しのぶれど

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入学式、開幕!

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外は晴れている。桜も咲き乱れ、小鳥の囀りも聞こえる。
こんな日は自転車に乗ってどこか遠くの街に出かけ、ゆっくり映画でも見て過ごしたいが、今日はあいにくの入学式だ。

まあ、昼までには終わるだろうし
その後、どこかに出かけても構わないだろう。

家から山中高校までは歩いて30分。
まだ入学式を済ませていない新1年生は自転車通学が認められず、入学式後のホームルームで「自転車登録」をすると晴れて自転車通学出来るようになる。

怠いのは最初の1回だけ。
入学式もそうだ。これさえ済めばあとは
青春が待っているんだ。
俺は少しの期待を胸に、30分間歩き続けた。

着いた。
これが小学校や中学校であれば
正門の「○○学校 入学式」とかかれた
板の前で写真撮影するのだろうが
ここは高校。しかも進学校なのだ。
誰も見向きなぞしていない。
まるで事務作業のようにその先に設立された臨時テーブルの元で名前とクラスの確認が行われている。
最後尾に並び、合格証の中に入っていた
仮生徒証を用意する。

「すみません!忘れました!」
どこかで馬鹿な男の声がした。
こんな進学校に受かったのに仮生徒証忘れる奴がいるのか。
まぁ、いい。俺の知ったこっちゃない。
が、やっぱりその後の行方が気になるので声が聞こえた方を見るとその男は家に取りに帰るように言われたらしい。
金髪にメガネの男だ。身長は165cmぐらいか。
そいつの家がどこにあるかなんて知らないが、果たして間に合うのか。
入学式開始まであと40分しかない。
もっとも、彼が遅れても俺には関係ないが。

そうこうしているうちに俺の番が来た。
仮生徒証を出し、名前とクラスを確認する。そこには座席の場所も乗っていた。

1-B。これが俺のクラスだった。
席は、窓際後方である。

自分のクラスに入り、席を確認して座る。
入学式開始まであと30分。

周りを見渡すと他の奴らは同じ中学出身の仲間と話していた。
俺はそんな奴らを横目にスマホで時間を
潰していた。

「工藤君、よろしく」
声をかけられ、ふと顔を上げると、そこには女の子がいた。なかなかいい顔である。
「あぁ、よろしく」
急に話しかけられ、俺はこれぐらいしか言葉が出なかった。
入学式開始まで5分を切り、俺は廊下に並んだ。
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