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つがい
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「あっ、あっ、レオ、俺また出ちゃう……」
俺の身体にしがみつき、腰だけを激しく打ちすえながらソウが譫言のように囁いた。またあの熱い媚薬でいっぱいにされてしまう――。そう思っただけでかっと身体が熱くなる。これ以上注ぎ込まれたらどうなるか分からない。上ずった声で必死に制する。
「だっ、だめだ、外に出せ……っ」
「やだよぅ、だってレオの中きもちいいんだもん……」
完全に身体の上に乗り上げたソウの足先が俺の太腿の裏をがっちりと押さえこみ、もう逃げられないと全身で悟らされる。ぐじゅぐじゅと激しく泡立ついやらしい音。ぎしぎしと寝台が揺れる音。そして、ソウの上ずったいやらしい吐息。心拍が上がる。お互いの感度が否応なしに駆け上がっていく。いつの間にか、俺の腰は自ら受け入れるようにかすかに持ち上がっていた。
もう逃げられない。
もう逃げたがるポーズを、しなくても、いい。
「レオ……、レオっ……!」
びくりびくりとわなないたソウの雄から、変わらぬ勢いで放出された熱が二度、三度と俺の気持ちいいところに叩きつけられた。その甘い衝撃が全身を覆い尽くしていく。背中に乗ったソウを振り落としかねないほどに身体を反らせ、壮絶な絶頂にがくがくと痙攣した。
「――っ、あああぁぁぁっ……!」
頭がぼんやりとしていた。自分の叫び声さえもが遠くに感じる。体内からソウが抜け出ていくのが寂しくてたまらず、熱くずくずくと脈打つ肉門を締めつける。俺の中に空いた穴。それはぽっかりと赤い口を開け、ひくひくとわなないていることだろう。
「レオ……?」
ソウの腕が簡単に俺をひっくり返し、俺の顔を覗きこんだ。悦楽の涙で歪んだ中でもソウのきらめく瞳はとても綺麗だった。この幻想的な空のような瞳が俺を見ているというだけで、ぞくぞくと甘い電流が身体中を走っていく。俺は手を伸ばし、燃えるような赤毛に指をさしいれると、その目元に口づけた。
「ソウ……」
なめらかな頬を少し舐める。指先が小さな角に触れた。名を呼ばれたソウは甘えるように鼻先同士をこすり合せ、赤い顔ではにかんだ。何度かのついばむような口づけの後、まるで互いに喰らい合うかのように唇をむさぼる。呼吸の合間に互いの名を呼び、間違いなく愛おしいつがいと交わっていることを確認しあった。
「んっ、は……」
舌も唇も腫れぼったくなるほどに口づけあうと、次にソウは俺の胸にかじりついた。いつものように乳をねだる子の面差しで乳首に吸いついてくる。甘やかな快感と湧き上がる愛おしさに、ソウの小さな頭を撫で回した。舌先が踊り、くにくにと乳首がひしゃげる。赤く充血し、濡れ光る勃起乳首は俺の身体の一部だというのに、何だかひどくいやらしく見えた。
「レオのおっぱいすき……。むにむにしてて、ずっとさわってたい……」
乳首だけでなく、盛り上がった胸筋の弾力を確かめるように、ソウの歯が甘噛みする。歯の隙間から逃げる肉を追い、胸筋を舐め回すじれったい感触。ソウの唾液で更に敏感になった乳首を強く吸われる強烈な快感。いつしか俺の上に覆いかぶさり、ソウは夢中になって俺の胸を手で、舌でいじっていた。
「レオもおっぱいすきなんでしょ? 俺しってるよ。おっぱいすうと、レオもちんちん固くしてたよね」
「あぅ……っ!」
「俺もね、レオのおっぱい吸いながら、ちんちん固くなってたんだ」
