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飴と鞭
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部屋の真ん中に設えた大きめのベッドに座るよう促され、俺はあまり振動を加えないように、そっと裸の尻を乗せた。腸の中の水を漏らして何度か平手で叩かれたせいで熱を持った尻肉に冷たいシーツが心地よい。ぼんやりしていると、片山が何かを渡してきたので反射的に受け取った。ミネラルウォーターだった。
「いっぱい出しちゃったから水分不足でしょう? 補給してください」
また薬が入っているのではないか、とペットボトルを疑わしげに矯めつ眇めつしていると、片山が横に座り、苦笑しながらペットボトルを取り上げた。パキュ、と音を立てて栓を開くと一口飲み、俺の顎を捕まえて口付けた。開いた口の中にぬるい水を少しずつ注ぎ込まれ、気持ち悪さに眉をひそめつつも口移しされた水を喉に流し込んだ。その一口が呼び水となって渇きを思い出させた。もっと、と自ら片山に舌を絡ませ、ハッと気づいて身を離した。
「どうぞ」
気まずさに俯く俺に片山がくすくすと笑う。ペットボトルを渡され、俺は開き直ってごくごくと飲み干した。冷たい水が体の隅々に行き渡る。空になったそれを奪って床に置くと、待っていたとばかりに片山が俺をベッドに押し倒した。洗濯バサミが揺れ、じんじんとした疼きが背筋を走る。
「そろそろ感じるようになりましたか?」
「……ううっ」
片山の指が乳首を挟んだままの洗濯バサミを上下に強く弾いた。ちぎれそうな痛みの奥に確実な快感が身じろぎしていた。まだ直接的ではないが、じわじわと確実に理性を侵蝕する甘い毒のような小さな疼き。自然と腰が揺れた。
「吉岡さん、脚を開いてください」
何かを手にした片岡が囁く。俺は呪文にかかったように膝裏に手を差し入れて抱え込むと、そっと秘部を晒した。片山が小さくぼこぼことしたプラスチック製の何かにローションを塗り、俺の後肛に押し当てた。てっきり片山にすぐ犯されるものと思っていたので、小さめのおもちゃで少し安堵した。
「これが吉岡さんを気持ち良くしてくれますよ」
浣腸の後に流し込まれた腸の中のローションも手伝って、それは何の抵抗もなく、ちゅるんと中に入り込んでいった。小さな器具の把手のようなものが会陰に当たる。器具はピクリともせず、バイブやローターといった類のものでもないようだ。
こんなものの何が気持ちいいというのか。ただ肛門に違和感があるだけじゃないか。大体尻の中を弄られたところで気持ちよくなれるとは思えない。俺はいたってノーマルな性癖しか持ち合わせていないのだ。勃起したのはあいつがしつこく弄ったからだ。痛みなら我慢するからさっさと犯して俺を解放して欲しかった。
「胸のそれ、取っていいですよ」
俺の横に寝そべった片山が耳元で囁く。俺は抱えていた脚を離し、そっと洗濯バサミに手を伸ばした。むやみに刺激を与えないようにゆっくりと取り去る。常にじんじんと送られる刺激からの解放感に俺は安堵の溜め息をついた。そこは赤く腫れ上がり、乳輪ごとふっくらと盛り上がっていた。変形したそこに妙ないやらしさを感じ、気まずさを覚えて目を逸らすと洗濯バサミを脇に置いた。
「赤くなっちゃいましたね、大丈夫ですか?」
「ンああっ……!」
誰のせいでこうなった、と言うよりも前に、俺の喉からは自分でも聞いたことのないような鼻にかかった甘い声が漏れ出ていた。ちゅぱちゅぱといやらしい音を立てて片山が俺の乳首に吸い付いていた。片山が舐めしゃぶるその小さな器官から、確実に甘い疼きが広がっていた。
