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後日編
事態の行方 教会にて
しおりを挟む学園で現在の状況を確認し、聖者として対応、シャルティ達と話をした後、最後にマイズ達のいる教会に向かった
シャルティ達のやる気が凄すぎて…想像以上におれが想定していたよりも都合の良い展開になっている事が未だにちょっと信じられないが、みんなが各々協力してくれる事が本当に嬉しい
嬉しいけど、その分申し訳なさとなんとも言えない気持ちが心を埋めてくる…
「ルディ、なんでこんな都合が良いんだ?とか考えてるだろ?……………難しく考えなくて良いのに
聖女ルチアの中にお前の前世の妹が入ってた事もルディが悪いわけじゃ無い、何か良くない力が働いてしまった結果なんだ
ここがゲームの世界かもしれないって運命に負けず、ルディは確かに聖女ルチアを救った…それは事実だろ?
ルディが望む結末を皆願ってる、お前が変えてくれた未来を皆手助けしたいって気持ちが溢れて一見都合が良いように見えてるだけ、だからそんな顔するな」
「………………レオ…」
向かい合わせに座ってたレオがおれの隣に座って手を握り、そんな事を言ってくれた
なんでおれの考えてる事、レオにはわかるんだろうな?たぶんおれは桃香って存在がまだ怖いんだ…クソ妹がこの世界にいた事実が怖い…
その事もレオは分かっているみたいに肩を抱き寄せてくれる…それが優しくて愛おしくておれはやっぱりレオの事好きなんだなって再認識しつつ、教会に到着した
教会関係者の方に案内され、通された先は大司教様の部屋…そこには大司教様とマイズ、ルイ王子が待っていた
「ルディヴィス!もう具合は大丈夫なのですか!?」
「ルディヴィスさん!ご無事………んんん!?え!?ん!?レオンハルト殿下!え!!?何!?その自然な距離感何!?ちょっ、絶妙な距離感に動機がするんですが!!!」
「レオから魔力分けてもらったからもう大丈夫…ごめんな心配掛けて…大司教様、先日は色々ありがとうございました」
ルイ王子が何言ってるか全く分からなかったが、とりあえずマイズを安心させて大司教様にご挨拶とお礼を言う、すると大司教様が優しく微笑んでおれとレオを手招きし椅子へ誘導してくれた
促され席へ座ると、大司教様は温かい飲み物を準備する様教会関係者の方に指示を出し、早速…という感じでおれたちが聞きたいことを教えてくれる
「ルディヴィス、無事に目覚めたようでよかった…
レオンハルト殿下もようそこいらっしゃいました
此処に来るまでにある程度、国王陛下達から話しは聞いていると思います、現状踏まえ今後の対応についてお話しましょう
現在、教会では新種の魔物憑きについて王家と合わせて国民への説明と、聖女ルチアによって治癒された者に対して検査及び相応の対応しています
治癒を受けた者が洗脳されてたと言い出す話も聞いてると思いますが、そちらも対応済み
女神ラピス様は我が国に新たなる脅威の出現に対して知恵を下さった…それが聖者ルディヴィスという存在、そう言った形で説明をし聖女ルチアの中にいた存在が関与した王都を中心にほぼ周知が済んでいる状況です」
「国王陛下から聖者の件、もちろん聞いています…色々寝ている間に対応ありがとうございました
聖者として演じる決意は固まっていますので、おれに出来ることは何でも言ってください…!」
正直本当に聖者がどんな事をするのか分かっていない、大司教様の指示が今後不可欠だろう
そんな中でも決意を固めているおれを見て大司教様は嬉しそうに微笑み、席を立つと優しく頭を撫でてくれる
聖者は女神様から知恵を授かる存在、聖女とはまた違う役割があると正式に周知するらしい
おれが知ってる乙女ゲームの世界での記憶、また似たような事が起こらないと完全に無いと言い切れる訳じゃない…万が一同じ様な事が起きてしまう場合、おれの知ってる知識が女神様からの知恵として周囲の救いになればいいと言って下さった
不思議な記憶を持つ存在が現れた場合、それをいち早く保護する法も纏めて行きたいと…夢物語って片付けられ信じて貰えないって事が無いように…そう、言って下さる事がとても嬉しい
今後についても話していると、マイズからも追加の情報があった
「イグニス達から話聞いてると思いますが、ルイ王子の協力で分かったあの聖女ルチアに入っていたも者の能力…それはルディヴィスが言っていた乙女ゲームの力とはまた少し違った物でした
治癒を施す、つまりは魔力を相手に流し込む事に依存や指令に近い洗脳の効果があったんだと思います
覚えてますか?ヘルリが暴走した時の事…あれは例の力が流し込まれそうになりルディヴィスが作ったアクセアリーがそれを阻害、自信を侵食されそうになったヘルリが防衛の為に人狼化した可能性が高い…シャルティの時も同じような事が起こっている可能性があります」
「………………え、それって桃香が攻略対象に愛されたいとか、悪役令嬢仕事しろよとかそんな気持ちが魔力に反映するって事か…?もしかして皆がずっと臭い臭いって言ってた好感度アップの香水も…まさか…」
「………………はい、恐らくその香水?も使っては居たと思いますが、聖女ルチアの中にいた者が与えられていた力…魔力が体臭に悪影響を及ぼした可能性は十分にあります
あそこまで鼻の曲がりそうな匂いを感じる者と感じない者がいる差を説明するにはそれしかありませんから」
マイズの言葉にレオとルイ王子が臭い臭いって言ってた匂いを思い出し顔を若干青くさせて深く頷いた
そうか…おれ、無意識に皆を守れてたんだ…桃香の持っていた能力…この世界に桃香を連れてきた存在が与えたかもしれない力から皆を守れてたんだ…
おれがしてきた事がみんなの役に立ててたって事実はちょっと嬉しい…
ルイ王子が時々不思議な事を言うのを聞きつつ、大司教様達と調査記録や現状を確認し合った
まだ調査中な事は多いが、この世界に存在しない異質な女神が発端となっている可能性が高い今回の事件、今後の事を考えつつ異常事態を新種の魔物憑きというカテゴリーで全国民に周知し、万が一の事があれば早期発見に繋げていく方向性らしい
その後、一度サングイス公爵家へ戻ったおれは義母様とも再会し、翌日から学園.王宮.教会を必要に応じて周り、聖者としての務めを果たした
聖女ルチアに乗り移った新種の魔物憑きという存在に対して女神様の教えの元、各々が早期に対応し事態は1週間と掛からず完全に収束する
後に残される歴史書に今回の出来事が刻まれる事になるのをおれたちは誰も知らない…
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