122 / 174
反撃編
確認事項
しおりを挟むおれが思う聖女ルチアへ対して、前世の゙兄としての考えを踏まえた対応と対策を話す
正直言って関わり合いたくない奴だけど、元身内が責任を取らないで誰が取るんだよって気持ちもあった
それに、おれが相手なら物語の強制力すら反映しない自信もあるし…だって恐ろしく臭い香水の匂いがしないのも、もしかしたら乙女ゲームに居るけどいない、悪役令嬢の兄ルディヴィスだからって可能性もあるから
だが、しかし…おれの素晴らしい計画に対してみんな直ぐにいいね!賛成!って言ってくれるのを期待してたのに、現実は何処か違う…なんだか何いってんだよって顔されてる…?
え、だってさ…周囲が庇いきれぬほどの事を起こせばスムーズに粛清できるんだよ!?
例え、聖女を守る貴族、商家、王家の人間、…第二王子達がついていようが事実を闇に葬られる事は無い可能性が高い
更には大切なみんなが被害に遭うこともないから心理的にも優しい…
おれがこれまでよりももっと全力で聖女の囮になるだげで実現しそうなかなりの名案だと思うんだけど…
「だ、駄目だったか?ならもうちょい過激な作戦の方が…あ「…………っ、違いますわ…!お義兄様のバカ!!普段頭がいいのに何故わからないのです!?また盛大に釣り餌になろうとしてるお義兄様が心配なんですよ!?!」
「……………うん、それは…わかってる…」
シャルティが詰め寄るようにおれに訴えかけてくる
私たちだけでなく、自分も大切にして欲しいって…
………なんか前も言われた気がする
…………ごめんと素直に謝り、それなりに大事はしてるよって伝えた
本当にそれなりには大切にしてるのは事実なんだよ?でも、おれって存在よりもシャルティやレオンハルト殿下が、みんなが大事なんだ
おれは一度死んだ記憶も、こんなに楽しい生活じゃなかった社畜時代の記憶もある…多少の事は全然苦にならないんだから心配しなくていいのに
それに、おれが精神年齢的に年長者として、率先して釣り餌になりたい気持ちもあるんだよ?
今は言える状況じゃないから隠すけど…
みんなが心配してくれるって事実は本当に嬉しいんだ
優しいみんなが幸せな未来へ進む為なら、おれは…どんな事でもやってやるから、守ってやるからって密かに考えている
「とりあえず桃香…聖女への対応はおれに任せてほしい…明日以降の動きを見てみんなからの意見を聞く感じで…、納得してもらえると助かる
歓迎会を通して起こった出来事で確認したいことがまだある…その話をしていいか?」
さり気なく話を変え他にも確認したかった事、情報を集める
この乙女ゲームがイージーモードなのか?好感度上昇アイテムの効果は実際どんな物なのか?攻略対象以外にも効果があるのか?とか…色々気になっていたから
今回、全員がある程度聖女と近く接している為、おれには全くわからないが例の好感度を上げる臭い香水?の゙効果とか個人的に特に知りたかった
臭いってどんな匂いなんだろう…
イグニスが「今回は10m先からでも臭う!!恐ろしい激臭でした!」と報告してくれた事を皮切りに、各々感じた事を教えてくれた
結果として異世界転生者であるルイ王子を含めた攻略対象のみんなには、好感度上昇の香水は恐ろしく臭く感じる
でも何故か攻略対象じゃないマイケルも臭いと思っているらしい…だが、乙女ゲームの悪役令嬢ではないシャルティにはその匂いがわからない
一方、マイケルと同じ完全な第三者、ガルロ先輩からは臭いと言うよりなんか濃い…って感じの変な匂いに思えたという話を聞くことができた
ここにいる全員、とりあえず匂いを嗅いで臭いと全身を駆け抜ける嫌悪感はあるが、匂いを感じたからといって聖女を愛おしく思う訳では無いらしい
しかし、聖女の近くに暫く居たマイズからの目撃情報でルイ王子の歓迎会で数人聖女の方をうっとりとした表情で見つめていたって話から何かしら条件が整えば好感度を上げるものになる?かも?までは分かった
気になる匂いの感じについては、ヘドロのように煮込んだ花束の゙香りらしい……………うん、わからない
「ルディヴィス、おれがその香水の出所?製造元調べてみます…本来の効果ってあるじゃないですか、それを知るのもありかなって思うんですよね」
イグニスがそう言って香水について調査の担当をしてくれた
もう一つのこの現実が乙女ゲームのイージーモードなのか、それについてはルイ王子がマイズと協力しもう少し調べたいと話す
「マイズさんとちょっとデーうううんんん!!!潜入!潜入がしたくてですね!
今回の歓迎会では治癒好感度が上がるかまでは分からなかったので…良いですか?マイズさん…!」
「………今回、鳥肌立てながら必死に頑張ってくださいましたし…もちろん協力しますよルイ王子」
マイズが協力してくれるってだけで、子供みたいにはしゃぐルイ王子の協力に期待しつつ、一つずつ確認し合った
聖女との交流が薄い二学年で埋めた歓迎会では聖女を養護するような、狂信に近い目立った行動は無かった事、そのうち数名はうっとりとしていたが変に乱入は無かった事
聖女の礼儀知らずな行動に対して嫌悪感を持っている人が大半だと言う事もわかった、かなり小声で聖女に対する文句も聞かれたらしい…しかしやはり聖女であるが故にいくら庶民とはいえ、口出しできない雰囲気があったように見えると…
「本当に聖女という存在が稀有過ぎて面倒ですね…本来なら聖女が現れたことを普通に喜べるのに…」
「そうだな…他国の王子に対して不敬だと言われてもおかしくないのに口出ししてはいけない雰囲気…それを覆すとなるとルディの゙考える作戦が一番なんだろうな…
あと、思い出したんだが…第二王子の事についても謎が残る…なんであいつはまた眺めてたんだ?あんなに愛してるって感じの雰囲気出しといて、聖女が気絶?するまでずっと見てただろ…なんか気味が悪いよな…」
レオンハルト殿下が思い出したかのように言った言葉にみんな頷く
聖女に付き従い愛してると囁く第二王子はどうして聖女が困る状況でも優しくうなづいて何もしないのか、前から思ってたが改めて考えると気味が悪い…
「第二王子の事はもう少し情報を集めよう
あと…これは勘違いかもしれないんだ…なぁ聖女の目、瞳の色ってあんな色だったか?」
みんなは何の話?って反応をしてくる
おれを前世の兄だと言った聖女の目、何となく濁った空色に見えたのはおれだけ?やっぱり見間違いだったのか?
まだわからないことも多いが、確実に前進しているのも事実だ
明日からとりあえずおれは新釣り餌として頑張ろう
2,276
あなたにおすすめの小説
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる