5 / 31
君と出会った
大河side 2P
しおりを挟む
1つ1つのポケットを手でパンパンと押さえつけていたときだ。
「…あれ?」
右腰辺りのポケットが膨らんでいた。
固いなにかが入っているようだ。
不思議に思ってポケットに手を突っ込むと、中から出てきたのは白くて丸みのあるもの。
「あっ、…これ!」
それは、コンビニで拾ったワイヤレスイヤホンのケースだった。
落とし物として店員さんに預けようと思っていたのに、そのまま忘れて、ポケットに入れて持って帰ってきてしまっていた。
ひとまず、ユニフォームを洗濯する前に見つけてよかった。
水に濡れたら、絶対にアウトだよな?
まだ春休みは、1週間ある。
その間に、野球チームの練習もある。
だから、まだ何回かはあいつらとあのコンビニに行くことがあるから、そのときに店員さんに渡したらいいや。
そう思って、俺はワイヤレスイヤホンのケースをバッグにしまったのだった。
しかし、確かに野球チームの練習はあったが、そのあといつものようにあのコンビニに行くことはなかった。
なぜなら、練習後突然の土砂降りにあい、それどころではなかったり。
はたまた、俺が練習後に予定が入っていて、早く家に帰らなければならなかったり。
そんなことが続いて、結局あのコンビニには行けず…。
ワイヤレスイヤホンのケースは、ずっと俺が預かったままになってしまっていた。
1週間もすれば、きっとイヤホンの充電は切れているころだろう。
あのコかどうかはわからないけど、持ち主もきっと困っているはずだ。
…すんません。
俺が持ったままです。
そんなことを思いながら、俺は明日の入学式に備えて、早めに寝ることにした。
だから、このときの俺は思ってもみなかった。
このワイヤレスイヤホンのケースの持ち主――。
つまり、あのコにまた再会できるだなんて。
しかもそれが、俺の人生にとって、かけがえのない大切な人との出会いになるなんて。
「悠、また同じクラスやんっ」
「ほんまやな!またよろしく~」
俺は、悠と並びながら1年3組の教室に向かった。
隣にいる悠とは、幼稚園からの付き合い。
小学校でも何度か同じクラスにはなったし、同じ野球チームにも所属している。
ちなみに、野球チームではバッテリーを組んでいる。
俺がピッチャーで、悠がキャッチャー。
だから、今日の入学式にも、「また同じクラスかもな」なんて話しながらきたら、まさかの同じクラスだった。
1年3組の教室に着くと、さっそく黒板に書かれていた座席表に目を通す。
一旦悠と別れて自分の席に座ってみるけど、…なんだか落ち着かない。
なぜなら、周りは春休み明けで久々に会う友達ばかりだからだ。
「おお、大河!久しぶり~」
「おう!お前もなっ」
この青城中学の生徒は、前の小学校からの持ち上がりがほとんど。
だから、同級生はみんな知った顔だし、先輩だって知っている。
もし知らない顔があるとすれば、それは転校生くらいだ。
ただ、まあこんな田舎に転校生がそうそうくるはずもない。
俺は、さっそく悠の席に向かった。
そして、悠の隣の空いていた席に腰を下ろす。
「あっ!大河と悠やん!」
「お前ら、遊びに誘ってんのに、全然都合つかへんやったやん!」
「あ~、ごめんごめん。野球の練習あったから」
「春休み中も、野球~…!?ほんま、野球バカやな」
気づけば俺と悠の周りには、前の小学校から仲のよかった友達が集まっていた。
だから、話に夢中になってまったく気づかなかった。
俺の後ろに、だれかが立っていたことに。
「あ…あの……」
一瞬、空耳かと思った。
でも、なんだか気配を感じて振り返ると、そこには見慣れない女子が立っていた。
「あの…。そこ…、わたしの席でっ…」
肩にあたるくらいのミディアムヘア。
俺と違って、ぶつかったら折れそうな華奢な体。
…ん?
ぶつかったら…?
その瞬間、俺の頭の中に電流のようなものが駆け巡り、あのときの出来事が思い出された。
「…あーーーーーっ!!」
一瞬、こんなコ、同級生にいたっけ?と思ったけど、そうじゃない。
「だれ、このコ?」
「初めて見るけど、大河の知り合い?」
当たり前だが、周りはそんな反応だ。
だけど俺は、このコを知っている。
「もしかして、イヤホンのコとちゃう!?」
そう。
コンビニでぶつかって、ケースを落としていった…イヤホンのコ!
「…あっ、ほんまやん!この間のコやんっ」
隣にいた悠からも、そんな声が漏れた。
悠はあのとき、イートインスペースでこのコの隣に座っていて、俺がぶつかったときも近くで見ていたから。
「俺!俺!…覚えてへん!?」
「…いや。ちょっとよくわからないんですが…」
自分の顔を指でさしてみたが、困った顔をしている。
「…あ、そっか。まぁいいや!それよりも、これずっと返さなあかんって思ってて」
俺は、エナメルバッグのポケットからワイヤレスイヤホンのケースを取り出した。
結局、コンビニにも預けに行けず、でもなにかあったらすぐ出せるようにと、このバッグにしまっていた。
「これ、自分のとちゃう?」
「なんで…これ」
「コンビニに落としてたで。たぶん、俺とぶつかったときに」
「…ぶつかった?」
そうつぶやいて、俺の顔をまじまじと見つめる。
そして、ハッとしたような表情を見せた。
ようやく、思い出したようだ。
「あのときの…野球部!?」
「…野球部?…ああ、あのときは野球チームのメンバーでなっ。こいつもそのとき、そこにおったし」
俺は、隣にいた悠に視線を移す。
あの場には、他に同級生のメンバーが4人いたけど、同じ中学に上がるのは悠だけだ。
「イヤホン充電できひんくて、困ってたんとちゃう?」
「…う、うん。そうなの。ありがとう」
「どういたしまして」
そのコのずっと固かった表情が緩んだ瞬間だった。
その優しい笑みに、不覚にもドキッとしてしまった。
だけど、それよりも気になることが――。
「…って、なんで標準語?」
このあたりじゃ、標準語なんて聞き慣れない。
そこに、とっさに反応してしまった。
「わたし、東京から引っ越してきたばかりなの。だから、まだこっちの生活に慣れてなくて…」
転校生なんているわけないと思っていたけど、まさかの目の前にいた。
「へ~。わざわざこんな田舎に引っ越してきたんやっ。周り、みんな知り合い同士でビビったやろ?」
「…うん。すごく浮いてる感じがするっ」
「まあ、でもみんな悪いヤツとちゃうし、そのうち仲よくなれるから大丈夫やって!」
「あ…ありがとう」
コンビニで見かけたときは、愛想がないと思ったけど、話してみたらそんなことはなかった。
ただ、この土地に慣れていないだけだった。
「…で。そこ…、わたしの席なんだけど…」
「ああ、そやったな。勝手に座ってて、ごめんごめん!」
俺は、慌てて席を立った。
「そういえば、名前は?」
せっかく、同じクラスになったことだし。
「…え?えっと…、桜庭です」
「ちゃうちゃう!下の名前っ」
「下…!?」
あまりにも驚くから、変なことでも聞いてしまったのかと思った。
でも、俺たちの仲じゃ男子も女子も関係なく、下の名前で呼ぶのが当たり前となっている。
「桜庭…莉子です」
手をもじもじさせながら恥ずかしそうに、小さな声が聞こえた。
「莉子なっ。俺は、矢野大河。こっちは悠」
俺は、悠に顔を向ける。
「大河くんと…、悠くん…」
それを聞いて、ちょっと歯がゆくなった。
くん付けなんて、されたことがなかったから。
「大河でええよ!」
俺はそう言って、笑ってみせた。
まさか、あのときコンビニでぶつかったコと、こんなところで再会するとは思わなかった。
――莉子。
まだクラスに溶け込めなくて、なんだか放っておけない存在。
自分じゃ気づかなかったけど、俺はこのときからすでに、少しずつ莉子に惹かれていたんだ。
「…あれ?」
右腰辺りのポケットが膨らんでいた。
固いなにかが入っているようだ。
不思議に思ってポケットに手を突っ込むと、中から出てきたのは白くて丸みのあるもの。
「あっ、…これ!」
それは、コンビニで拾ったワイヤレスイヤホンのケースだった。
落とし物として店員さんに預けようと思っていたのに、そのまま忘れて、ポケットに入れて持って帰ってきてしまっていた。
ひとまず、ユニフォームを洗濯する前に見つけてよかった。
水に濡れたら、絶対にアウトだよな?
まだ春休みは、1週間ある。
その間に、野球チームの練習もある。
だから、まだ何回かはあいつらとあのコンビニに行くことがあるから、そのときに店員さんに渡したらいいや。
そう思って、俺はワイヤレスイヤホンのケースをバッグにしまったのだった。
しかし、確かに野球チームの練習はあったが、そのあといつものようにあのコンビニに行くことはなかった。
なぜなら、練習後突然の土砂降りにあい、それどころではなかったり。
はたまた、俺が練習後に予定が入っていて、早く家に帰らなければならなかったり。
そんなことが続いて、結局あのコンビニには行けず…。
ワイヤレスイヤホンのケースは、ずっと俺が預かったままになってしまっていた。
1週間もすれば、きっとイヤホンの充電は切れているころだろう。
あのコかどうかはわからないけど、持ち主もきっと困っているはずだ。
…すんません。
俺が持ったままです。
そんなことを思いながら、俺は明日の入学式に備えて、早めに寝ることにした。
だから、このときの俺は思ってもみなかった。
このワイヤレスイヤホンのケースの持ち主――。
つまり、あのコにまた再会できるだなんて。
しかもそれが、俺の人生にとって、かけがえのない大切な人との出会いになるなんて。
「悠、また同じクラスやんっ」
「ほんまやな!またよろしく~」
俺は、悠と並びながら1年3組の教室に向かった。
隣にいる悠とは、幼稚園からの付き合い。
小学校でも何度か同じクラスにはなったし、同じ野球チームにも所属している。
ちなみに、野球チームではバッテリーを組んでいる。
俺がピッチャーで、悠がキャッチャー。
だから、今日の入学式にも、「また同じクラスかもな」なんて話しながらきたら、まさかの同じクラスだった。
1年3組の教室に着くと、さっそく黒板に書かれていた座席表に目を通す。
一旦悠と別れて自分の席に座ってみるけど、…なんだか落ち着かない。
なぜなら、周りは春休み明けで久々に会う友達ばかりだからだ。
「おお、大河!久しぶり~」
「おう!お前もなっ」
この青城中学の生徒は、前の小学校からの持ち上がりがほとんど。
だから、同級生はみんな知った顔だし、先輩だって知っている。
もし知らない顔があるとすれば、それは転校生くらいだ。
ただ、まあこんな田舎に転校生がそうそうくるはずもない。
俺は、さっそく悠の席に向かった。
そして、悠の隣の空いていた席に腰を下ろす。
「あっ!大河と悠やん!」
「お前ら、遊びに誘ってんのに、全然都合つかへんやったやん!」
「あ~、ごめんごめん。野球の練習あったから」
「春休み中も、野球~…!?ほんま、野球バカやな」
気づけば俺と悠の周りには、前の小学校から仲のよかった友達が集まっていた。
だから、話に夢中になってまったく気づかなかった。
俺の後ろに、だれかが立っていたことに。
「あ…あの……」
一瞬、空耳かと思った。
でも、なんだか気配を感じて振り返ると、そこには見慣れない女子が立っていた。
「あの…。そこ…、わたしの席でっ…」
肩にあたるくらいのミディアムヘア。
俺と違って、ぶつかったら折れそうな華奢な体。
…ん?
ぶつかったら…?
その瞬間、俺の頭の中に電流のようなものが駆け巡り、あのときの出来事が思い出された。
「…あーーーーーっ!!」
一瞬、こんなコ、同級生にいたっけ?と思ったけど、そうじゃない。
「だれ、このコ?」
「初めて見るけど、大河の知り合い?」
当たり前だが、周りはそんな反応だ。
だけど俺は、このコを知っている。
「もしかして、イヤホンのコとちゃう!?」
そう。
コンビニでぶつかって、ケースを落としていった…イヤホンのコ!
「…あっ、ほんまやん!この間のコやんっ」
隣にいた悠からも、そんな声が漏れた。
悠はあのとき、イートインスペースでこのコの隣に座っていて、俺がぶつかったときも近くで見ていたから。
「俺!俺!…覚えてへん!?」
「…いや。ちょっとよくわからないんですが…」
自分の顔を指でさしてみたが、困った顔をしている。
「…あ、そっか。まぁいいや!それよりも、これずっと返さなあかんって思ってて」
俺は、エナメルバッグのポケットからワイヤレスイヤホンのケースを取り出した。
結局、コンビニにも預けに行けず、でもなにかあったらすぐ出せるようにと、このバッグにしまっていた。
「これ、自分のとちゃう?」
「なんで…これ」
「コンビニに落としてたで。たぶん、俺とぶつかったときに」
「…ぶつかった?」
そうつぶやいて、俺の顔をまじまじと見つめる。
そして、ハッとしたような表情を見せた。
ようやく、思い出したようだ。
「あのときの…野球部!?」
「…野球部?…ああ、あのときは野球チームのメンバーでなっ。こいつもそのとき、そこにおったし」
俺は、隣にいた悠に視線を移す。
あの場には、他に同級生のメンバーが4人いたけど、同じ中学に上がるのは悠だけだ。
「イヤホン充電できひんくて、困ってたんとちゃう?」
「…う、うん。そうなの。ありがとう」
「どういたしまして」
そのコのずっと固かった表情が緩んだ瞬間だった。
その優しい笑みに、不覚にもドキッとしてしまった。
だけど、それよりも気になることが――。
「…って、なんで標準語?」
このあたりじゃ、標準語なんて聞き慣れない。
そこに、とっさに反応してしまった。
「わたし、東京から引っ越してきたばかりなの。だから、まだこっちの生活に慣れてなくて…」
転校生なんているわけないと思っていたけど、まさかの目の前にいた。
「へ~。わざわざこんな田舎に引っ越してきたんやっ。周り、みんな知り合い同士でビビったやろ?」
「…うん。すごく浮いてる感じがするっ」
「まあ、でもみんな悪いヤツとちゃうし、そのうち仲よくなれるから大丈夫やって!」
「あ…ありがとう」
コンビニで見かけたときは、愛想がないと思ったけど、話してみたらそんなことはなかった。
ただ、この土地に慣れていないだけだった。
「…で。そこ…、わたしの席なんだけど…」
「ああ、そやったな。勝手に座ってて、ごめんごめん!」
俺は、慌てて席を立った。
「そういえば、名前は?」
せっかく、同じクラスになったことだし。
「…え?えっと…、桜庭です」
「ちゃうちゃう!下の名前っ」
「下…!?」
あまりにも驚くから、変なことでも聞いてしまったのかと思った。
でも、俺たちの仲じゃ男子も女子も関係なく、下の名前で呼ぶのが当たり前となっている。
「桜庭…莉子です」
手をもじもじさせながら恥ずかしそうに、小さな声が聞こえた。
「莉子なっ。俺は、矢野大河。こっちは悠」
俺は、悠に顔を向ける。
「大河くんと…、悠くん…」
それを聞いて、ちょっと歯がゆくなった。
くん付けなんて、されたことがなかったから。
「大河でええよ!」
俺はそう言って、笑ってみせた。
まさか、あのときコンビニでぶつかったコと、こんなところで再会するとは思わなかった。
――莉子。
まだクラスに溶け込めなくて、なんだか放っておけない存在。
自分じゃ気づかなかったけど、俺はこのときからすでに、少しずつ莉子に惹かれていたんだ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】お姉様の婚約者
七瀬菜々
恋愛
姉が失踪した。それは結婚式当日の朝のことだった。
残された私は家族のため、ひいては祖国のため、姉の婚約者と結婚した。
サイズの合わない純白のドレスを身に纏い、すまないと啜り泣く父に手を引かれ、困惑と同情と侮蔑の視線が交差するバージンロードを歩き、彼の手を取る。
誰が見ても哀れで、惨めで、不幸な結婚。
けれど私の心は晴れやかだった。
だって、ずっと片思いを続けていた人の隣に立てるのだから。
ーーーーーそう、だから私は、誰がなんと言おうと、シアワセだ。
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
愛しき夫は、男装の姫君と恋仲らしい。
星空 金平糖
恋愛
シエラは、政略結婚で夫婦となった公爵──グレイのことを深く愛していた。
グレイは優しく、とても親しみやすい人柄でその甘いルックスから、結婚してからも数多の女性達と浮名を流していた。
それでもシエラは、グレイが囁いてくれる「私が愛しているのは、あなただけだよ」その言葉を信じ、彼と夫婦であれることに幸福を感じていた。
しかし。ある日。
シエラは、グレイが美貌の少年と親密な様子で、王宮の庭を散策している場面を目撃してしまう。当初はどこかの令息に王宮案内をしているだけだと考えていたシエラだったが、実はその少年が王女─ディアナであると判明する。
聞くところによるとディアナとグレイは昔から想い会っていた。
ディアナはグレイが結婚してからも、健気に男装までしてグレイに会いに来ては逢瀬を重ねているという。
──……私は、ただの邪魔者だったの?
衝撃を受けるシエラは「これ以上、グレイとはいられない」と絶望する……。
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる