私の世界

るい

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選択肢のある世界で、選んで生きていく。

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私の両親は、基本的に家で仕事をしている。
父は、打ち合わせのために出かけることもあるけれど、母は打ち合わせもテレビ電話でしているので出かけることは少ないし、
買い物なども宅配スーパーや、ネットショッピングを利用しているから、外出する必要性も少ない。
 
家の2階は、両親それぞれの書斎と私の勉強部屋があり、全て防音になっている。
他に図書室のような部屋もあるし、簡易キッチンもあり、飲み物を用意することができる。
 
2階は基本的に、仕事や勉強をするためだけにあって、
寝室を含めて生活スペースは1階だ。
 
私の寝室も1階にあって、勉強部屋とは別になっている。
 
 
昔は、なぜこのようにしたのかを理解していなかったが、
不登校になってからは、とてもありがたい環境だと、感謝している。
 
 
両親曰く、彼らの血を引いた私のことを幼い頃から「もしかしたら、学校が辛くなるかもしれない」と家を建てるときに、こういった間取りにしたらしい。
 
娘に対して、そこまで考えているのだから、両親も学校という空間がとても嫌だったのだろう。
 
 
ちなみに、運動設備もしっかりあって、
ある程度の運動は室内や庭でできるようになっている。
 
 
不登校になり、家で勉強することを決めた時、両親から多くのレクチャーを受けた。
 
運動の大切さ、在宅で1人で何かに打ち込み、それを継続させるためのメゾット。
人間の体の仕組みとか、いろんなことを教えられたが、一度には覚えきれないので
結局、「やりながら、自分のやり方を見つけていけばいい」と言われた。
 
1つだけ約束させられたことがあって。
 
それは「不安なことや、悩むことがあったら、誰かに相談すること」だった。
 
 
両親でも、フリースクールの人でも、スクールカウンセラーでも、家庭教師の先生でも。
 
誰でもいいから、1人で悩むことだけはしないと。
 
 
きちんと勉強して、結果さえ出すことができれば、空いた時間に何をしてもいいらしい。
 
 
両親は、私が不安になることも、迷うこともわかっている。
それでも、「大丈夫な方法」を提示してくれる。
 
 
今の私に出来ることは、ただひたすらに目の前にあることを頑張ることだ。
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