腹の上に乗った俺の屹立がソウの肌でこすれた。ぬめる感触はするが、果たしてそれはしとどに垂れた先走りなのか、それとも勝手に漏れた精液なのか、自分でも判然としなかった。胸元にかじりついたままのソウの頭を抱きかかえ、俺は濡れた屹立をソウの身体にすりつけた。
「でも、どうしたらいいかはすぐわかったよ。 ね、レオ。こうすればよかったんだよね」
俺を見上げる青と緑の入り混じった瞳は常よりも濃く、さらにきらめいていた。
「ね、こうしてほしいでしょ? おっぱいいじられるのすきだもんね?」
長い舌が尖りきった乳首に触れそうで触れないところでちろちろと揺れる。舐めて欲しい。その舌先でこね回して、上下に弾いて欲しい。強く吸って、噛んで――お前の好きにして欲しい。
「すき、だから――、なぁ、もっとして……」
俺はソウの口元に乳首を押し当てた。ソウは少し驚いたように目を開いた後、実に嬉しげに目を細め、俺の望んだとおり、乳首に吸いついた。じゅるるといやらしい音を立て、痛いほどに吸い立てられる。きゅんきゅんと甘い波紋が全身へと広がり、まるでブリッジでもするかのように俺の腰が勝手に突きあがる。
「あっ、は、イク、乳首だけでイッちまうっ……!」
譫言のように唸っていたが、自分では声に出しているつもりはなかった。引き絞られた弓のように突き出された腰が震え、玉がせり上がり、尿道を熱い溶岩が駆け上がる。まるで十代の頃のような勢いで噴出する熱い飛沫。腕の中のソウにしがみつき、全てを出し切るまでがくがくと震えていた。
「――はーっ、はーっ……!」
力の抜けた腕がどたりとシーツの上に落ちた。目を閉じ、快感の余韻にひたりながら、ひたすら空気を吸い込む。腹に濡れた感触がするので薄く目を開けると、腹筋に撒き散らされた白濁をソウが夢中で舐めていた。
「あ、おまえ――」
臍の下から濃く渦巻く陰毛に絡んだものまで、まるで毛づくろいでもしているかのように丁寧に舐め取っている。その顔は、興奮に薄赤く染まり、美しい瞳に恍惚と揺れる光をたたえていた。ぞくり、と下腹の奥が甘やかに疼く。そして、身体の中に開きっぱなしの虚ろが、早く埋めろと騒ぎ始めた。
「ソウ――なあ、ソウ……」
腹筋を舐め上げるソウの髪をくしゃくしゃと混ぜ、美しい瞳を見つめる。その縦長の瞳孔は大きく開き、興奮を物語っていた。
「挿れてくれよ、お前の――さぁ。さっきから疼いちまってしょうがねえんだよ……」
足を絡め、俺は誘った。ごくりとソウの喉が鳴る。こんなおっさんに興奮しちまうなんて、お前は本当に馬鹿な竜だなぁ。馬鹿で、かわいそうで――かわいいやつだ。俺の興奮も否応なく高まってくる。
足の間を陣取ったソウの股間からは、臍までそそり立つ立派な肉杭が俺を欲しがって涎を垂らしていた。あんなのが俺の中に入っていたのかと思うと恐ろしいが、あれが俺を気絶しそうなほどに気持ちよくしてくれることも、もう既に知っている。
「じゃあ、いれるね」
足が開かされた。きっと、ソウの目には物欲しげにくぱくぱと蠢く精液まみれの肉蕾がよく見えることだろう。熱い塊が肉門にぴたりと押しつけられた。期待にぞくぞくと背筋が震える。
「あぁっ……来るぅ……っ!」
巨大な先端がずるりと入り込み、長い肉茎が俺の中を侵攻していく。さっき散々いたぶられた箇所を過ぎてもまだ侵入は止まらない。さらに奥へ、もっと奥へ――。大量の精液のぬめりと媚薬効果のせいで痛みはないが、びりびりと痺れるような痛みともつかない強い快感が俺を恍惚とさせた。
「あぁ……レオ……」
「あ、あ、すげぇ……」
