19 / 33
19 誘拐1
しおりを挟む
劇場前の茶番劇からひと月ほど経とうとしたその日、お見舞いと称して来てくれたフィリアをベッドの上から見送った後、クリフォードは床に寝そべり、筋力を保つ為のトレーニングを始める。
兄からの指示とはいえ、1年近くも狭い離宮の中で車椅子生活を強いられてきたのだ。鍛えられる時に鍛えておかず、肝心な時に動けなくのは御免だとクリフォードは思っている。
クリフォードがひねりをを入れて腹筋に負荷を掛けて鍛えていた時に、イーサンが寝室へ入ってきた。
「執務が無いと鍛える事くらいしかやることが無くなりますね」
「お前も執務補佐の仕事が無くなって暇だろう。夜はダンスホールで剣術の鍛錬に付き合え」
「承知しました。執務があると書類相手にクリフォード様と一緒に徹夜だし、執務が無いと毎晩のようにダンスホールに呼び出しですもんね。夜勤手当ても欲しいですよ、俺」
クリフォードは体を反転させると今度は腕を鍛え始める。
「俺も執務は側近にやらせろって思うが、最近は父上が兄上に自分の仕事を押し付けるようになったらしい」
「うわっ、それで皺寄せがこちらにきてるって事ですか……クリフォード様もやらないといけない事が多いのに。俺なんて忙し過ぎて婚約者も作れないんですよ」
「ああ、それは俺も申し訳ないと思ってる。お前にもアンナにも婚約者を紹介したいが、こちらは油断をすると殺されかけるからな。下手な相手を選ぶと、あちらに取り込まれて寝首をかかれるぞ」
「怖っ、……それにしても最近静かですね。あの人たち」
「俺の方に何かすると思っていたのだが、待っていても何も無いな。離宮から出て仕掛けたいけれど、兄上から許可が降りない」
「あの方にとってクリフォード様は切り札ですからね。大切にしたいのでしょう」
その時窓辺からコツンと何かが窓に当たる音がした。
イーサンが窓を開けると、庭師の格好をした男が立っていた。彼は劇場での茶番でクリフォードを刺した男だ。普段はクリフォードの為に影として動いてくれている。
今日は帰宅中のフィリアを守らせていたが、伯爵邸まで往復をしたにしては戻りが早い。
そして普段姿を見せない彼がこうして白昼堂々と姿を見せるのは緊急時のみ。
「グレン、何があった?」
クリフォードが室内から鋭くグレンと呼ばれた男に声を掛けてテラスへと出る。車椅子に座っていない時は窓に近付く事すらしないのだが、今のクリフォードにとってそんな事は些細な事だった。
「申し訳ございません。帰宅途中のポナー令嬢が攫われました」
瞳を大きく見開いたまま、クリフォードの顔から表情が消える。
「フィリアが攫われた時、お前たちは何をしていた?」
「ぐっ…」
「おやめ下さいっ、クリフォード様っ!」
足音も立てずにクリフォードはグレンの前に立ち、いつの間に手にしていたナイフをグレンの首元に当てていた。
「………」
無言で殺気を放ちながらグレンにナイフを押し当てるクリフォードを見て、イーサンが話を進めていく。
「お前と一緒に付いていたヘクターとホレスは?」
「……二人は、馬でポナー令嬢を攫った馬車を追っています。馬車は西へ向かいました」
「王都の西隣はギレット公爵領か。ギレット公爵領よりも更に向こうへ行かれたら厄介だな。王都にいる可能性も捨てきれないし、街道を通って王都を出たのなら、関所を通るハズだ。王太子殿下にお願いをして、関所を通った全ての馬車に関する情報を集めろ」
イーサンはグレンに指示を出しながらクリフォードに近づくと、ゆっくりとナイフを取り上げる。クリフォードは力が抜けたようにその場に座り込んでしまう。
動かなくなったクリフォードに代わって、イーサンが話を続ける。
「賊と馬車の特徴は?」
「馬車は紋章の無い黒塗り、賊は10人程度で動きが素人でした。破落戸と思われます。先にポナーの馬車を押さえられてしまったので、こちらからは手が出せませんでした」
「フィリア様のお側にも護衛を置くべきだったな。馬車ごと攫われたのなら、金目当てで襲われたのか、……人身売買目的の線もあるな。殿下の側近は優秀だから、馬車が襲われた場所の近隣で人攫いや馬車荒らしが出没していないかも調べてもらえ」
「御意」
そう言うとグレンは二人の前から消えた。
クリフォードは固まったまま動かない。
イーサンも膝を付くと、クリフォードの両肩を掴んでその顔を見つめた。
「フィリア様はきっとご無事です。殺しが目的でしたらわざわざ攫うような真似はしません。ヘクター達からの連絡を待ちましょう」
「……母上は馬車の事故で殺されたんだ。今回も馬車が、谷底へ向かわなかったなんて保証はどこにも、無い」
クリフォードが蒼白な顔でポツリと呟く。言葉にはいつものような力が無い。イーサンはクリフォードの腑抜けの演技は幾度も見てきたが、素でこうなった彼を見たのは、前王妃が亡くなった時以来だった。
「王妃様の件と今回は違います。あの時は証拠が何ひとつ残されず、護衛も影も全員殺されました。今回は素人臭さが目立ちます。あの時とは状況も犯人も違います」
「…でも、もしも駄目だったら?フィリアのいない世界で、俺はどうやって生きていけばいい?」
泣きそうな表情を浮かべるクリフォードに、イーサンは内心で舌打ちをしつつ、兄が弟に言い聞かせるように話す。
「そうならないために俺達は最善を尽くす。危なくなったらヘクター達が必ずフィリア様を守るハズだ。お前は俺たちの主だろう?先を考える事を怖がり、役目を放棄しては駄目だ。俺たちはいつでも動けるようにしている。だから今は、クリフがフィリア様を助ける為に俺たちを動かすんだ」
イーサンは立ち上がった。しかしクリフォードは俯いたままだ。
「あなたがそこに座っていたければそうしていればいい。俺はいつでも出れるように着替えてきます」
そう言い放つと、イーサンは一旦クリフォードの前から離れた。
準備を終えたイーサンが再びクリフォードの前に戻ってきた時にはいつもの彼に戻っていて、動きやすい黒の上下の服に着替えていた。
「まだ陽があるのに黒は少し目立ちませんか?……っていうかクリフ様も来るんですか?」
「向こうに着くのは夕方か夜だから黒の方がいいだろう。今夜中に俺が決着をつける。マントは草色にするから、黒で問題があればこれで誤魔化す」
「俺はあなたには現場に行ってもらうよりも、ここで指揮をして欲しいんですけどね」
ため息をつくイーサンに、クリフォードは小さく折り畳まれていたと思われる紙片を見せる。
「お前が部屋を出てすぐに鳥が運んできた。これが今回の兄上の計画だ。この計画だと俺が現場に行く事が最重要課題になる」
イーサンは渡された紙片に書かれた内容を確認して、微妙な表情を浮かべる。
「あの方もよくこんな事を思いつきますね。それにこの計画だと犯人はギレットで決定じゃないですか。ギレットにしては仕事が雑過ぎません?」
「兄は兄であの家を張っていたから、何か動きがあったのだろう。ギレットの間者に毒を飲まされた事を相当根に持っていたしな」
その時、また窓の方からコツンと音がしたので窓を開けるとグレンが立っていた。
「場所の特定と馬の準備が整いました。場所はギレット公爵領ルフト地区の公爵家所有の隠れ家。王都を出てすぐの土地なので、馬を急がせば一刻もあれば行けます。ヘクターの報告では、ポナー令嬢は薬で眠らせられているらしく、起きるまでに少し時間が稼げそうです」
クリフォードは、イーサンに見せた王太子からの書き付けをグレンにも見せる。グレンは素早く目を通してからクリフォードに返した。
「……グレン、先ほどは取り乱し、お前に当たってしまい済まなかった」
そう言ってクリフォードは頭を下げた。
「あれくらい気にしていませんって。あなたに頭を下げられるのは気持ちが悪いのでやめて下さい。それより、ポナー家の影も動いているようです。ヘクターがあちらと連携を取りたがっているのですが、情報を共有してもいいですか?」
「ああ、よろしく伝えてくれ。俺たちはフィリアを救出する事に専念する。表の事は全て兄上が押さえてくれる手筈になっている。俺とイーサンが出発次第、兄上の方で騎士団を動かすのでグレン、兄上への連絡も頼む。それと動ける者がいたらルフトへの応援に向かわせろ。イーサン、出るぞ」
「御意」
クリフォードはマントを羽織ると、窓から庭に出て、イーサンと共に水の枯れた古井戸へと向かう。
古井戸の底には、密かに掘られた横穴があり、それを進むと王宮の外へ出られるようになっている。
兄からの指示とはいえ、1年近くも狭い離宮の中で車椅子生活を強いられてきたのだ。鍛えられる時に鍛えておかず、肝心な時に動けなくのは御免だとクリフォードは思っている。
クリフォードがひねりをを入れて腹筋に負荷を掛けて鍛えていた時に、イーサンが寝室へ入ってきた。
「執務が無いと鍛える事くらいしかやることが無くなりますね」
「お前も執務補佐の仕事が無くなって暇だろう。夜はダンスホールで剣術の鍛錬に付き合え」
「承知しました。執務があると書類相手にクリフォード様と一緒に徹夜だし、執務が無いと毎晩のようにダンスホールに呼び出しですもんね。夜勤手当ても欲しいですよ、俺」
クリフォードは体を反転させると今度は腕を鍛え始める。
「俺も執務は側近にやらせろって思うが、最近は父上が兄上に自分の仕事を押し付けるようになったらしい」
「うわっ、それで皺寄せがこちらにきてるって事ですか……クリフォード様もやらないといけない事が多いのに。俺なんて忙し過ぎて婚約者も作れないんですよ」
「ああ、それは俺も申し訳ないと思ってる。お前にもアンナにも婚約者を紹介したいが、こちらは油断をすると殺されかけるからな。下手な相手を選ぶと、あちらに取り込まれて寝首をかかれるぞ」
「怖っ、……それにしても最近静かですね。あの人たち」
「俺の方に何かすると思っていたのだが、待っていても何も無いな。離宮から出て仕掛けたいけれど、兄上から許可が降りない」
「あの方にとってクリフォード様は切り札ですからね。大切にしたいのでしょう」
その時窓辺からコツンと何かが窓に当たる音がした。
イーサンが窓を開けると、庭師の格好をした男が立っていた。彼は劇場での茶番でクリフォードを刺した男だ。普段はクリフォードの為に影として動いてくれている。
今日は帰宅中のフィリアを守らせていたが、伯爵邸まで往復をしたにしては戻りが早い。
そして普段姿を見せない彼がこうして白昼堂々と姿を見せるのは緊急時のみ。
「グレン、何があった?」
クリフォードが室内から鋭くグレンと呼ばれた男に声を掛けてテラスへと出る。車椅子に座っていない時は窓に近付く事すらしないのだが、今のクリフォードにとってそんな事は些細な事だった。
