悪役令嬢(♂)は腐男子と手を組む

たなぱ

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2.悪魔的幸せとは

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お兄ショタ要素あります







「坊ちゃま、朝ですよ」


朝、もう朝か…
重いまぶたを開くとエリザベートだった頃よりもシックな色合いの天井が目に入る
少し薄暗い…たぶん5時半くらいかな…?今日は誕生日だ…

通算9回目の同じ時間
毎回、記憶を思い出す年齢は別々だったが終わるときはいつも一緒、19歳の誕生日、運命の日

でも今回は違う
今回できっとこの呪縛から抜け出せる、前回までと違う時間を生きてやる…!



確か今日は午後から5歳の誕生日を祝うパーティーがあったはず…王太子殿下と初めて遭遇する日…
今までは王妃候補を見るためにと参加され来ていたけど今回、ぼくは男だ…男なんだ…
記憶が語る、クソ野郎の幼い頃もクソだった…王太子殿下が来ないことを祈りたい



とりあえず朝の湯浴みをしないといけない、メイドを呼ばないと…ん?
身体が重く動かない、いや何かに拘束されているこの感じ…まさかとぼくを坊ちゃまと呼んだ方向を見てみる

「坊ちゃまおはよう、よく寝れた?」
悪魔がぼくを抱きしめたまま同じベッドで寝ていた

「おい、悪魔?お前ぼくの従者になったんだよな?なんだこれは離せ」
「従者っぽい何かになったんだよ!これが俺の従者スタイル!坊ちゃまの生活に24時間介入します♡」
「なん…ふざけんなー!」






悪魔はやはり悪魔だ
「俺はエルヴェートを最高に幸せな存在にしてやるんだよ?つまりこれまで感じたことの無い幸せをあげるにはスキンシップは必須だろう?」
「限度が!限度あると思う!!」



悪魔的幸せな存在とは
身も心も愛されまくったデロデロの魂だと何を言ってるんだこいつ…
そんな悪魔に押し切られてぼくは湯浴みを悪魔としてる…


「んんっー!そこやだ…!くすぐったい」
「まだ、ガキだもんなーそりゃなんも感じないよな?てかエリザベートの時も淑女の鏡か!初体験だな?」
広い浴室まで連れてこられて、猫足バスタブに素晴らしくもこもこアワアワの泡風呂を魔法で瞬時に準備した悪魔、泡がもこもこ絵本で見るように周囲をふわふわしててとても気持ちよさそう…
ぼくがちょっと感動してたらそのまま互いに全裸になっていた



動揺しているとぼくを抱きかかえるようにバスタブに入もこもこの泡で全身洗われてる

湯浴みをメイドに手伝ってもらうのは当然だがこれはなんか違う!指の先から始まり腕、背中、足、丹念に洗われるのは気持ちよかったけど…

悪魔の大きな手が、ぼくのちっちゃい乳首摘むみたいに、ゆっくり洗ってくる…
肉の全くついてない平らな胸を全体揉むようにされて、きゅって絞るみたいに乳首を最後に摘まれる
時々爪でカリカリされるのもやだ
すごく、くすぐったい、やめてほしいのに後ろから抱きしめられてるから抵抗できなくて身を捩って逃げようとしてしまう

「うー、ちくびっ!ひんっ!や、やだぁ…ひっ、ひっく…やぁ…」

くすぐったくてむずむずして、やめてほしいって言ってるのに、どうしようもなくて泣いてしまう…

「おっと!?おいおい大丈夫か?
泣くな~ごめんな、まだ5歳だもんな~よしよしやり過ぎた悪いエルヴェート」
「やだっ、て、ひっく、やだって、いったもん」
「そうだな、やだって言ったのにな俺が悪かった、エルヴェート記憶引き継ぎて大人びいててたからなー…よしよしもう今日はしないから、な?」


悪魔が優しくよしよしって頭を撫でながらぼくを抱きしめる、今日はしないって違う日はするのかと聞きたいけど怖くて聞けなかった

よしよし、いい子だなって抱きしめられて撫でられるのは嫌いじゃない…どうしよう悪魔相手なのに安心してしまう…いや、ぼくの敵じゃなくて仲間なんだけども悪魔…

「落ち着いて来たか…?別におまえが嫌いでこんなことしてる訳じゃないから、な?」
「すん、すん、嫌がらせじゃ、ないの?」
「当たり前だろ?俺はおまえを幸せする悪魔だ、幸せにも色々形があるからその一つを試したかった」
「っ…幸せの形…?」
「そう、幸せの形、そうだな…家族以外の誰かに愛されるのも幸せだろ?」
愛される…ぼくの今までの時間では家族愛はあったけど婚約者クソ野郎だったし…他人から愛されることはなかった気がする…愛されるのも幸せなことなのか…?

「はは、わかんねーって顔してる
もう少し大人になったらまた教えてやるよ、すげー癖になるかもしれないから覚悟しろ?
そうだな…とりあえず愛されてるってこと覚えるかエルヴェート、ちゅーしてみようか?」
「……………?」

何を言ってるんだろこの悪魔は…大人になって癖になる愛される幸せなことされるのはまあいい、いいのか?それよりもなんで幸せなことするのにちゅー?ちゅーってキスだよな?なんでキスが必要なの?

「考えてること顔に出るよなエルヴェート、よく女が好きな演劇とかで幸せなキスとかあっただろ?それだよ、俺はお前を魂ごと幸せにするくらいには愛してるんだぜ?」

「幸せなキス…あったけど…ぼくとするの?悪魔はぼくのこと好きなの?」

「運命の日を超えて俺に全てを明け渡す日が来ても安心して俺に食われろって言うくらいには好きだぜ」


安心して食われろに笑ってしまう、そっか悪魔はぼくをただの対価じゃなくて好きでいてくれるのか…

「?…ふふ、なにそれ安心して食われろってなにも安心できないじゃん!……………でも…ぼくは悪魔に全部あげるから…それが今か、その日かの違いだもんね…悪魔、ぼくに幸せなキスして?」


「ああ、いいぜ」

悪魔の顔が近づいてくる、ぼくの小さな唇舐めるように何度も大きな舌が動いて、啄んでくる
口を開けろって舌でくりくりされるから少し唇を開くとぬるってぼくの舌を捕まえに悪魔の舌が入ってきた無意識に身体が強張ってしまう
「ん、エルヴェート…力抜け…鼻で息してろ…」
「んん、…んむっ、ん、んっ…あぅ…♡」

力を抜くと熱い舌がぬるぬる口の中で動いてぼくの口の中とか歯とか舐めてくる、舌同士がくにゅくにゅって絡み合ったり、悪魔の尖った歯でぼくの舌を甘噛みされたり…頑張って鼻で呼吸するけど息が上がる、胸がドキドキしてくる…気持ちいい

されるがままにキスされて頭がぼーっとしてきた…悪魔と目が合うと名残惜しそうに舌を吸われて口の中から舌が抜けていった
「ぁ、はぁ…、はぁ…♡」
「蕩けた顔して可愛いな…気持ちよかったか?」
「…んっ♡」

これが幸せなキス…やばい…
素直に頷くとおでこにキスもしてくれた
ぼーっとキスの余韻に浸ってしまう
悪魔はぼくの反応見て満足そうに笑うと、逆上せる前に上がろうとぼくを抱きかかえ、泡を濯いで浴室から出る
柔らかいバスタオルで全身優しく拭かれ、マッサージされて、髪の毛にオイルを馴染ませ丁寧に乾かし今日のパーティーで着る服を着せてくれた

魔法でも使っているのかぼくはなにもしてない、キレイに服も髪も整えられると服が皺にならないように抱きかかえられてソファに横抱きのまま悪魔は座る

「ちょっと休んでな?起こしてやるから、朝飯の時間になったら食堂連れて行ってやるよ」
「うん………」


悪魔がほんとに従者の仕事してる…できたんだ…










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