あまりの気持ちよさに、互いにとろんとした目で譫言のように呟いた。なじませるような小刻みな腰の動きが始まり、それだけで俺はもう絶頂していた。腹の上では萎えたままの肉茎が動きに合わせて踊っている。
美しい雄に支配された雌だけが味わえる絶頂――。
今までの射精の快感を何倍にも濃くしたような、直接頭の中に快楽を注ぎ込まれたような――シーツを掻き毟り、顎を仰け反らせ、強すぎる快楽を逃がそうと喘ぐ。その仕種がソウを焚きつけているとも知らずに。
「レオ……っ」
「あっ、あ、あ、あ、あ……っ!」
激しい突き上げが始まった。俺の腰骨の辺りに手をかけ、巨体が揺れるほどに腰を叩き込まれる。そのたびにいやらしい声が漏れ、痺れるような快感が脳を灼く。もう何度、雌の絶頂を極めただろう。その度にこれ以上の快感はもうないと思うのに、回を重ねるごとにさらに高みへと上り詰めていくのだ。まるで螺旋のように。
「ふふっ、レオ、おもらししてる」
「あ、も、わかんね……」
ソウの肉竿が奥を突き上げるたび、しょろり、しょろり、と俺のちんぽから透明の液体が漏れ出し、腹を濡らしていく。快楽に麻痺した下半身はただ熱く、甘く溶け、まるで俺の思うとおりにはならなかった。嬉しくて小便をもらす犬のようじゃないか。舌を出して喘いでいるところもそっくりだ。
「かわいいなぁ……すっごいえっち。おもらし、きもちいい?」
腰を打ちつけながらソウがとろけた顔で笑った。気持ちよすぎて俺も笑う。体液で濡れた腹筋をソウの掌が撫で上げ、そのまま胸筋をもにゅもにゅと揉み始めた。唇を寄せ、ぴんと勃起した乳首に喰らいつく。
「あ、はぁあ……っ!」
乳首をちゅうちゅうと吸われながら、雄膣の奥深くまで突き込まれたら、もうひとたまりもない。ソウの腕の中で悶えながらまた絶頂し、奥を甘く苛む愛おしい雄をとろけきった媚肉が搾り上げる。
もう、気持ちよすぎて何が何だか分からない。どうして視界が揺れているのか分からない。自分が声をあげているのかも分からない。もらしているのかも分からない。イッてるのかも分からない。
――けれど、気持ちよすぎて幸せだということだけは分かる。
「ソウ、ソウ……っ!」
名を呼べば美しく澄んだ瞳が愛おしげに俺を見る。手を伸ばせば頬を擦り寄せる。唇から舌を覗かせればキスしてくれる。たまらなく幸せだ。激しく舌を絡ませあい、唾液をすする。ほわほわと極上の美酒に酔ったような夢見心地だった。
ソウが俺の足を抱え込み、天を向いた尻に対して杭打ちのように腰を打ちつけ始めた。ばちっ、ばちっ、と肉のぶつかる音。ぐじゅぐじゅとぬめる肉を掻き分ける音。ソウの荒い吐息と俺の感極まった泣き声。さっきよりもさらに奥までソウが入ってくる。突き破らんばかりに俺の気持ちいいところをこそげ、突き込み、めくる。身体の奥で、じゅぱじゅぱと音が響いている。
「レオはもう、俺のものだからね」
俺の目をまっすぐに見据え、ソウが宣言した。
「で、俺は、レオのものだから」
それはすとんと俺の胸に染み入り、今までに味わっためくるめく絶頂よりも甘く、甘く広がっていった。俺はもうこの綺麗な生き物に完全に支配されたのだ。そして、この綺麗な生き物は俺とともに生きると言う。
それはなんて、幸せなことだろう。
「ソウ――」
薄赤く染まる頬に手を伸ばす。素直に顔を寄せるソウの前髪を掻き上げ、露わになった額に俺はそっと口づけた。竜の第三の目があるところ。俺はお前のつがいとなろう。お前の一生とどれだけ共に歩めるか分からないけれど、それでもお前が俺を欲しいと言うのなら幾らでもくれてやろう。
ソウが顔をくしゃくしゃにして子供のように笑った。熱のこもった口づけと共に、下肢では種付けに向けて激しい突き入れが始まる。俺の喉からはもう意味をなす言葉など出ない。出した舌を吸われながら絶頂し、乳首を引っ掻かれては絶頂する。
「レオっ……、イク、よ……っ!」
俺の奥深くで肉杭がびぐびぐとわなないた。そして、甘い熱が爆発し、瞼の裏で白い光が激しく瞬いた。
ああ、もう幸せすぎて何も分からない――。
俺の身体にしがみつき、腰だけを激しく打ちすえながらソウが譫言のように囁いた。またあの熱い媚薬でいっぱいにされてしまう――。そう思っただけでかっと身体が熱くなる。これ以上注ぎ込まれたらどうなるか分からない。上ずった声で必死に制する。
「だっ、だめだ、外に出せ……っ」
「やだよぅ、だってレオの中きもちいいんだもん……」
完全に身体の上に乗り上げたソウの足先が俺の太腿の裏をがっちりと押さえこみ、もう逃げられないと全身で悟らされる。ぐじゅぐじゅと激しく泡立ついやらしい音。ぎしぎしと寝台が揺れる音。そして、ソウの上ずったいやらしい吐息。心拍が上がる。お互いの感度が否応なしに駆け上がっていく。いつの間にか、俺の腰は自ら受け入れるようにかすかに持ち上がっていた。
もう逃げられない。
もう逃げたがるポーズを、しなくても、いい。
「レオ……、レオっ……!」
びくりびくりとわなないたソウの雄から、変わらぬ勢いで放出された熱が二度、三度と俺の気持ちいいところに叩きつけられた。その甘い衝撃が全身を覆い尽くしていく。背中に乗ったソウを振り落としかねないほどに身体を反らせ、壮絶な絶頂にがくがくと痙攣した。
「――っ、あああぁぁぁっ……!」
頭がぼんやりとしていた。自分の叫び声さえもが遠くに感じる。体内からソウが抜け出ていくのが寂しくてたまらず、熱くずくずくと脈打つ肉門を締めつける。俺の中に空いた穴。それはぽっかりと赤い口を開け、ひくひくとわなないていることだろう。
「レオ……?」
ソウの腕が簡単に俺をひっくり返し、俺の顔を覗きこんだ。悦楽の涙で歪んだ中でもソウのきらめく瞳はとても綺麗だった。この幻想的な空のような瞳が俺を見ているというだけで、ぞくぞくと甘い電流が身体中を走っていく。俺は手を伸ばし、燃えるような赤毛に指をさしいれると、その目元に口づけた。
「ソウ……」
なめらかな頬を少し舐める。指先が小さな角に触れた。名を呼ばれたソウは甘えるように鼻先同士をこすり合せ、赤い顔ではにかんだ。何度かのついばむような口づけの後、まるで互いに喰らい合うかのように唇をむさぼる。呼吸の合間に互いの名を呼び、間違いなく愛おしいつがいと交わっていることを確認しあった。
「んっ、は……」
舌も唇も腫れぼったくなるほどに口づけあうと、次にソウは俺の胸にかじりついた。いつものように乳をねだる子の面差しで乳首に吸いついてくる。甘やかな快感と湧き上がる愛おしさに、ソウの小さな頭を撫で回した。舌先が踊り、くにくにと乳首がひしゃげる。赤く充血し、濡れ光る勃起乳首は俺の身体の一部だというのに、何だかひどくいやらしく見えた。
「レオのおっぱいすき……。むにむにしてて、ずっとさわってたい……」
乳首だけでなく、盛り上がった胸筋の弾力を確かめるように、ソウの歯が甘噛みする。歯の隙間から逃げる肉を追い、胸筋を舐め回すじれったい感触。ソウの唾液で更に敏感になった乳首を強く吸われる強烈な快感。いつしか俺の上に覆いかぶさり、ソウは夢中になって俺の胸を手で、舌でいじっていた。
「レオもおっぱいすきなんでしょ? 俺しってるよ。おっぱいすうと、レオもちんちん固くしてたよね」
「あぅ……っ!」
「俺もね、レオのおっぱい吸いながら、ちんちん固くなってたんだ」
腹の上に乗った俺の屹立がソウの肌でこすれた。ぬめる感触はするが、果たしてそれはしとどに垂れた先走りなのか、それとも勝手に漏れた精液なのか、自分でも判然としなかった。胸元にかじりついたままのソウの頭を抱きかかえ、俺は濡れた屹立をソウの身体にすりつけた。
「でも、どうしたらいいかはすぐわかったよ。 ね、レオ。こうすればよかったんだよね」
俺を見上げる青と緑の入り混じった瞳は常よりも濃く、さらにきらめいていた。
「ね、こうしてほしいでしょ? おっぱいいじられるのすきだもんね?」
長い舌が尖りきった乳首に触れそうで触れないところでちろちろと揺れる。舐めて欲しい。その舌先でこね回して、上下に弾いて欲しい。強く吸って、噛んで――お前の好きにして欲しい。
「すき、だから――、なぁ、もっとして……」
俺はソウの口元に乳首を押し当てた。ソウは少し驚いたように目を開いた後、実に嬉しげに目を細め、俺の望んだとおり、乳首に吸いついた。じゅるるといやらしい音を立て、痛いほどに吸い立てられる。きゅんきゅんと甘い波紋が全身へと広がり、まるでブリッジでもするかのように俺の腰が勝手に突きあがる。
「あっ、は、イク、乳首だけでイッちまうっ……!」
譫言のように唸っていたが、自分では声に出しているつもりはなかった。引き絞られた弓のように突き出された腰が震え、玉がせり上がり、尿道を熱い溶岩が駆け上がる。まるで十代の頃のような勢いで噴出する熱い飛沫。腕の中のソウにしがみつき、全てを出し切るまでがくがくと震えていた。
「――はーっ、はーっ……!」
力の抜けた腕がどたりとシーツの上に落ちた。目を閉じ、快感の余韻にひたりながら、ひたすら空気を吸い込む。腹に濡れた感触がするので薄く目を開けると、腹筋に撒き散らされた白濁をソウが夢中で舐めていた。
「あ、おまえ――」
臍の下から濃く渦巻く陰毛に絡んだものまで、まるで毛づくろいでもしているかのように丁寧に舐め取っている。その顔は、興奮に薄赤く染まり、美しい瞳に恍惚と揺れる光をたたえていた。ぞくり、と下腹の奥が甘やかに疼く。そして、身体の中に開きっぱなしの虚ろが、早く埋めろと騒ぎ始めた。
「ソウ――なあ、ソウ……」
腹筋を舐め上げるソウの髪をくしゃくしゃと混ぜ、美しい瞳を見つめる。その縦長の瞳孔は大きく開き、興奮を物語っていた。
「挿れてくれよ、お前の――さぁ。さっきから疼いちまってしょうがねえんだよ……」
足を絡め、俺は誘った。ごくりとソウの喉が鳴る。こんなおっさんに興奮しちまうなんて、お前は本当に馬鹿な竜だなぁ。馬鹿で、かわいそうで――かわいいやつだ。俺の興奮も否応なく高まってくる。
足の間を陣取ったソウの股間からは、臍までそそり立つ立派な肉杭が俺を欲しがって涎を垂らしていた。あんなのが俺の中に入っていたのかと思うと恐ろしいが、あれが俺を気絶しそうなほどに気持ちよくしてくれることも、もう既に知っている。
「じゃあ、いれるね」
足が開かされた。きっと、ソウの目には物欲しげにくぱくぱと蠢く精液まみれの肉蕾がよく見えることだろう。熱い塊が肉門にぴたりと押しつけられた。期待にぞくぞくと背筋が震える。
「あぁっ……来るぅ……っ!」
巨大な先端がずるりと入り込み、長い肉茎が俺の中を侵攻していく。さっき散々いたぶられた箇所を過ぎてもまだ侵入は止まらない。さらに奥へ、もっと奥へ――。大量の精液のぬめりと媚薬効果のせいで痛みはないが、びりびりと痺れるような痛みともつかない強い快感が俺を恍惚とさせた。
「あぁ……レオ……」
「あ、あ、すげぇ……」
あまりの気持ちよさに、互いにとろんとした目で譫言のように呟いた。なじませるような小刻みな腰の動きが始まり、それだけで俺はもう絶頂していた。腹の上では萎えたままの肉茎が動きに合わせて踊っている。
美しい雄に支配された雌だけが味わえる絶頂――。
今までの射精の快感を何倍にも濃くしたような、直接頭の中に快楽を注ぎ込まれたような――シーツを掻き毟り、顎を仰け反らせ、強すぎる快楽を逃がそうと喘ぐ。その仕種がソウを焚きつけているとも知らずに。
「レオ……っ」
「あっ、あ、あ、あ、あ……っ!」
激しい突き上げが始まった。俺の腰骨の辺りに手をかけ、巨体が揺れるほどに腰を叩き込まれる。そのたびにいやらしい声が漏れ、痺れるような快感が脳を灼く。もう何度、雌の絶頂を極めただろう。その度にこれ以上の快感はもうないと思うのに、回を重ねるごとにさらに高みへと上り詰めていくのだ。まるで螺旋のように。
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「あ、も、わかんね……」
ソウの肉竿が奥を突き上げるたび、しょろり、しょろり、と俺のちんぽから透明の液体が漏れ出し、腹を濡らしていく。快楽に麻痺した下半身はただ熱く、甘く溶け、まるで俺の思うとおりにはならなかった。嬉しくて小便をもらす犬のようじゃないか。舌を出して喘いでいるところもそっくりだ。
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腰を打ちつけながらソウがとろけた顔で笑った。気持ちよすぎて俺も笑う。体液で濡れた腹筋をソウの掌が撫で上げ、そのまま胸筋をもにゅもにゅと揉み始めた。唇を寄せ、ぴんと勃起した乳首に喰らいつく。
「あ、はぁあ……っ!」
乳首をちゅうちゅうと吸われながら、雄膣の奥深くまで突き込まれたら、もうひとたまりもない。ソウの腕の中で悶えながらまた絶頂し、奥を甘く苛む愛おしい雄をとろけきった媚肉が搾り上げる。
もう、気持ちよすぎて何が何だか分からない。どうして視界が揺れているのか分からない。自分が声をあげているのかも分からない。もらしているのかも分からない。イッてるのかも分からない。
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「レオはもう、俺のものだからね」
俺の目をまっすぐに見据え、ソウが宣言した。
「で、俺は、レオのものだから」
それはすとんと俺の胸に染み入り、今までに味わっためくるめく絶頂よりも甘く、甘く広がっていった。俺はもうこの綺麗な生き物に完全に支配されたのだ。そして、この綺麗な生き物は俺とともに生きると言う。
それはなんて、幸せなことだろう。
「ソウ――」
薄赤く染まる頬に手を伸ばす。素直に顔を寄せるソウの前髪を掻き上げ、露わになった額に俺はそっと口づけた。竜の第三の目があるところ。俺はお前のつがいとなろう。お前の一生とどれだけ共に歩めるか分からないけれど、それでもお前が俺を欲しいと言うのなら幾らでもくれてやろう。
ソウが顔をくしゃくしゃにして子供のように笑った。熱のこもった口づけと共に、下肢では種付けに向けて激しい突き入れが始まる。俺の喉からはもう意味をなす言葉など出ない。出した舌を吸われながら絶頂し、乳首を引っ掻かれては絶頂する。
「レオっ……、イク、よ……っ!」
俺の奥深くで肉杭がびぐびぐとわなないた。そして、甘い熱が爆発し、瞼の裏で白い光が激しく瞬いた。
ああ、もう幸せすぎて何も分からない――。
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