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初デートをしてみたら
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「だったら、今度俺ん家にこいよ。まだ録画残ってるから」
「…りっくんの家?」
そういえば、小学校の頃はよくお互いの家を行き来していたな。
あのときは、まだわたしはマンションに住んでいたけど。
「母さんも、久々にしずくに会いたがってた。だから、次のデートは俺ん家なっ」
「うん…♪」
こんな些細な約束でさえも、幸せに感じてしまう。
「それなら、今度りっくんもウチに遊びにきてよ!まだ、家の中には入ったことはなかったでしょ?」
「そうだな。前に、玄関でちょこっと話して帰ったくらいだし」
「お母さんも喜ぶと思うからさっ」
「おう」
いつになるかわからないけど、りっくんがウチに遊びにきてくれる。
このときは、遠い先のことのように考えていたけど――。
まさか…いきなり。
急展開な事態になるとは思ってもみなかった。
そのあとは、ショッピングモール内の服屋さんでお買い物。
わたしは、普段着で着るTシャツを2枚購入。
りっくんも新しいデニムがほしかったとかで、りっくんのお買い物にも付き合っていた。
「どう、これ?」
りっくんは1着着るたびに試着室から出てきて、わたしに意見を求めてくる。
「う~ん…」
「って、しずく。さっきからそればっかじゃん。…もしかして、似合ってない?」
「…いや、似合っていないというか。むしろ…」
すべて似合っている。
だって、相手はモデルの律希なんだもん。
シンプルなデニムだって、一般人が着こなすには難しそうなデザインのデニムだって、りっくんが履けばなんでも似合ってしまう。
「お客様、どれもすごくお似合いで!」
ほら、店員さんだってこう言っている。
「スタイルもよくて、まるでモデルさんみたいですね!」
店員さんの褒め言葉に、苦笑するりっくん。
わたしも思わず、クスッと笑ってしまった。
『モデルさんみたい』じゃなくて、本当のモデルさんだから。
しかしりっくんは、なにも買わずにお店を出てしまった。
「…あれ?買わなくてよかったの?店員さんだって、ああ言ってたのに」
「店員さんの意見じゃなくて、俺はしずくの意見が聞きたかったんだよ。しずくがいいって思ったものを買いたいから」
「…そんなっ。わたしなんて、オシャレとかよくわからないし…」
「じゃあ、今日のしずくのそのワンピースだって、テキトーに選んで着てきたの?」
りっくんにそう言われて、わたしは自分のワンピースに視線を移す。
このワンピースは、この間お母さんと買い物に出かけたときに買ってもらったものだ。
マネキンが同じものを着ていて、それに一目惚れして。
いつも買う服よりは少し値段がしたけど、どうしてもりっくんとのデートに着ていきたくて、お母さんにお願いしたもの。
「このワンピースは…デザインがかわいくて。りっくんが喜んでくれるかなって思って…」
「俺も同じだよ。俺だって、しずくに喜んでもらいたくて今日の服を選んだし、これから買う服だってしずく好みにしたいから」
服なんてたくさん持っていそうなのに、その中でもわたしが好きそうな服を着てきてくれたんだ。
それを聞いたら、なんだかうれしい。
「言っておくけど、今日のしずくの格好…。俺、めちゃくちゃタイプだから」
「そ…そうなの…!?」
「ああ。だから、俺もしずくのタイプの服が着たいから、意見聞かせてよ」
そうだったんだ。
そういうことなら…。
「わたしの意見で…よければ」
「おう。期待しておくっ」
服のセンスに自信はないけど、りっくんといっしょに服を選ぶ…。
そんな時間がとても楽しかった。
だから、買い物に夢中で全然気づかなかった。
わたしとりっくんを交互に見つめる視線に…。
「ねぇ、りっくん。これなんてどう――」
「見て見てっ…。あれって…もしかして」
「…えっ、うそ!?モデルの律希…!?」
そんな声がふと聞こえた。
見ると、高校生くらいの女の子が2人、こちらを見ながら小声で話している。
キャップと伊達メガネの変装は、ここまで意外とバレなかった。
だけど、細見で背が高いりっくんのスタイルは、どうしても隠しきれない。
おまけにイケメンだし、それでよく見たらモデルの律希だって悟られてもおかしくはない。
「…りっくん。あそこの女の子たちにバレたんじゃっ…」
「シッ…!見たら怪しまれる。聞こえてないフリして、自然にしておけばいいから」
それが、いつものりっくんのやり過ごし方なのだろう。
その声に反応しなければ、ただの似ている人でスルーされると。
そうは言っても、わたしはバレたらどうしようという気持ちのほうが強くて、どうしてもその2人の会話が気になって仕方がない。
「でも、律希がこんなだれでもくるような場所にいるものかな?」
「けど、地元はこの近くだって」
まだ、モデルの律希だと完全にバレたわけではなさそう。
人違いだと思い込んで、早くどこかへ行ってほしいな。
そう思っていたんだけど――。
「…ねぇねぇ。あの隣にいる女の子って…」
「もしかして、…彼女?」
りっくんの隣にいる女の子…。
それは、紛れもなくわたしのことだ…!
わたしは、顔を見られないようにとカンカン帽を深く被る。
モデルの律希に彼女がいるなんて知られたら、…大変だっ。
詳しくは知らないけど、りっくんが所属する事務所とかに迷惑かけちゃうんじゃないのかな。
そんなことが頭によぎる。
…りっくんと距離を取ったほうがいいのかな。
そう思って、ゆっくりと離れようとした…その瞬間。
「しずくは、この黒のベルトと白のベルト、どっちがいいと思う?」
なんとりっくんが、女の子たちの目の前でわたしを抱き寄せてきた…!
「まっ…待って、りっくん!今、後ろで見られてるから…!」
「ねぇ、どっち?」
わたしの話なんてそっちのけで、ベルトに視線を移すりっくん。
こんなふうに抱き寄せられたら、ただの通りすがりという言い訳なんて通じないよっ…。
すると、それを見た女の子たちが…。
「よく似てるけど、やっぱり律希なわけないよっ」
「ほんとそれ!声かけなくてよかった~!」
そんな声を漏らした。
…あれ?
モデルの律希だって…バレてない?
「だって、あのクールな律希が人前でイチャついたりしないしねぇ」
「そうそう。それに、もし律希に彼女がいるとしたなら、あんな地味なコじゃないだろうしっ」
…『地味』。
否定できないのが…つらい。
「行こ行こ~!」
そう言って、女の子たちは行ってしまった。
「ほらな、バレなかっただろ?」
「そんなこと言ったって、ほとんどバレかけてたよ…!」
寿命が縮みそうなくらいドギマギしていたわたしとは違って、ニッと微笑んでみせるりっくん。
「それに…あんなことして、もしバレたりしてたら…」
「俺はいいよ、バレたって。だって、クールな律希は雑誌の中だけだから。今は、ただの遠野律希だよ」
りっくんは、ギュッとわたしの手を握る。
『だって、あのクールな律希が人前でイチャついたりしないしねぇ』
『そうそう。それに、もし律希に彼女がいるとしたなら、あんな地味なコじゃないだろうしっ』
…りっくん。
聞いていないフリをして、実はさっきの女の子たちの会話…全部聞こえていたんだ。
「しずくだって、気にすることないからな。しずくは俺の自慢の彼女だし、俺だって彼女とイチャついたりしたいんだから」
『気にすることない』と言ってくれるけど、一番気にしていたのは、もしかしたらりっくんかもしれない。
『地味』と言われたわたしのことまで気遣ってくれるんだから。
「できることなら、俺は声を大にして言いたいよ?このむちゃくちゃかわいい女が、俺の彼女だって」
でも、そんなことはしない。
りっくんは、『彼女がいる』というイメージダウンのことよりも、わたしが彼女として騒がれることのほうを心配してくれていた。
周りから注目されることが苦手な、控えめなわたしのために。
「でも、たまに…不安になるときがある。しずくにとって、俺はいい彼氏でいれてるのかなって。ヒミツの付き合いだからこそ…余計に」
りっくん…顔には出さないけど、実はそんなことを…。
「だから、これをしずくに渡したかったんだ」
そう言われて、手を差し出すように促される。
不思議に思いながら、りっくんに手のひらを見せるように前に出すと、その上になにかを置かれた。
ひんやりと冷たくて、小さくて丸い…なにか。
見ると、それはピンクゴールドに輝く指輪だった。
「これって…」
「…りっくんの家?」
そういえば、小学校の頃はよくお互いの家を行き来していたな。
あのときは、まだわたしはマンションに住んでいたけど。
「母さんも、久々にしずくに会いたがってた。だから、次のデートは俺ん家なっ」
「うん…♪」
こんな些細な約束でさえも、幸せに感じてしまう。
「それなら、今度りっくんもウチに遊びにきてよ!まだ、家の中には入ったことはなかったでしょ?」
「そうだな。前に、玄関でちょこっと話して帰ったくらいだし」
「お母さんも喜ぶと思うからさっ」
「おう」
いつになるかわからないけど、りっくんがウチに遊びにきてくれる。
このときは、遠い先のことのように考えていたけど――。
まさか…いきなり。
急展開な事態になるとは思ってもみなかった。
そのあとは、ショッピングモール内の服屋さんでお買い物。
わたしは、普段着で着るTシャツを2枚購入。
りっくんも新しいデニムがほしかったとかで、りっくんのお買い物にも付き合っていた。
「どう、これ?」
りっくんは1着着るたびに試着室から出てきて、わたしに意見を求めてくる。
「う~ん…」
「って、しずく。さっきからそればっかじゃん。…もしかして、似合ってない?」
「…いや、似合っていないというか。むしろ…」
すべて似合っている。
だって、相手はモデルの律希なんだもん。
シンプルなデニムだって、一般人が着こなすには難しそうなデザインのデニムだって、りっくんが履けばなんでも似合ってしまう。
「お客様、どれもすごくお似合いで!」
ほら、店員さんだってこう言っている。
「スタイルもよくて、まるでモデルさんみたいですね!」
店員さんの褒め言葉に、苦笑するりっくん。
わたしも思わず、クスッと笑ってしまった。
『モデルさんみたい』じゃなくて、本当のモデルさんだから。
しかしりっくんは、なにも買わずにお店を出てしまった。
「…あれ?買わなくてよかったの?店員さんだって、ああ言ってたのに」
「店員さんの意見じゃなくて、俺はしずくの意見が聞きたかったんだよ。しずくがいいって思ったものを買いたいから」
「…そんなっ。わたしなんて、オシャレとかよくわからないし…」
「じゃあ、今日のしずくのそのワンピースだって、テキトーに選んで着てきたの?」
りっくんにそう言われて、わたしは自分のワンピースに視線を移す。
このワンピースは、この間お母さんと買い物に出かけたときに買ってもらったものだ。
マネキンが同じものを着ていて、それに一目惚れして。
いつも買う服よりは少し値段がしたけど、どうしてもりっくんとのデートに着ていきたくて、お母さんにお願いしたもの。
「このワンピースは…デザインがかわいくて。りっくんが喜んでくれるかなって思って…」
「俺も同じだよ。俺だって、しずくに喜んでもらいたくて今日の服を選んだし、これから買う服だってしずく好みにしたいから」
服なんてたくさん持っていそうなのに、その中でもわたしが好きそうな服を着てきてくれたんだ。
それを聞いたら、なんだかうれしい。
「言っておくけど、今日のしずくの格好…。俺、めちゃくちゃタイプだから」
「そ…そうなの…!?」
「ああ。だから、俺もしずくのタイプの服が着たいから、意見聞かせてよ」
そうだったんだ。
そういうことなら…。
「わたしの意見で…よければ」
「おう。期待しておくっ」
服のセンスに自信はないけど、りっくんといっしょに服を選ぶ…。
そんな時間がとても楽しかった。
だから、買い物に夢中で全然気づかなかった。
わたしとりっくんを交互に見つめる視線に…。
「ねぇ、りっくん。これなんてどう――」
「見て見てっ…。あれって…もしかして」
「…えっ、うそ!?モデルの律希…!?」
そんな声がふと聞こえた。
見ると、高校生くらいの女の子が2人、こちらを見ながら小声で話している。
キャップと伊達メガネの変装は、ここまで意外とバレなかった。
だけど、細見で背が高いりっくんのスタイルは、どうしても隠しきれない。
おまけにイケメンだし、それでよく見たらモデルの律希だって悟られてもおかしくはない。
「…りっくん。あそこの女の子たちにバレたんじゃっ…」
「シッ…!見たら怪しまれる。聞こえてないフリして、自然にしておけばいいから」
それが、いつものりっくんのやり過ごし方なのだろう。
その声に反応しなければ、ただの似ている人でスルーされると。
そうは言っても、わたしはバレたらどうしようという気持ちのほうが強くて、どうしてもその2人の会話が気になって仕方がない。
「でも、律希がこんなだれでもくるような場所にいるものかな?」
「けど、地元はこの近くだって」
まだ、モデルの律希だと完全にバレたわけではなさそう。
人違いだと思い込んで、早くどこかへ行ってほしいな。
そう思っていたんだけど――。
「…ねぇねぇ。あの隣にいる女の子って…」
「もしかして、…彼女?」
りっくんの隣にいる女の子…。
それは、紛れもなくわたしのことだ…!
わたしは、顔を見られないようにとカンカン帽を深く被る。
モデルの律希に彼女がいるなんて知られたら、…大変だっ。
詳しくは知らないけど、りっくんが所属する事務所とかに迷惑かけちゃうんじゃないのかな。
そんなことが頭によぎる。
…りっくんと距離を取ったほうがいいのかな。
そう思って、ゆっくりと離れようとした…その瞬間。
「しずくは、この黒のベルトと白のベルト、どっちがいいと思う?」
なんとりっくんが、女の子たちの目の前でわたしを抱き寄せてきた…!
「まっ…待って、りっくん!今、後ろで見られてるから…!」
「ねぇ、どっち?」
わたしの話なんてそっちのけで、ベルトに視線を移すりっくん。
こんなふうに抱き寄せられたら、ただの通りすがりという言い訳なんて通じないよっ…。
すると、それを見た女の子たちが…。
「よく似てるけど、やっぱり律希なわけないよっ」
「ほんとそれ!声かけなくてよかった~!」
そんな声を漏らした。
…あれ?
モデルの律希だって…バレてない?
「だって、あのクールな律希が人前でイチャついたりしないしねぇ」
「そうそう。それに、もし律希に彼女がいるとしたなら、あんな地味なコじゃないだろうしっ」
…『地味』。
否定できないのが…つらい。
「行こ行こ~!」
そう言って、女の子たちは行ってしまった。
「ほらな、バレなかっただろ?」
「そんなこと言ったって、ほとんどバレかけてたよ…!」
寿命が縮みそうなくらいドギマギしていたわたしとは違って、ニッと微笑んでみせるりっくん。
「それに…あんなことして、もしバレたりしてたら…」
「俺はいいよ、バレたって。だって、クールな律希は雑誌の中だけだから。今は、ただの遠野律希だよ」
りっくんは、ギュッとわたしの手を握る。
『だって、あのクールな律希が人前でイチャついたりしないしねぇ』
『そうそう。それに、もし律希に彼女がいるとしたなら、あんな地味なコじゃないだろうしっ』
…りっくん。
聞いていないフリをして、実はさっきの女の子たちの会話…全部聞こえていたんだ。
「しずくだって、気にすることないからな。しずくは俺の自慢の彼女だし、俺だって彼女とイチャついたりしたいんだから」
『気にすることない』と言ってくれるけど、一番気にしていたのは、もしかしたらりっくんかもしれない。
『地味』と言われたわたしのことまで気遣ってくれるんだから。
「できることなら、俺は声を大にして言いたいよ?このむちゃくちゃかわいい女が、俺の彼女だって」
でも、そんなことはしない。
りっくんは、『彼女がいる』というイメージダウンのことよりも、わたしが彼女として騒がれることのほうを心配してくれていた。
周りから注目されることが苦手な、控えめなわたしのために。
「でも、たまに…不安になるときがある。しずくにとって、俺はいい彼氏でいれてるのかなって。ヒミツの付き合いだからこそ…余計に」
りっくん…顔には出さないけど、実はそんなことを…。
「だから、これをしずくに渡したかったんだ」
そう言われて、手を差し出すように促される。
不思議に思いながら、りっくんに手のひらを見せるように前に出すと、その上になにかを置かれた。
ひんやりと冷たくて、小さくて丸い…なにか。
見ると、それはピンクゴールドに輝く指輪だった。
「これって…」
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