「嘘だ……、あ、こんなの……っ!」
「おっぱい気持ちいいんですね。よかった」
指先で乳輪ごとつまみ、飛び出た小さな突起をざらざらした舌の奥から先端までを使って一気に舐め上げられ、未知の強い快感に俺はびくびくと腰をわななかせた。
「あ、あ……?」
中に入れていた器具が中で揺れているような気がした。しかも揺れる度に会陰に把手が食い込み、じわじわとした快感が腰を痺れさせる。戸惑う俺を見て片山は笑うと、俺の真っ赤になった乳首にむしゃぶりついた。
「……ンっ、んんっ……うぅ……」
「声、殺さないでくださいよ。僕、吉岡さんの声好きなんです」
くつくつと片山が笑う。胸元にローションを垂らされ、満遍なく塗られた。濡れた指で乳首を転がされながら、血が上って熱く火照った耳を舌で舐め上げられた。濡れてすうすうする耳や胸に、俺はびくびくと震えながら脚を擦り合わせる。腹の中が熱く、全身にじわじわと快楽が燃え広がっている気がした。
「うああ、あ……、ああっ、くぅっ……」
無意識に腰が揺れる。外から会陰を押され、中から腹側をゆるゆると押され、身体の奥から存在を現した深い快楽のポイントが切ない疼きを訴えていた。ぴちゃぴちゃと舌で耳殻をなぶる音が脳を掻き回す。どうしてこんな。もう分からない。気持ちいい。身体の中を血液の代わりに快楽が駆け巡っているようで、俺は今までに感じたこともないような悦楽に、言葉にならない声で喘いでいた。
「気持ちよさそうですね。やっぱり吉岡さん、淫乱の素質ありますよ」
「ひっ、あ……、んんんっ……!」
乳首が摘み上げられ、ぷるりとぬるつく指から逃げる。きゅっ、と器具を咥え込んだ後肛が締まり、快楽のポイントに器具が食い込んだ。びりびりと痺れるような性感が背筋を這い、俺は神経を掻き毟るような快感から逃れたくて腰を上げ、背をしならせた。
「あああっ、やだ、や、あああっ……!」
登り詰めた快感が脳を灼く。白い光がばちばちと瞬く。射精よりも何倍も強い快楽に脚をがくがくと震わせ、俺は果てた。果てたと思った。
「あっ、あーっ、嘘……! 嘘だぁっ……!」
止まらない。終わらない絶頂に身をよじり、へこへこと腰を揺らす。イッてるのに終わらない。俺はもう自分が何を叫んでいるのかも分からないままに悶えた。涎を垂らし、シーツを掻き毟り、脚が空を掻く。
「……すっごいですね」
体力を消費し、それでも身体中をじんじんと駆け巡る絶頂に、打ち上げられた魚のようにびくびくと身を震わせる俺をスマホ片手に片山がニヤニヤしながら眺めていた。片山が脚を持ち上げ、それだけで俺は甘い疼きに震えた。
「力を抜いてくださいね」
片山の指が器具にかかる。ぬるつくそれをつまみ、ゆっくりと俺の中から引き出していく。器具の緩やかな凹凸がヒクつく蕾を押し広げながら、ぐちゅ、と濡れた音を立てて取り出された。
ぐったりとした俺の脚を押し広げ、片山がスマホをかざす。後肛がいやらしくヒクついているのが自分でも分かるが止められない。見られている。撮られている。そう思うとゾクゾクとした快感が脳を這い回るのだ。
「上手にメスイキできましたね。こっちに回す余裕もなかったんですか」
いつの間にか萎えていたペニスを片山が弄ぶ。しかし、そこはまた失禁でもしたのかというぐらいに先走りで濡れていた。だが、すぐに片山はそこから手を離してしまった。触って欲しかった。今までにない強い快楽に身体中を灼かれたが、それでも腰の辺りにもやもやとした快感が火傷のように疼き続けていた。すっきりさせたい。俺ははしたなく腰を片山の手に擦り付ける。
「……駄目ですよ。今日からここはクリトリスなんですから」
「なに、を……」
「吉岡さんは、僕専用のおまんこになるんですよ」
女のように俺を組み伏せ、上から惚けた俺の顔を眺める片山が獰猛に笑う。喰われる。俺はこの男に喰われる。指一本抵抗することもできず、俺は逆光でよく見えない片山の顔を食い入るように見つめた。爛々と欲情に光る片山の目に、ぞくぞくと被虐のわななきが背筋を走る。にこりと片山が笑った。
「さあ、次は僕のちんぽを受け入れられるように、広げないといけませんね」
「いっぱい出しちゃったから水分不足でしょう? 補給してください」
また薬が入っているのではないか、とペットボトルを疑わしげに矯めつ眇めつしていると、片山が横に座り、苦笑しながらペットボトルを取り上げた。パキュ、と音を立てて栓を開くと一口飲み、俺の顎を捕まえて口付けた。開いた口の中にぬるい水を少しずつ注ぎ込まれ、気持ち悪さに眉をひそめつつも口移しされた水を喉に流し込んだ。その一口が呼び水となって渇きを思い出させた。もっと、と自ら片山に舌を絡ませ、ハッと気づいて身を離した。
「どうぞ」
気まずさに俯く俺に片山がくすくすと笑う。ペットボトルを渡され、俺は開き直ってごくごくと飲み干した。冷たい水が体の隅々に行き渡る。空になったそれを奪って床に置くと、待っていたとばかりに片山が俺をベッドに押し倒した。洗濯バサミが揺れ、じんじんとした疼きが背筋を走る。
「そろそろ感じるようになりましたか?」
「……ううっ」
片山の指が乳首を挟んだままの洗濯バサミを上下に強く弾いた。ちぎれそうな痛みの奥に確実な快感が身じろぎしていた。まだ直接的ではないが、じわじわと確実に理性を侵蝕する甘い毒のような小さな疼き。自然と腰が揺れた。
「吉岡さん、脚を開いてください」
何かを手にした片岡が囁く。俺は呪文にかかったように膝裏に手を差し入れて抱え込むと、そっと秘部を晒した。片山が小さくぼこぼことしたプラスチック製の何かにローションを塗り、俺の後肛に押し当てた。てっきり片山にすぐ犯されるものと思っていたので、小さめのおもちゃで少し安堵した。
「これが吉岡さんを気持ち良くしてくれますよ」
浣腸の後に流し込まれた腸の中のローションも手伝って、それは何の抵抗もなく、ちゅるんと中に入り込んでいった。小さな器具の把手のようなものが会陰に当たる。器具はピクリともせず、バイブやローターといった類のものでもないようだ。
こんなものの何が気持ちいいというのか。ただ肛門に違和感があるだけじゃないか。大体尻の中を弄られたところで気持ちよくなれるとは思えない。俺はいたってノーマルな性癖しか持ち合わせていないのだ。勃起したのはあいつがしつこく弄ったからだ。痛みなら我慢するからさっさと犯して俺を解放して欲しかった。
「胸のそれ、取っていいですよ」
俺の横に寝そべった片山が耳元で囁く。俺は抱えていた脚を離し、そっと洗濯バサミに手を伸ばした。むやみに刺激を与えないようにゆっくりと取り去る。常にじんじんと送られる刺激からの解放感に俺は安堵の溜め息をついた。そこは赤く腫れ上がり、乳輪ごとふっくらと盛り上がっていた。変形したそこに妙ないやらしさを感じ、気まずさを覚えて目を逸らすと洗濯バサミを脇に置いた。
「赤くなっちゃいましたね、大丈夫ですか?」
「ンああっ……!」
誰のせいでこうなった、と言うよりも前に、俺の喉からは自分でも聞いたことのないような鼻にかかった甘い声が漏れ出ていた。ちゅぱちゅぱといやらしい音を立てて片山が俺の乳首に吸い付いていた。片山が舐めしゃぶるその小さな器官から、確実に甘い疼きが広がっていた。
「嘘だ……、あ、こんなの……っ!」
「おっぱい気持ちいいんですね。よかった」
指先で乳輪ごとつまみ、飛び出た小さな突起をざらざらした舌の奥から先端までを使って一気に舐め上げられ、未知の強い快感に俺はびくびくと腰をわななかせた。
「あ、あ……?」
中に入れていた器具が中で揺れているような気がした。しかも揺れる度に会陰に把手が食い込み、じわじわとした快感が腰を痺れさせる。戸惑う俺を見て片山は笑うと、俺の真っ赤になった乳首にむしゃぶりついた。
「……ンっ、んんっ……うぅ……」
「声、殺さないでくださいよ。僕、吉岡さんの声好きなんです」
くつくつと片山が笑う。胸元にローションを垂らされ、満遍なく塗られた。濡れた指で乳首を転がされながら、血が上って熱く火照った耳を舌で舐め上げられた。濡れてすうすうする耳や胸に、俺はびくびくと震えながら脚を擦り合わせる。腹の中が熱く、全身にじわじわと快楽が燃え広がっている気がした。
「うああ、あ……、ああっ、くぅっ……」
無意識に腰が揺れる。外から会陰を押され、中から腹側をゆるゆると押され、身体の奥から存在を現した深い快楽のポイントが切ない疼きを訴えていた。ぴちゃぴちゃと舌で耳殻をなぶる音が脳を掻き回す。どうしてこんな。もう分からない。気持ちいい。身体の中を血液の代わりに快楽が駆け巡っているようで、俺は今までに感じたこともないような悦楽に、言葉にならない声で喘いでいた。
「気持ちよさそうですね。やっぱり吉岡さん、淫乱の素質ありますよ」
「ひっ、あ……、んんんっ……!」
乳首が摘み上げられ、ぷるりとぬるつく指から逃げる。きゅっ、と器具を咥え込んだ後肛が締まり、快楽のポイントに器具が食い込んだ。びりびりと痺れるような性感が背筋を這い、俺は神経を掻き毟るような快感から逃れたくて腰を上げ、背をしならせた。
「あああっ、やだ、や、あああっ……!」
登り詰めた快感が脳を灼く。白い光がばちばちと瞬く。射精よりも何倍も強い快楽に脚をがくがくと震わせ、俺は果てた。果てたと思った。
「あっ、あーっ、嘘……! 嘘だぁっ……!」
止まらない。終わらない絶頂に身をよじり、へこへこと腰を揺らす。イッてるのに終わらない。俺はもう自分が何を叫んでいるのかも分からないままに悶えた。涎を垂らし、シーツを掻き毟り、脚が空を掻く。
「……すっごいですね」
体力を消費し、それでも身体中をじんじんと駆け巡る絶頂に、打ち上げられた魚のようにびくびくと身を震わせる俺をスマホ片手に片山がニヤニヤしながら眺めていた。片山が脚を持ち上げ、それだけで俺は甘い疼きに震えた。
「力を抜いてくださいね」
片山の指が器具にかかる。ぬるつくそれをつまみ、ゆっくりと俺の中から引き出していく。器具の緩やかな凹凸がヒクつく蕾を押し広げながら、ぐちゅ、と濡れた音を立てて取り出された。
ぐったりとした俺の脚を押し広げ、片山がスマホをかざす。後肛がいやらしくヒクついているのが自分でも分かるが止められない。見られている。撮られている。そう思うとゾクゾクとした快感が脳を這い回るのだ。
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いつの間にか萎えていたペニスを片山が弄ぶ。しかし、そこはまた失禁でもしたのかというぐらいに先走りで濡れていた。だが、すぐに片山はそこから手を離してしまった。触って欲しかった。今までにない強い快楽に身体中を灼かれたが、それでも腰の辺りにもやもやとした快感が火傷のように疼き続けていた。すっきりさせたい。俺ははしたなく腰を片山の手に擦り付ける。
「……駄目ですよ。今日からここはクリトリスなんですから」
「なに、を……」
「吉岡さんは、僕専用のおまんこになるんですよ」
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