「申し訳ございません。帰宅途中のポナー令嬢が攫われました」
瞳を大きく見開いたまま、クリフォードの顔から表情が消える。
「フィリアが攫われた時、お前たちは何をしていた?」
「ぐっ…」
「おやめ下さいっ、クリフォード様っ!」
足音も立てずにクリフォードはグレンの前に立ち、いつの間に手にしていたナイフをグレンの首元に当てていた。
「………」
無言で殺気を放ちながらグレンにナイフを押し当てるクリフォードを見て、イーサンが話を進めていく。
「お前と一緒に付いていたヘクターとホレスは?」
「……二人は、馬でポナー令嬢を攫った馬車を追っています。馬車は西へ向かいました」
「王都の西隣はギレット公爵領か。ギレット公爵領よりも更に向こうへ行かれたら厄介だな。王都にいる可能性も捨てきれないし、街道を通って王都を出たのなら、関所を通るハズだ。王太子殿下にお願いをして、関所を通った全ての馬車に関する情報を集めろ」
イーサンはグレンに指示を出しながらクリフォードに近づくと、ゆっくりとナイフを取り上げる。クリフォードは力が抜けたようにその場に座り込んでしまう。
動かなくなったクリフォードに代わって、イーサンが話を続ける。
「賊と馬車の特徴は?」
「馬車は紋章の無い黒塗り、賊は10人程度で動きが素人でした。破落戸と思われます。先にポナーの馬車を押さえられてしまったので、こちらからは手が出せませんでした」
「フィリア様のお側にも護衛を置くべきだったな。馬車ごと攫われたのなら、金目当てで襲われたのか、……人身売買目的の線もあるな。殿下の側近は優秀だから、馬車が襲われた場所の近隣で人攫いや馬車荒らしが出没していないかも調べてもらえ」
「御意」
そう言うとグレンは二人の前から消えた。
クリフォードは固まったまま動かない。
イーサンも膝を付くと、クリフォードの両肩を掴んでその顔を見つめた。
「フィリア様はきっとご無事です。殺しが目的でしたらわざわざ攫うような真似はしません。ヘクター達からの連絡を待ちましょう」
「……母上は馬車の事故で殺されたんだ。今回も馬車が、谷底へ向かわなかったなんて保証はどこにも、無い」
クリフォードが蒼白な顔でポツリと呟く。言葉にはいつものような力が無い。イーサンはクリフォードの腑抜けの演技は幾度も見てきたが、素でこうなった彼を見たのは、前王妃が亡くなった時以来だった。
「王妃様の件と今回は違います。あの時は証拠が何ひとつ残されず、護衛も影も全員殺されました。今回は素人臭さが目立ちます。あの時とは状況も犯人も違います」
「…でも、もしも駄目だったら?フィリアのいない世界で、俺はどうやって生きていけばいい?」
泣きそうな表情を浮かべるクリフォードに、イーサンは内心で舌打ちをしつつ、兄が弟に言い聞かせるように話す。
「そうならないために俺達は最善を尽くす。危なくなったらヘクター達が必ずフィリア様を守るハズだ。お前は俺たちの主だろう?先を考える事を怖がり、役目を放棄しては駄目だ。俺たちはいつでも動けるようにしている。だから今は、クリフがフィリア様を助ける為に俺たちを動かすんだ」
イーサンは立ち上がった。しかしクリフォードは俯いたままだ。
「あなたがそこに座っていたければそうしていればいい。俺はいつでも出れるように着替えてきます」
そう言い放つと、イーサンは一旦クリフォードの前から離れた。
準備を終えたイーサンが再びクリフォードの前に戻ってきた時にはいつもの彼に戻っていて、動きやすい黒の上下の服に着替えていた。
「まだ陽があるのに黒は少し目立ちませんか?……っていうかクリフ様も来るんですか?」
「向こうに着くのは夕方か夜だから黒の方がいいだろう。今夜中に俺が決着をつける。マントは草色にするから、黒で問題があればこれで誤魔化す」
「俺はあなたには現場に行ってもらうよりも、ここで指揮をして欲しいんですけどね」
ため息をつくイーサンに、クリフォードは小さく折り畳まれていたと思われる紙片を見せる。
「お前が部屋を出てすぐに鳥が運んできた。これが今回の兄上の計画だ。この計画だと俺が現場に行く事が最重要課題になる」
イーサンは渡された紙片に書かれた内容を確認して、微妙な表情を浮かべる。
「あの方もよくこんな事を思いつきますね。それにこの計画だと犯人はギレットで決定じゃないですか。ギレットにしては仕事が雑過ぎません?」
「兄は兄であの家を張っていたから、何か動きがあったのだろう。ギレットの間者に毒を飲まされた事を相当根に持っていたしな」
その時、また窓の方からコツンと音がしたので窓を開けるとグレンが立っていた。
「場所の特定と馬の準備が整いました。場所はギレット公爵領ルフト地区の公爵家所有の隠れ家。王都を出てすぐの土地なので、馬を急がせば一刻もあれば行けます。ヘクターの報告では、ポナー令嬢は薬で眠らせられているらしく、起きるまでに少し時間が稼げそうです」
クリフォードは、イーサンに見せた王太子からの書き付けをグレンにも見せる。グレンは素早く目を通してからクリフォードに返した。
「……グレン、先ほどは取り乱し、お前に当たってしまい済まなかった」
そう言ってクリフォードは頭を下げた。
「あれくらい気にしていませんって。あなたに頭を下げられるのは気持ちが悪いのでやめて下さい。それより、ポナー家の影も動いているようです。ヘクターがあちらと連携を取りたがっているのですが、情報を共有してもいいですか?」
「ああ、よろしく伝えてくれ。俺たちはフィリアを救出する事に専念する。表の事は全て兄上が押さえてくれる手筈になっている。俺とイーサンが出発次第、兄上の方で騎士団を動かすのでグレン、兄上への連絡も頼む。それと動ける者がいたらルフトへの応援に向かわせろ。イーサン、出るぞ」
「御意」
クリフォードはマントを羽織ると、窓から庭に出て、イーサンと共に水の枯れた古井戸へと向かう。
古井戸の底には、密かに掘られた横穴があり、それを進むと王宮の外へ出られるようになっている。
20
お気に入りに追加
347
あなたにおすすめの小説
婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。
国樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。
声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。
愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。
古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。
よくある感じのざまぁ物語です。
ふんわり設定。ゆるーくお読みください。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
婚約破棄は綿密に行うもの
若目
恋愛
「マルグリット・エレオス、お前との婚約は破棄させてもらう!」
公爵令嬢マルグリットは、女遊びの激しい婚約者の王子様から婚約破棄を告げられる
しかし、それはマルグリット自身が仕組んだものだった……
言いたいことは、それだけかしら?
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【彼のもう一つの顔を知るのは、婚約者であるこの私だけ……】
ある日突然、幼馴染でもあり婚約者の彼が訪ねて来た。そして「すまない、婚約解消してもらえないか?」と告げてきた。理由を聞いて納得したものの、どうにも気持ちが収まらない。そこで、私はある行動に出ることにした。私だけが知っている、彼の本性を暴くため――
* 短編です。あっさり終わります
* 他サイトでも投稿中
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
【完結】「私は善意に殺された」
まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。
誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。
私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。
だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。
どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿中。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!
踏み台令嬢はへこたれない
IchikoMiyagi
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜
しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。
高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。
しかし父は知らないのだ。
ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。
そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。
それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。
けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。
その相手はなんと辺境伯様で——。
なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。
彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。
それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。
天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。
壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる