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二章「刺客」
第五夜[ドS再臨]
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「‥‥見付けましたよ。アリス・ウィンターソン
さん‥‥♪」
「へ?誰か呼んだ?」
静寂と暗闇に包まれたメルスケルク中央通り。
そこには意気揚々と怪しげにニヤリと微笑むクローバーと、義理の妹、マッチ売りの少女ことエリカ・ノーランと駆けっこをして遊び戯れるアリス・ウィンターソンの姿があった。
「貴女を殺せば‥‥貴女を殺せば私はお父様に一人前の聖女として認められる‥‥!」
「‥‥へ?まず貴女誰よ?」
「‥‥五月蝿い!問答無用!私と剣を交えなさい!アリス・ウィンターソン!!」
「‥‥何だかよく分かんないけど、貴女の様な見るからに痛々しい修道女と戦えばいいのね?」
「痛々しいって、口を慎みなさい!それでも貴女は貞淑な女性なのですか!?」
「貞淑?何の事かしら。私は貴女の様な規則に縛られていつまでたっても親の脛を齧って惨めに生きるような畜生ではないわ」
「御姉ちゃん何言ってるの?」
エリカはきょとんとした顔でアリスの顔を覗いている。
「あ、貴女は知らない方が良いわ。私の様な社会の縺れを見てしまった人間にもならない為にも‥‥」
アリスは慌ててエリカを優しく諭すと、正面切ってクローバーの方を見詰めた。
「やっと戦う気になりましたか‥‥アリス・ウィンターソン」
「あのぉ‥‥そんないっちょまえな顔で尚且つフルネームで呼ばれても私困るんですけどぉ‥‥。第一、貴女と戦う気なんてさらさら無いわ」
「そうですか‥‥ならば私から先にいかせて頂きます‥‥!メドゥーサの呪いを篤と身に染みて感じるのですね!!」
そう言うとクローバーは先陣切ってアリスがぼんやりと突っ立っている方向に剣を振り翳した。
しかし、アリスはその挙動をあっさりと見抜き、その場に居合わせたエリカを突き飛ばしながら右に避けた。
「ちょっ‥‥!何すんのよ!危ないじゃない!!ああ、エリカ、大丈夫?」
「イテテ‥‥私は大丈夫だよ御姉ちゃん」
呆然と立ち尽くすクローバー。
その視線の先には激昴したアリスの姿が。
「そんな‥‥嘘よ‥‥メデューサの呪いが効かないだなんて‥‥」
「メデューサだか呪いだか何だか知らないけど、貴女、そもそも私よりも大人何だからもっと大人らしく芳しい態度をとったらどうなのよ!?」
何とも言えないシニカルな星空が、彼女、クローバー・ダーマーを嘲笑う。
「私を倒すなんて、百年‥‥いや、一億年早いわ!出直して神に懺悔して免罪符でも頂いて来なさいっ!それとも‥‥私に亀甲縛りされて鞭で何度もしばかれたいかしら!!そんな猿以下のちゃちな脳みそに制裁を下してあげるわ!!!キャハハハハハハハハハハハハハ!!!」
「い、嫌‥‥こ、こんな少女を相手取って負けるだなんて‥‥。‥‥そんな‥‥殺される‥‥殺される‥‥!!!」
舌舐めずりをしながらギョロっとした目で腰を抜かすクローバーを睨み付けるアリス。
「今度は私の番で‥‥良いのよねぇ!?」
「いや‥‥イヤアアアアアアアアアアアア!!!」
悲鳴を上げながら一目散に逃げ去る少女。
その目は大きく見開きこの世のものでは無い『何か』を見たかの様に強張っていた。
「何よ、詰まらないわね。これだから最近の生娘は‥‥」
「(御姉ちゃん怖い‥‥)」
呆れ返るアリス。とその後ろでブルブルと怯えるエリカ。災厄たる存在が去った後、そこに残されていた『遺物』とは‥‥
「あら、何これかっこいい。‥‥?スピルス国王家の紋章が刻まれているわ」
クローバーが握り締めていた邪剣、元い聖剣のバスタードソードであった。そのブレイドは月光に照らされ眩い光輝を放っている。
「‥‥此処に放置するのも何だし、頂いていきましょう。鞘は後で鍛冶屋に作って貰えば良い事だし」
「ねえねえ御姉ちゃん‥‥あれ‥‥」
そうアリスの肩を叩きある方向を指差すエリカ。
アリスがその方向に目をやると‥‥
「!おじさん大丈夫!?しっかりして!ああ、腹部から血がダラダラと出ているわ。エリカ、このおじさんを今すぐ病院に運ぶわよ!」
「りょ、了解だよ御姉ちゃん!」
その後、彼女達が言う『おじさん』は、腹部に重症を負いながらも何とか一命を取り留め、アリス達に何度も頭を下げて礼を述べたそうな。
「今日の月は紅いわね。丸で、どす黒い鮮血の様に‥‥」
そう彼女は言い残すと、石畳の上に転がっているバスタードソードを手に取り、妹のエリカを連れてフクロウが囀る夜の街へと消えていった。
第五夜[ドS再臨] 【完】
【第六夜へ続く】
さん‥‥♪」
「へ?誰か呼んだ?」
静寂と暗闇に包まれたメルスケルク中央通り。
そこには意気揚々と怪しげにニヤリと微笑むクローバーと、義理の妹、マッチ売りの少女ことエリカ・ノーランと駆けっこをして遊び戯れるアリス・ウィンターソンの姿があった。
「貴女を殺せば‥‥貴女を殺せば私はお父様に一人前の聖女として認められる‥‥!」
「‥‥へ?まず貴女誰よ?」
「‥‥五月蝿い!問答無用!私と剣を交えなさい!アリス・ウィンターソン!!」
「‥‥何だかよく分かんないけど、貴女の様な見るからに痛々しい修道女と戦えばいいのね?」
「痛々しいって、口を慎みなさい!それでも貴女は貞淑な女性なのですか!?」
「貞淑?何の事かしら。私は貴女の様な規則に縛られていつまでたっても親の脛を齧って惨めに生きるような畜生ではないわ」
「御姉ちゃん何言ってるの?」
エリカはきょとんとした顔でアリスの顔を覗いている。
「あ、貴女は知らない方が良いわ。私の様な社会の縺れを見てしまった人間にもならない為にも‥‥」
アリスは慌ててエリカを優しく諭すと、正面切ってクローバーの方を見詰めた。
「やっと戦う気になりましたか‥‥アリス・ウィンターソン」
「あのぉ‥‥そんないっちょまえな顔で尚且つフルネームで呼ばれても私困るんですけどぉ‥‥。第一、貴女と戦う気なんてさらさら無いわ」
「そうですか‥‥ならば私から先にいかせて頂きます‥‥!メドゥーサの呪いを篤と身に染みて感じるのですね!!」
そう言うとクローバーは先陣切ってアリスがぼんやりと突っ立っている方向に剣を振り翳した。
しかし、アリスはその挙動をあっさりと見抜き、その場に居合わせたエリカを突き飛ばしながら右に避けた。
「ちょっ‥‥!何すんのよ!危ないじゃない!!ああ、エリカ、大丈夫?」
「イテテ‥‥私は大丈夫だよ御姉ちゃん」
呆然と立ち尽くすクローバー。
その視線の先には激昴したアリスの姿が。
「そんな‥‥嘘よ‥‥メデューサの呪いが効かないだなんて‥‥」
「メデューサだか呪いだか何だか知らないけど、貴女、そもそも私よりも大人何だからもっと大人らしく芳しい態度をとったらどうなのよ!?」
何とも言えないシニカルな星空が、彼女、クローバー・ダーマーを嘲笑う。
「私を倒すなんて、百年‥‥いや、一億年早いわ!出直して神に懺悔して免罪符でも頂いて来なさいっ!それとも‥‥私に亀甲縛りされて鞭で何度もしばかれたいかしら!!そんな猿以下のちゃちな脳みそに制裁を下してあげるわ!!!キャハハハハハハハハハハハハハ!!!」
「い、嫌‥‥こ、こんな少女を相手取って負けるだなんて‥‥。‥‥そんな‥‥殺される‥‥殺される‥‥!!!」
舌舐めずりをしながらギョロっとした目で腰を抜かすクローバーを睨み付けるアリス。
「今度は私の番で‥‥良いのよねぇ!?」
「いや‥‥イヤアアアアアアアアアアアア!!!」
悲鳴を上げながら一目散に逃げ去る少女。
その目は大きく見開きこの世のものでは無い『何か』を見たかの様に強張っていた。
「何よ、詰まらないわね。これだから最近の生娘は‥‥」
「(御姉ちゃん怖い‥‥)」
呆れ返るアリス。とその後ろでブルブルと怯えるエリカ。災厄たる存在が去った後、そこに残されていた『遺物』とは‥‥
「あら、何これかっこいい。‥‥?スピルス国王家の紋章が刻まれているわ」
クローバーが握り締めていた邪剣、元い聖剣のバスタードソードであった。そのブレイドは月光に照らされ眩い光輝を放っている。
「‥‥此処に放置するのも何だし、頂いていきましょう。鞘は後で鍛冶屋に作って貰えば良い事だし」
「ねえねえ御姉ちゃん‥‥あれ‥‥」
そうアリスの肩を叩きある方向を指差すエリカ。
アリスがその方向に目をやると‥‥
「!おじさん大丈夫!?しっかりして!ああ、腹部から血がダラダラと出ているわ。エリカ、このおじさんを今すぐ病院に運ぶわよ!」
「りょ、了解だよ御姉ちゃん!」
その後、彼女達が言う『おじさん』は、腹部に重症を負いながらも何とか一命を取り留め、アリス達に何度も頭を下げて礼を述べたそうな。
「今日の月は紅いわね。丸で、どす黒い鮮血の様に‥‥」
そう彼女は言い残すと、石畳の上に転がっているバスタードソードを手に取り、妹のエリカを連れてフクロウが囀る夜の街へと消えていった。
第五夜[ドS再臨] 【完】
【第六夜へ続く】
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