私の世界

るい

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とある女生徒の想い

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新しいクラスに馴染めていない、というわけでもない。
馴染めてはいるが、それは私の努力の賜物だ。
 
今、クラスの中で一緒にいるのは私を含めて4人。
 
2人は去年もクラスが一緒だったらしく、そこに友達とクラスが離れてしまった私ともう1人が加わった感じだ。
正直なところ、あまり気が合う子たちというわけではない。
 
かといって、他に一緒にいる人がいない。
 
 
彼女たちとのメッセージのグループは、毎日のように受信する。
内容は、他愛もないというよりは、くだらないどころか、意味のないものばかりであったが、
それらに目を通して、返信しないと、翌日の会話についていけないし、
嫌な視線を向けられる。
 
 
4人の中で、成績が下がったのは私だけだった。
 
元々、私は頑張らないとすぐに成績を落としてしまうから、
今までは、メッセージのやり取りをしながらも、何とか時間を作って勉強してきた。
 
けれど、前よりもメッセージの頻度が増えてしまったので、時間が取れない。
 
正直、スマホを叩き割ってしまいたい衝動に駆られることもある。
けれど、そんなことをしたら大変なことになってしまう。
 
クラスで1人になるのは、いやだ。
 
 
「どうしたの?」
「ん~。テストの点が悪くて、親に怒られちゃったんだよねぇ」
「五月病じゃない?授業中も気持ちよくて眠くなっちゃうしさ」
「だよね~。みんな、家でどうやって勉強してるの?」
「へ?」
「え?家で勉強するよね?」
 
何か変なことを聞いたのだろうか。
 
「しないよ?授業だけきいてればわかるし。先生が関係ないこと話している間に宿題やっちゃうし」
 
そう答えたのは、学年上位の成績の子だった。
 
「私もしないかなぁ。教科書を読めば理解できるし。私も宿題は授業中に終わらせるし」
 
この子も、成績上位だ。
 
他愛もない内容のメッセージを頻繁に送って来ている2人は、何を言っているのか。
家で勉強することがないから、暇であんなに大量のメッセージを送ってくるのか。
 
毎週、遊びに行こうと誘われるのか。
 
 
第一、聞いていればわかる?読めばわかる?どういうことなのだ。
 
「勉強なんて、学校にいる間だけで充分だよ。家でまでするとか絶対いやだし」
 
何を言っているのか、わからない。
 
「そうなんだぁ。すごいなぁ」
「まあ、中学レベルの勉強って基礎だから難しくもないしね」
 
 
本当に、何を言っているのか、わからない。

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