【書籍化進行中】悪役令嬢の兄です、ヒロインはそちらです!こっちに来ないで下さい

たなぱ

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反撃編

因果応報 後編

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桃香にヒロインをかえしてやるよと伝えた瞬間、聖女ルチアはあんなにも大声で暴れて居たのが嘘のように静かになり、拘束されたままニヤニヤと嫌な笑みを浮かべる


『やっとお兄ちゃん反省したの?やっぱりあたしが正しいんだ!あたしがヒロインじゃないとおかしいもの!早くあたしの場所を返して、そしたらお兄ちゃんなんか用済みなんだから!』
そんな事を考えているような気持ち悪い笑顔でこっちを見てきた


それから目を逸らすよう、聖女ルチアの頭を撫でながら目を閉じる…
自分の中にある聖光魔法に似た力はなんなのか、本当に自分でも分かっていない
けど、なんとなく…おれの中に宿った小さな闇の魔力…それがそうなんじゃないかなって思うんだ

先程から少しずつ滲ませていたおれの闇の魔力は聖女ルチアの肉体に少しずつ馴染み始めているはず
ラッジ先生が教えてくれた分離魔法…それを上手く応用出来るかはおれ次第

でも、必ず成功するって今はそんな自信が今ならある




小さく深呼吸をし、おれは頭の中で聖女ルチアの身体から桃香だけを呼ぶように分離魔法を発動した
しっかりとイメージを固め、現実から虚実のみ抜き出すように意識していく
ここは現実の世界…桃香は乙女ゲームのプレイヤー、聖女ルチアと存在事態が別物、交わる事の本来の無い存在同士だと何度も頭の中で繰り返し唱える

大司教様が見せてくれたあの水晶を思い出し中央の弱々しい光には触れず、周囲の汚れた膜のみを分離させるようにゆっくり、ゆっくり…こちらに呼び込むんだ…
桃香、お前が欲しいものはその体に無い、こいよ…お前が求めるヒロインの座はおれの中にあるって呼び掛けつつ

レオから愛されたいんだろ?マイズから慕ってほしい、ヘルリに仕えて欲しいんだよな?イグニスは騎士になってくれるかわからないけど、全員に愛されて自分が世界の中心になりたいんだろ?




なぁ、桃香?




ゾクリッ…………
背筋に寒気を感じる…始めての魔力判定の儀で感じた異物感をはるかに超える悍ましい気配がしたと思ったら、ルチアの頭に触れてる手のひらを介してヘドロに手を突っ込んでいるみたいな不快な感覚が直接頭に流れ込んで来た

身体を蝕むような気味の悪い感覚、おれの中に容赦なく侵入してこようとする図々しさを感じる…
聖女ルチアも同じ感覚を体験していたのだろうか…鳥肌が立ちそうなほど気持ち悪く、幼い頃これを体験したルチアが気の毒に思えた
魔法は無事成功していて、水槽の水から汚れだけを分離させるように、しっかりと桃香という異物を掴み、絡め取ることが出来ている
それをより集め、収集し…逃さぬように、元に戻れぬようにしっかりと、纏めて…そして

…………………捕まえた


「…………!?な、なに?
お、お兄ちゃん…お兄ちゃんなにしてるの?あたしにヒロイン返してくれるんだよね…?ねぇ、なんか変な感じがする…ちょっと!!ねぇ!!お兄ちゃん!?なにしてるの?!」

「ん?なんだよ桃香?ヒロインをかえしてる途中なんだから大人しくしてろ…もうすぐ終わるから」



おれは桃香の頭を撫でながら優しく笑ってやる
何を不安になってるんだ?ヒロインをかえしてやるんだから安心してそのままじっとしてろって気持ちを込めつつ優しい兄としての言葉を伝える


「ひっ、そ、そうよね?そうだよね…可愛い妹のお願いをやっと聞いてくれるようになったんだもんね…?そうなんだよね??
でも、なんで…なんかやだ…ねぇ、違う方法であたしにヒロインを返してよお兄ちゃん…!!!これやだ、なんかやだ!!」


けど、桃香はおれの返答に納得せず、拘束されたまま魚みたいにベッド上で身体をくねらせ逃げようとする
おれの手から逃げたいと言わんばかりに頭を動かしながら
……………何を焦ってるんだろうな?

聖女ルチアの身体に戻れない感じがするとか、おれに撫でられてると心臓を掴まれている気持ちになるとか…このままじゃ自分の身が危険とか…そんな事を思って焦ってるのか?


答えは、全部正解だ…桃香



「桃香、お兄ちゃんからお前に話しておきたい事があるんだ…すげぇ大事な話
おれさ、お前が赤ん坊の頃、桃香は世界で一番可愛いなって本気で思ってたんだよ…おれの唯一の癒しだった…あの頃の桃香だったらおれはシスコンになるくらい可愛がってたと思う
でも、おれは今…シャルティのお兄ちゃんなんだ
妹は桃香、お前じゃない…おれが兄として愛し守り抜きたいのはシャルティだけ…シャルティを守る為ならなんだってできるんだ
知ってるか?この世界はたぶん女神様がシャルティを救う為に用意した優しい現実の世界なんだ…乙女ゲームじゃない、現実なんだよ」


「…………は?何いってんの…?お兄ちゃん…何が言いたいの?あたしが可愛いのは当然だし、モブの見た目してるけど、お兄ちゃんはあたしのお兄ちゃんでしょ!?
悪役令嬢が妹で可愛い!?そんな訳ないじゃない!とりあえずこの変な魔法?みたいなのやめてよ!離して!離してよお兄ちゃん!!」


桃香はがむしゃらにもがくけどおれは手を離さないし、絶対に止めてやらない
更に桃香をおれの中に取り込み、引き出し、聖女ルチアから分離させる
桃香が段々と身体の自由が効かなくなり、聖女ルチアの身体から自身の所有権が無くなっている事、おれという肉体にすら入れていない事に気付いたのか、徐々に青ざめた顔に変化していくのを確認しつつ、笑顔で着実に…全くの残滓を残すこと無く引きずり出すべく更に力を込めた


「何度でも説明してやるよ…ここは乙女ゲームの世界じゃない、少しだけ見た目が似ているだけの現実だ
皆それぞれ夢を持って苦難を乗り越えて生きてる…決められた物語ってレールの上を歩くだけのキャラクターじゃないんだよ…わかるか?
桃香、お前だけが乙女ゲームの世界だと信じ込んでる…この世界の住人じゃない異物なんだよ
だから、乙女ゲームの世界を体験できていた場所に帰してやる…お前が主人公になってた所に帰してやるよ…おれが責任を持って…
なぜだろうな?やった事も無いのに今なら出来そうな気がするんだ」



手のひらが痛いほど熱く感じる、それが悪い事じゃないって不思議と安心している自分がいる
温かい魔力がおれを守ってくれているような…不思議な感覚…桃香はおれと違って、死んでここに来たわけじゃない…肉体はまだ元の世界にあるって誰かが教えてくれるんだよ
誰かがおれの心に直接教えてくれている気がするんだ…あの日になら帰せるって

それはおれにしか出来ない事、生前の乙女ゲームという媒体と桃香がそれを使用している場面を知ってるおれにしか出来ない、異物である桃香を現実からある意味ログアウトさせる事ができる

もう既に聖女ルチアの身体はほとんど動かず、目と口だけが動いている状態…もう少しで全てが終わる



「や、やめて…まって、やだ…何してんの!?お兄ちゃんやめてよ!!!!返してくれるんでしょ!?
おかしい!やめてよ!やめてって言ってるでしょ!?やだ、嘘っやだ!やだ!!!あたしがあたしじゃ無くなっちゃうっ!!!」


目と口だけを必死に動かし桃香は叫ぶ、もう無駄だって理解せずおれがやめてくれると思い込んで叫び続けている
そんな桃香に優しく笑って、ついでに背後にいる皆に出てきてって声を掛け、桃香へ更に精神的な追い打ちを掛けてあげることにした
隠蔽魔法を解いて聖女ルチアのベットを囲む乙女ゲームの攻略対象と悪役令嬢だった存在達
でも、ここは現実だからみんな髪型も雰囲気も違えば生き方だって違うんだ


「…っ、レオくん、マイズくん…みんなも…なんで、なんでここにいるの?あ、もしかして助けにきてくれたの?
ねぇ、みて?あたし、モブに酷いことされてるの…ねぇねぇ…みんな助けてよ………お願い……
………………っ…え、な…なんでそんな顔であたしを見るの?ヒロインをそんな目で見ないでっ…!!!」


桃香は自分を取り囲む攻略対象だったレオ達に見つめられたが、助けてくれるかも?って淡い期待が直にぶち壊れるほど冷たい視線に直に怯えているようだった
聖女に甘い言葉ばかりを与えていた筈の攻略対象者が一言も喋らないのもかなり堪えるのだろう…
ボロボロと涙を零し、目だけキョロキョロ振って視線から逃げようとする姿は滑稽としか言えない
そんな風に見られる原因が自分にあるって桃香が気づく日は来るんだろうか…?


「ルディ、手伝える事はあるか?早く終わらせて帰えろう…俺はこんな空気の悪い場所にお前をこれ以上居させたくない」

レオが気を利かせて?おれを後ろから抱き締め、耳にキスをしてくる、確実にしっかりと桃香に見せつけ、更に煽るのを手伝ってくれるみたいだ

「レオ…大丈夫…もう終わるから…少し待っててくれ」

レオに少し甘えるように顔を寄せて擦り寄りつつ、おれもついでに煽ってみた




「なんで、なんでそんな顔でお兄ちゃんを見るのよ…なんでヒロインのあたしを差し置いて幸せそうな顔してるのよ…!!?やめて、返して、あたしの居場所を返してーーーー!!!」


「違うって言ってるだろ?ここはお前の居場所じゃない…見てみろよ、みんな乙女ゲームのキャラなんかじゃ無いだろ?人違いだ
お前の世界はここじゃない、お前の居場所じゃない…戻るんだ…本当の桃香の身体の中に…一番最適な場所に帰してやるよ…」


「ふ、ふざけんな!!!ふざけないでよお兄ちゃん!!ここはあたしの世界なの!あたしがヒロインなの!!!乙女ゲームはあたしの!ものなんだよ!!モブが幸せになっていいと思ってんの!?!
ふざけんな!!!嫌い!お兄ちゃんなんて大っ嫌い!!!消えて!あたしの前から消えて!!この世界から消えてよ!!!」


血走った目でおれを見つめ、自由の聞かなくなった身体を使い最後の力を振り絞っておれにこの世界から消えろと命令してくる桃香
触れているおれにはわかる、もう本当に終わりだって事が


「いいや…消えるのは桃香、お前だ
お兄ちゃんから最後のプレゼントをやるよ…おれが死んだあの日、あの場所、あの時間にお前を帰してやる
兄を殺した妹としてこれからずっと、誰からも信じて貰えず、愛されず、受け入れられずに地獄の中を生きていけばいい
…………………………じゃあな桃香…おれは、自己中心的なお前が大っ嫌いだったよ」

「!?!?な、なにいってるの?ウソ、うそでしょ!?いや、いやだ!!お兄ちゃんが死んだ後あたしがどれだけ苦しんだか知らないの!?
やめて!やめてよ!!、お兄ちゃん!お兄ちゃん!!ねぇ!!!やだ!やっ!いゃ……やぁぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ーーーー!!!」


最後の仕上げだと、聖女ルチアから分離させた異物を全て引きずり出すと、聖女の肉体から桃香の気配は消えた
そして、そのまま…おれの中にある桃香を闇の魔力で閉じ込め固めるイメージでしっかりと閉じ込め外へ分離させる
すると、出てきた真っ黒な球体は、まるでこの世界に始めから無かったかのようにスゥっと消えてしまった








「……………よかった…成功しま、した………」


「おい!?ルディヴィス!?ルディヴィス!!!」


やばい、眠い…ごめん、ちょっと無理だ…
でも、ちゃんと成功したから…後は聖女ルチアの事任せるよ…







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