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反撃編
すれ違う前に
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Side イグニス
最近、みんなピリピリしている…
原因は言わずもがな、あの恐ろしく臭い香水を纏った聖女に関するあれこれなのはわかる…わかるけど…みんな、前のように日々楽しく過ごしてるって感じが無い…
おかしなこともある、マイズはルイ王子と婚約者候補となるから、自分も一緒に集まりに来てって謎の指令を出してくるし…どゆこと!?って言ったらルディヴィスの魔法の秘密についてルイ王子に協力を得たとかだったけど、急に婚約者候補!?って驚いたし
…シャルティは歓迎会で恐ろしく美しいドSっぽい女性をかっこよく演じてたのに今は何処か上の空、ヘルリが忠犬っぽくシャルティの護衛に入ってマイケルは不在の日が多いみたいだし…
レオンハルト殿下もどこか活気が無い?何か考え事してるみたいで…みんな前の楽しそうな雰囲気を忘れてしまったような…変な感じがする
特にルディヴィスは何か思い悩んでるのか、あの癒される笑顔が無い…気がするんだ…
声を掛けると笑ってはくれるのに、どこか影がある
聖女が前世の妹で性格がとんでもないやつだった…ボロを出させるように自らを囮に作戦を遂行してるけど…それが原因なのか?
何となく、それだけじゃない気がして…
頭の中で色々考えてたら自分がルディヴィスに救われた日、あの前の家族から逃げるすべをくれた日を思い出した
もしかして…ルディヴィスは………自分自身にも罪の意識を感じているのだろうか…?
前世の家族の失態、その尻拭いを自分が全てしなければいけないって…悩んでるんじゃ…
自分の思い違いならいい、けど…そうじゃなかったらと思うと不安になってくる
自分だけ考えるのは不安にだし、直接本人に言う前にみんなとサングイス公爵へ考えを伝えよう
よく考えたらルディヴィスってサングイス公爵をあまり頼らない感じがする…あんなにも話を聞いて助けてくれる良き公爵様なのにどうして頼ろうとしないんだ…?
Side レオンハルト
ルイ王子の歓迎会終了後から、聖女ルチアの行動は日に日に本当に過激になっている
ルディヴィスから自分を信じて欲しい、側に居るだけで何もしないで欲しいと頼まれた事もあり、それを守ってきた
今までのように自分は虐められている可哀想という演技から、ルディヴィスへ危害を加えつつ自分が酷いことをされていると周囲に言いふらすようになっている…食事のプレートを持ったままわざとぶつかるのは序の口で…足を掛けられたと言いつつルディヴィスの足を蹴っている場面、飲み物を掛けられたと騒ぐが実際に服が濡れているのはルディヴィスだったり…
自分は可哀想、自分は虐められても負けないの…そんな気持ちなのか?
自らが起こした行動全てで大げさにごめんなさい、許してくださいと、小鹿のように震えて泣くあの女を見ていて不快になる
ルディヴィスが事前に止めないで欲しいと、俺に念を押して無ければ止めに入り、あの聖女を罵倒したい気持ちで一杯だ
そんな酷い日々の中で、ルディヴィスは文句の一つも言わずに紳士的な対応を繰り返し、時々前世の言葉を織り交ぜながら聖女の行動を誘発している
確かに計画としては上手く行ってると言える…?だろう…聖女が取り返しのつかない失態を起こすのも時間の問題だとルディヴィスが言うのだから…
けど、胸騒ぎがして嫌な気持ちになるのはなんでなんだ…?
その胸騒ぎの原因が分かったのはイグニスの言葉がきっかけだった…
「ルディヴィスは家族の尻拭いをしようとしてないですか?自分にも責任があると思ってるんじゃないかって…」
と、俺に伝えてきたイグニスは、自分の家族が自分へ異常な期待を込め、無理な訓練を強要してきた過去を話し…その時、自分が悪いから家族がこうなってしまったと思い悩んだ頃があると…自身の経験を語った
聖女に対して前世のクソ妹…そう嫌う程仲が悪く、俺たちを不幸にする存在だとルディヴィスは話していた…みんなに申し訳なくて…とも言ってなかったか?
聖女とルディヴィスは違う、それはわかってる筈なのに…俺たちが思うよりもルディヴィスは思い詰めている…何かを隠してるんじゃ…………そう想像してしまう…
ルディヴィスの腕から覗く包帯をみて、マイズがルイ王子の婚約者候補になった事にも気付かない様子と、いつもと違う声のトーン、言動を聞いて俺の考えは確信に変わる
「レオ、今日からおれ一人で食堂と共用スペースに行こうと思うんだ…
桃香のおれに対する行動も予定通り酷くなってるし…もう少しでボロを出すから
もう少しで終わるからみんなと待っていて欲しい
ここからはおれ一人で大丈夫だから…」
そう、俺の目を見て笑顔で離れていこうとするルディヴィスをそのまま放置なんて出来ない
一人で何をする気だルディヴィス?俺に隠れて何を犠牲にしようとしているんだ!?
「…………それは出来ない
ルディ、話しがある…一緒に来て欲ほしい…いや、連れて行く」
離れていこうとするルディヴィスの手を握りこちらに引き寄せると、何処か不安な…怯える姿が見えた
抵抗なんかさせない…!一緒に来いと、手を引き個別の空き教室を目指す
腕から覗く包帯は前日に聖女がぶつかってきた時に湯気が異常なコーヒーが掛かった部分だろ!?…水魔法があるから大丈夫なんて嘘なんじゃないのか?
これまでの聖女からの接触…それも本当に大丈夫だったと言えるのか?
ルディヴィスが何かを言ってるが気にせず連れて行く
通信魔法で皆に招集をかけながら…
最近、みんなピリピリしている…
原因は言わずもがな、あの恐ろしく臭い香水を纏った聖女に関するあれこれなのはわかる…わかるけど…みんな、前のように日々楽しく過ごしてるって感じが無い…
おかしなこともある、マイズはルイ王子と婚約者候補となるから、自分も一緒に集まりに来てって謎の指令を出してくるし…どゆこと!?って言ったらルディヴィスの魔法の秘密についてルイ王子に協力を得たとかだったけど、急に婚約者候補!?って驚いたし
…シャルティは歓迎会で恐ろしく美しいドSっぽい女性をかっこよく演じてたのに今は何処か上の空、ヘルリが忠犬っぽくシャルティの護衛に入ってマイケルは不在の日が多いみたいだし…
レオンハルト殿下もどこか活気が無い?何か考え事してるみたいで…みんな前の楽しそうな雰囲気を忘れてしまったような…変な感じがする
特にルディヴィスは何か思い悩んでるのか、あの癒される笑顔が無い…気がするんだ…
声を掛けると笑ってはくれるのに、どこか影がある
聖女が前世の妹で性格がとんでもないやつだった…ボロを出させるように自らを囮に作戦を遂行してるけど…それが原因なのか?
何となく、それだけじゃない気がして…
頭の中で色々考えてたら自分がルディヴィスに救われた日、あの前の家族から逃げるすべをくれた日を思い出した
もしかして…ルディヴィスは………自分自身にも罪の意識を感じているのだろうか…?
前世の家族の失態、その尻拭いを自分が全てしなければいけないって…悩んでるんじゃ…
自分の思い違いならいい、けど…そうじゃなかったらと思うと不安になってくる
自分だけ考えるのは不安にだし、直接本人に言う前にみんなとサングイス公爵へ考えを伝えよう
よく考えたらルディヴィスってサングイス公爵をあまり頼らない感じがする…あんなにも話を聞いて助けてくれる良き公爵様なのにどうして頼ろうとしないんだ…?
Side レオンハルト
ルイ王子の歓迎会終了後から、聖女ルチアの行動は日に日に本当に過激になっている
ルディヴィスから自分を信じて欲しい、側に居るだけで何もしないで欲しいと頼まれた事もあり、それを守ってきた
今までのように自分は虐められている可哀想という演技から、ルディヴィスへ危害を加えつつ自分が酷いことをされていると周囲に言いふらすようになっている…食事のプレートを持ったままわざとぶつかるのは序の口で…足を掛けられたと言いつつルディヴィスの足を蹴っている場面、飲み物を掛けられたと騒ぐが実際に服が濡れているのはルディヴィスだったり…
自分は可哀想、自分は虐められても負けないの…そんな気持ちなのか?
自らが起こした行動全てで大げさにごめんなさい、許してくださいと、小鹿のように震えて泣くあの女を見ていて不快になる
ルディヴィスが事前に止めないで欲しいと、俺に念を押して無ければ止めに入り、あの聖女を罵倒したい気持ちで一杯だ
そんな酷い日々の中で、ルディヴィスは文句の一つも言わずに紳士的な対応を繰り返し、時々前世の言葉を織り交ぜながら聖女の行動を誘発している
確かに計画としては上手く行ってると言える…?だろう…聖女が取り返しのつかない失態を起こすのも時間の問題だとルディヴィスが言うのだから…
けど、胸騒ぎがして嫌な気持ちになるのはなんでなんだ…?
その胸騒ぎの原因が分かったのはイグニスの言葉がきっかけだった…
「ルディヴィスは家族の尻拭いをしようとしてないですか?自分にも責任があると思ってるんじゃないかって…」
と、俺に伝えてきたイグニスは、自分の家族が自分へ異常な期待を込め、無理な訓練を強要してきた過去を話し…その時、自分が悪いから家族がこうなってしまったと思い悩んだ頃があると…自身の経験を語った
聖女に対して前世のクソ妹…そう嫌う程仲が悪く、俺たちを不幸にする存在だとルディヴィスは話していた…みんなに申し訳なくて…とも言ってなかったか?
聖女とルディヴィスは違う、それはわかってる筈なのに…俺たちが思うよりもルディヴィスは思い詰めている…何かを隠してるんじゃ…………そう想像してしまう…
ルディヴィスの腕から覗く包帯をみて、マイズがルイ王子の婚約者候補になった事にも気付かない様子と、いつもと違う声のトーン、言動を聞いて俺の考えは確信に変わる
「レオ、今日からおれ一人で食堂と共用スペースに行こうと思うんだ…
桃香のおれに対する行動も予定通り酷くなってるし…もう少しでボロを出すから
もう少しで終わるからみんなと待っていて欲しい
ここからはおれ一人で大丈夫だから…」
そう、俺の目を見て笑顔で離れていこうとするルディヴィスをそのまま放置なんて出来ない
一人で何をする気だルディヴィス?俺に隠れて何を犠牲にしようとしているんだ!?
「…………それは出来ない
ルディ、話しがある…一緒に来て欲ほしい…いや、連れて行く」
離れていこうとするルディヴィスの手を握りこちらに引き寄せると、何処か不安な…怯える姿が見えた
抵抗なんかさせない…!一緒に来いと、手を引き個別の空き教室を目指す
腕から覗く包帯は前日に聖女がぶつかってきた時に湯気が異常なコーヒーが掛かった部分だろ!?…水魔法があるから大丈夫なんて嘘なんじゃないのか?
これまでの聖女からの接触…それも本当に大丈夫だったと言えるのか?
ルディヴィスが何かを言ってるが気にせず連れて行く
通信魔法で皆に招集をかけながら…
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