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反撃編
カウントダウン 方法
しおりを挟むジェイス第二王子から呼び出しを受け、聖女ルチアの過去と現在にについての悲しい事実を聞いた夜、調査を行ってくれていたマイケルから桃香が動くタイミングが判明したと報告を受けた
先日、夜会で共に過ごしたこともあり今回は放課後偶然を装いカフェでお茶をしたのだと言う
「あの聖女様、涙ながらに自身の計画を教えてくれましたよ…『ルディヴィス様の虐めが酷くなってる、もうすぐあたし、きっともっと酷い目に合う、そう女神様が言うの…特に側妃様が来れれる日に注意しなさいって…でも、あたしは負けないから!あんな非道な人に負けたりしないんだから!』って感じに言いつつ、俺が可哀想だね…助けてあげれる事はあるかい?って聞いたら該当する日にルディヴィス様を誘い出して欲しいと言ってきました
その時点で自分が虐められてる側として真逆の行動をしていると思わないのか謎ですが…とりあえず計画の日取りはわかったと言えます
ですが…あの聖女にそんな秘密が…真実は残酷ですね…」
残酷な事実を受け入れつつも、マイケルが香水臭かったですけど女性に優しい一家として頑張ってきましたとため息をつく…後で臨時ボーナスあげなきゃって程の頑張りに感謝しつつ、報告の詳細を確認した
乙女ゲームで悪役令嬢のもっとも早い退場となる、聖女が悪役令嬢に階段から突き落とされるシーンがまだ先の中で、桃香が選んだおれを排除タイミングはまさかの側妃様訪問が予定されている、全校集会の日だった
生徒が移動するタイミングを狙い、別棟にある講堂へ移動する為に通るエントランスホールでおれの予想通り、桃香は階段からおれを突き落とし、自身も転げ落ちる予定だという
どう考えても虐められてると泣きながら悩む少女が計画する内容では無いが、桃香の性格ならあり得る…
おれを確実に消し、自分が被害者だと言い張って周りを仲間に取り込める自信があるからこそ、そんな計画を立てられるのだろう
桃香が癇癪を起こしておれを叩いてきた日の事を思い出してしまう…
おれは何もしてないのに、おれが持ってる数少ない玩具…それを自分にくれないと可愛い桃香が泣きわめいた日
手をあげていたのは桃香なのに泣きじゃくり「お兄ちゃんが悪い」と桃香が泣けば真実なんて関係ない、両親から見たらおれが悪い事になってたっけ?
目撃者があえて多い場所で自分が救った自分に恩を感じている側妃様とジェイス様、そして自分の信者である生徒を味方に付けて桃香はおれを階段から突き飛ばしたい
そんな気持がひしひしと伝わってくる…呼び出しに対して兄であるおれなら絶対に断らないと確信しているのも分かる…
ここは桃香にとって自分が主人公の乙女ゲームの世界…なんでも思い通りにならないとおかしいって思ってるんだろうな?
そんな桃香に身体を乗っ取られたかもしれない聖女ルチア…彼女が気の毒でならない…
この杜撰な計画が実行されたら聖女ルチアという存在が非難され、本当は優しい心の持ち主であった彼女の名誉までボロボロにされてしまう…
ジェイス第二王子の話を聞いて直に、マイズやルイ王子達皆にも聖女に桃香が入り込んでいる可能性を通信魔法で説明した
そんな事が本当にあるのか?前世ではないのか?って動揺するのはもちろん、もしもルチアが被害者なら助けてあげたい…けど、そんな事例聞いたことがないと皆口を揃えて言う
ジェイス第二王子やルチアには申し訳ないが、桃香をこのままにしておけないのは事実、確実に桃香は事を起こす…呼び出しにマイケルを使うあたり自分の計画か失敗すればおれが原因で校内で魔力暴走とかとんでもない事をするかもしれない
聖女の魔力には人を魅了する力があると考えると桃香が桃香らしく可愛がられたいと考えてるこのタイミングしかない…今はおれへの怒りもありおれしか見えていないと思うから
色々な事情が重なる中、釣り餌計画を白紙には戻せない状況でもある
計画は遂行する…けど、なんとかルチアを助ける手段は無いものか…各々調べてくれると言うし、おれもシャルティ達と実家の書庫を調べ、翌日早く学園に行き図書館で体内に入り込む他の人物の精神を剥がす方法とか調べてみても何も該当する物がなかった
もしも、計画が遂行された瞬間…桃香がルチアから離れたらどうしよう…聖女が表舞台から消えた瞬間、他の誰かに乗り移ったりしたらどうしよう…そんな理由のわからない不安まで頭を過る
助けたい、早くこの問題を解決したい、計画が上手く成功して欲しい…でも、このままじゃ駄目なのに…このまま進めるしかおれたちには道が無い…
側妃様の来訪が予定されているのは明後日
もうそこまで近づいてる運命の日と言える日、桃香は必ず動くのに…それまでになんとかしたいのに…
そんなおれに助け舟を出してくれたのは、授業中に心そこにあらずな事に気付いたラッジ先生とローダン先生だった
放課後皆と一緒に個別指導室に呼び出される形で先生達にも情報共有しなきゃって話た時、ある事を言われた
「桃香がルチアの身体に入ってるままで計画を進める事が申し訳なくて…でも、やらなきゃいけない
ラッジ先生…何か桃香だけを引き釣り出す魔法とか無いでしょうか?色々探したけど文献にも乗って無くて…」
「体内から別の何かを引きずり出す魔法…な
…………………やってみた事は無いが、可能性があるかもしれない魔法なら知っている
合同魔法演習での課題、覚えてるか?」
そう話し始めたラッジ先生は教えてくれた…人相手にやってみた事はない、けどもしかしたら桃香を分離できるかもしれない方法を…
まさか合同魔法演習での課題が聖女の身体から桃香を引き剥がせる可能性があるなんて思わなかったけど、おれ達はそんな方法が!?って驚愕を受けつつ先生の話しを聞いた
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