリオを変えないために物語が進むときはどっか行ってんだよ。」
うわっ、めっちゃちゃんと考えてる。
ただの散歩だなんて思ったけど深い理由があったんだ。
これからは必要以上に賢者を貶すのはやめておこう。
「よしじゃあポーションっていうものを一緒に見に行こう?」
「はぁ?」
ん?なんかすごい今イラッとするような言い方されたぞ??
ん??これは前言撤回かな??
「ポーションなんて使っても意味ねぇぞ。どうせ聖女の野郎のほうが回復量多いし。それにさっきから敵から金が落ちてないしな。金がねぇとものなんて買えないぞ。」
なんか、至極まっとうなこと言われた。
確かに私お金持ってない!!
もとからあったとしてもどうやって確認すればいいかも分からないしね。
「お金が落ちないってもっと強い敵じゃないと落とさないとかそういう感じ??」
「ナチュラルにバグだな。」
また!?
なんかもう慣れてきた。
ていうかこういうゲームのことクソゲーって言うんでしょ!
私知ってる!!
「別にどうにでもなるだろ。飯食わなきゃ死ぬとか武器変えなきゃならねぇとかそんなんじゃねぇし。あんま気にすんなよ。」
「賢者は何回もこのゲームやってるからいいかもしれないけど、私は初めてだからこの先がどうなってるかもわかんなくて不安ばっかなんだよ!?」
ほんともうブチ切れるわ!!
でもこのゲームやめられないし、くそぉ!!
「そんな怒んなよ。怒ったって敵は倒せねぇぞ??さっさと行ってさっさともとの世界帰れるように頑張れよ。」
「言われなくてもそうする!!」
あーもうイライラする!!
みんな私の心配とかなんて全部お構い無しで進めてくるんだから。
絶対にこんなのさっさと終わらせて帰ってやる。
………。
あーなんか私ヒステリックなおばさんみたいになってた…。
駄目だな、当たり散らしたってどうしょうもないのに。
「ちょっとは落ち着いたか。こっち側の事情を押し付けてるわけなんだからキレるのも仕方ねぇよ。まぁ、なんだ。俺も精一杯サポートはするから。」
そっか。なんだかんだ1人で全部やるわけじゃないんだから追い詰められなくてもいいのか。
なんだか目から鱗が落ちた。
「ほら行くぞ。」
その言葉はなんだか暖かかった。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
転生の果てに
北丘 淳士
ファンタジー
先天性の障害を持つ本条司は、闘病空しく命を落としてしまう。
だが転生した先で新しい能力を手に入れ、その力で常人を逸した働きを見せ始める。
果たして彼が手に入れた力とは。そしてなぜ、その力を手に入れたのか。
少しミステリ要素も絡んだ、王道転生ファンタジー開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる