【書籍化進行中】悪役令嬢の兄です、ヒロインはそちらです!こっちに来ないで下さい

たなぱ

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反撃編

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 おれが思う聖女ルチアへ対して、前世の゙兄としての考えを踏まえた対応と対策を話す
 正直言って関わり合いたくない奴だけど、元身内が責任を取らないで誰が取るんだよって気持ちもあった
 それに、おれが相手なら物語の強制力すら反映しない自信もあるし…だって恐ろしく臭い香水の匂いがしないのも、もしかしたら乙女ゲームに居るけどいない、悪役令嬢の兄ルディヴィスだからって可能性もあるから

 だが、しかし…おれの素晴らしい計画に対してみんな直ぐにいいね!賛成!って言ってくれるのを期待してたのに、現実は何処か違う…なんだか何いってんだよって顔されてる…?

 え、だってさ…周囲が庇いきれぬほどの事を起こせばスムーズに粛清できるんだよ!?
 例え、聖女を守る貴族、商家、王家の人間、…第二王子達がついていようが事実を闇に葬られる事は無い可能性が高い
 更には大切なみんなが被害に遭うこともないから心理的にも優しい…
 おれがこれまでよりももっと全力で聖女の囮になるだげで実現しそうなかなりの名案だと思うんだけど…



「だ、駄目だったか?ならもうちょい過激な作戦の方が…あ「…………っ、違いますわ…!お義兄様のバカ!!普段頭がいいのに何故わからないのです!?また盛大に釣り餌になろうとしてるお義兄様が心配なんですよ!?!」

「……………うん、それは…わかってる…」



 シャルティが詰め寄るようにおれに訴えかけてくる
 私たちだけでなく、自分も大切にして欲しいって…
 ………なんか前も言われた気がする
 …………ごめんと素直に謝り、それなりに大事はしてるよって伝えた

 本当にそれなりには大切にしてるのは事実なんだよ?でも、おれって存在よりもシャルティやレオンハルト殿下が、みんなが大事なんだ
 おれは一度死んだ記憶も、こんなに楽しい生活じゃなかった社畜時代の記憶もある…多少の事は全然苦にならないんだから心配しなくていいのに
 それに、おれが精神年齢的に年長者として、率先して釣り餌になりたい気持ちもあるんだよ?


 今は言える状況じゃないから隠すけど…
 みんなが心配してくれるって事実は本当に嬉しいんだ
 優しいみんなが幸せな未来へ進む為なら、おれは…どんな事でもやってやるから、守ってやるからって密かに考えている




「とりあえず桃香…聖女への対応はおれに任せてほしい…明日以降の動きを見てみんなからの意見を聞く感じで…、納得してもらえると助かる
 歓迎会を通して起こった出来事で確認したいことがまだある…その話をしていいか?」


 さり気なく話を変え他にも確認したかった事、情報を集める
 この乙女ゲームがイージーモードなのか?好感度上昇アイテムの効果は実際どんな物なのか?攻略対象以外にも効果があるのか?とか…色々気になっていたから

 今回、全員がある程度聖女と近く接している為、おれには全くわからないが例の好感度を上げる臭い香水?の゙効果とか個人的に特に知りたかった
 臭いってどんな匂いなんだろう…

 イグニスが「今回は10m先からでも臭う!!恐ろしい激臭でした!」と報告してくれた事を皮切りに、各々感じた事を教えてくれた
 結果として異世界転生者であるルイ王子を含めた攻略対象のみんなには、好感度上昇の香水は恐ろしく臭く感じる
 でも何故か攻略対象じゃないマイケルも臭いと思っているらしい…だが、乙女ゲームの悪役令嬢ではないシャルティにはその匂いがわからない
 一方、マイケルと同じ完全な第三者、ガルロ先輩からは臭いと言うよりなんか濃い…って感じの変な匂いに思えたという話を聞くことができた

 ここにいる全員、とりあえず匂いを嗅いで臭いと全身を駆け抜ける嫌悪感はあるが、匂いを感じたからといって聖女を愛おしく思う訳では無いらしい
 しかし、聖女の近くに暫く居たマイズからの目撃情報でルイ王子の歓迎会で数人聖女の方をうっとりとした表情で見つめていたって話から何かしら条件が整えば好感度を上げるものになる?かも?までは分かった
 気になる匂いの感じについては、ヘドロのように煮込んだ花束の゙香りらしい……………うん、わからない


「ルディヴィス、おれがその香水の出所?製造元調べてみます…本来の効果ってあるじゃないですか、それを知るのもありかなって思うんですよね」

 イグニスがそう言って香水について調査の担当をしてくれた
 もう一つのこの現実が乙女ゲームのイージーモードなのか、それについてはルイ王子がマイズと協力しもう少し調べたいと話す

「マイズさんとちょっとデーうううんんん!!!潜入!潜入がしたくてですね!
 今回の歓迎会では治癒好感度が上がるかまでは分からなかったので…良いですか?マイズさん…!」

「………今回、鳥肌立てながら必死に頑張ってくださいましたし…もちろん協力しますよルイ王子」



 マイズが協力してくれるってだけで、子供みたいにはしゃぐルイ王子の協力に期待しつつ、一つずつ確認し合った
 聖女との交流が薄い二学年で埋めた歓迎会では聖女を養護するような、狂信に近い目立った行動は無かった事、そのうち数名はうっとりとしていたが変に乱入は無かった事
 聖女の礼儀知らずな行動に対して嫌悪感を持っている人が大半だと言う事もわかった、かなり小声で聖女に対する文句も聞かれたらしい…しかしやはり聖女であるが故にいくら庶民とはいえ、口出しできない雰囲気があったように見えると…



「本当に聖女という存在が稀有過ぎて面倒ですね…本来なら聖女が現れたことを普通に喜べるのに…」

「そうだな…他国の王子に対して不敬だと言われてもおかしくないのに口出ししてはいけない雰囲気…それを覆すとなるとルディの゙考える作戦が一番なんだろうな…
 あと、思い出したんだが…第二王子の事についても謎が残る…なんであいつはまた眺めてたんだ?あんなに愛してるって感じの雰囲気出しといて、聖女が気絶?するまでずっと見てただろ…なんか気味が悪いよな…」


 レオンハルト殿下が思い出したかのように言った言葉にみんな頷く
 聖女に付き従い愛してると囁く第二王子はどうして聖女が困る状況でも優しくうなづいて何もしないのか、前から思ってたが改めて考えると気味が悪い…


「第二王子の事はもう少し情報を集めよう
 あと…これは勘違いかもしれないんだ…なぁ聖女の目、瞳の色ってあんな色だったか?」


 みんなは何の話?って反応をしてくる
 おれを前世の兄だと言った聖女の目、何となく濁った空色に見えたのはおれだけ?やっぱり見間違いだったのか?






 まだわからないことも多いが、確実に前進しているのも事実だ
明日からとりあえずおれは新釣り餌として頑張ろう


















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