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陽動編
感動の味と罪悪感
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Side ルイ
僕は今、自分で自分を窮地に立たせている気がしてならない
この絶妙にクセの強い乙女ゲーム…『光の聖女に愛を灯す』の世界に転生してしまい早16年
自分が攻略対象者だと分かってから絶望し、乙女ゲームの世界に呑み込まれないようにと必死に逃げて逃げて…逃げ続けてきた…
なのに強制力だと言わんばかりに避けてきた留学は父上に強制的に組み込まれ、実は乙女ゲームじゃない!と信じてラピスチアーノ学園に登校してみればふわふわキラキラの世間一般的にはクソ可愛いヒロイン…聖女が登校している悲しい現実
ここは確実に乙女ゲームの世界、しかし僕は前世から本気で女子が苦手なのだ、恋愛対象は男、男一択…
ヒロインと恋愛どころか関わり合いたくない、だから逃げている…何が乙女ゲームに直結するか分からなかったから王家特有の目を隠してヒッソリこっそり生きてきたのに…
先日、僕の前に現れたのはチャラ男枠の攻略対象者だった次期大司教のマイズ.エースメイス…見た目がもうマジで好みの美しい美形な彼が言った事を、あの日…信じられなかった自分を叱ってやりたい
「貴方が先程から呟いている乙女ゲーム…その言葉に詳しい人に心当たりがあります…
もし、もしも可能でしたらその人の力になってあげてくれませんか?」
そう、考えてることが全部口から出ていた僕にマイズさんは言った、真剣な顔で…必死な表情で…
でも僕は直に信じず逃げてんだ…これは乙女ゲームの世界開始への強制的なのか?って…怖くなって…
もうマジでお美しくお近づきになりたかったマイズさんが恐ろしく見えた
何とも答えられない僕にマイズさんは優しく微笑み、直に信じろと言うのは難しいと、喋らず正体を明かさなくてもいいから一度その人を見て欲しい…ってお願いされて後日連れて行かれたのは悪役令嬢の家だった…紹介状まで書いてもらったのになかなか入る勇気が無くて…悪役令嬢家とか怖すぎて本当に一言も声が出なかったとか恥ずかしくて仕方ない
だって、悪役令嬢だよ?ヒロインとはまた違う可愛い女子…
しかし凶暴で炎と鞭を使い攻略対象者をいたぶる悪女、僕だって乙女ゲームのシナリオ的には隣国の王子なのに、色々巻き込まれて鞭で撃たれてたエピソードがある恐ろしい存在
その悪役令嬢の家に力になって欲しい人いるの!?!って怖すぎて信じられなくて…でもマイズさんに嫌われたくないと勇気を振り絞ってサングイス公爵家に入ったら後悔した…僕の思い込みに…ちゃんと詳しく話聞けよって僕の愚かさに対して後悔する
「えっと…始めまして、ようこそサングイス公爵家へ…」
そう、無言でモサモサ髪で目を隠し怪しさしか無い僕に挨拶をしてくれた存在、ルディヴィス.サングイスという存在を始め認識できなかった
赤い髪に赤い瞳…悪役令嬢にちょっと似てる男…けど見たことが無かったから………誰?乙女ゲームにいた?誰これ?って分からなかった
悪役令嬢も僕が知ってる見た目じゃなくて…ニコニコ可愛く微笑む姿がどこか女子なのに癒される謎のオーラを纏ってて…訳が分からない…知らない男と悪役令嬢にどんな関係が?
そう思いながら、中庭に通されてからもずっと観察していて思い出したんだ…
そう、そして気付いた………大きなピザ窯を見せられて、とんでもなく美しいイリュージョンピザに感動して……あまりにもおいしい…前世で食べた懐かしいピザの味、ジャンクフードの味を口いっぱいに感じた時…
マイズさんが言ってた力になって欲しい相手はこのルディヴィスって人だって事に…
恐ろしさで緊張して見えてなかったけど、この悪役令嬢宅の中庭にいるメンバーのほとんどが乙女ゲームの攻略対象者だって事実も気付いてしまった
悪役令嬢らしくない優しい感じのする悪役令嬢
乙女ゲーム以上に王子になってるレオンハルト殿下
光に狂信的な想いを馳せてないチャラ男じゃないマイズさん
穏やかな紳士にしか見えない闇を感じない従者のヘルリ
ピザをおかわりするイグニス………
その誰もが乙女ゲームで聖女と恋をして救われるエピソードで見たどのスチルよりも、悪役令嬢とも仲良く楽しそうに…幸せそうな表情でこの悪役令嬢宅の中庭にいる事実
その中心にいる知らない男
彼は、ルディヴィスは…乙女ゲームの世界で悪役令嬢の断罪として一家もろとも死を迎える名前すら本編で出ない脇キャラ…悪役令嬢の兄だ
そして、僕と同じ異世界転生者だ…………
乙女ゲームの世界に転生した事を恨みながら逃げ続けた僕とは違う
きっと異世界転生してしまった事を悲観しないで、未来をより良くしようって…義兄って立場で悪役令嬢を救う為に色々してきたんだろうなってわかる光景は心に突き刺さり過ぎた…
あと、ピザが美味しすぎて……ついでにルディヴィスを見つめるレオンハルト殿下達の目が優しすぎてさ…ここはBLの世界か!って感動してしまったんだ
だからこそ、礼儀知らずなままこの乙女ゲームの世界を超えた素晴らしい空間に居る自分が申し訳なくなってくる…………
気が付いたら腰にしがみついついてたり更に失態を重ねてた
でもでも、マイズさんがチャンスをくれたから同じ異世界転生者なら絶対わかるジャパニーズ土下座!!!それで盛大に謝ろうってしたら泣くとは思わないじゃん!?!思わないじゃん………
本当にごめんなさい悪役令嬢の兄…ルディヴィスさん!!礼儀知らずな同郷?ですいません!
早く泣き止んで…自分勝手で申し訳ないけど、話がしたいよ………
僕は今、自分で自分を窮地に立たせている気がしてならない
この絶妙にクセの強い乙女ゲーム…『光の聖女に愛を灯す』の世界に転生してしまい早16年
自分が攻略対象者だと分かってから絶望し、乙女ゲームの世界に呑み込まれないようにと必死に逃げて逃げて…逃げ続けてきた…
なのに強制力だと言わんばかりに避けてきた留学は父上に強制的に組み込まれ、実は乙女ゲームじゃない!と信じてラピスチアーノ学園に登校してみればふわふわキラキラの世間一般的にはクソ可愛いヒロイン…聖女が登校している悲しい現実
ここは確実に乙女ゲームの世界、しかし僕は前世から本気で女子が苦手なのだ、恋愛対象は男、男一択…
ヒロインと恋愛どころか関わり合いたくない、だから逃げている…何が乙女ゲームに直結するか分からなかったから王家特有の目を隠してヒッソリこっそり生きてきたのに…
先日、僕の前に現れたのはチャラ男枠の攻略対象者だった次期大司教のマイズ.エースメイス…見た目がもうマジで好みの美しい美形な彼が言った事を、あの日…信じられなかった自分を叱ってやりたい
「貴方が先程から呟いている乙女ゲーム…その言葉に詳しい人に心当たりがあります…
もし、もしも可能でしたらその人の力になってあげてくれませんか?」
そう、考えてることが全部口から出ていた僕にマイズさんは言った、真剣な顔で…必死な表情で…
でも僕は直に信じず逃げてんだ…これは乙女ゲームの世界開始への強制的なのか?って…怖くなって…
もうマジでお美しくお近づきになりたかったマイズさんが恐ろしく見えた
何とも答えられない僕にマイズさんは優しく微笑み、直に信じろと言うのは難しいと、喋らず正体を明かさなくてもいいから一度その人を見て欲しい…ってお願いされて後日連れて行かれたのは悪役令嬢の家だった…紹介状まで書いてもらったのになかなか入る勇気が無くて…悪役令嬢家とか怖すぎて本当に一言も声が出なかったとか恥ずかしくて仕方ない
だって、悪役令嬢だよ?ヒロインとはまた違う可愛い女子…
しかし凶暴で炎と鞭を使い攻略対象者をいたぶる悪女、僕だって乙女ゲームのシナリオ的には隣国の王子なのに、色々巻き込まれて鞭で撃たれてたエピソードがある恐ろしい存在
その悪役令嬢の家に力になって欲しい人いるの!?!って怖すぎて信じられなくて…でもマイズさんに嫌われたくないと勇気を振り絞ってサングイス公爵家に入ったら後悔した…僕の思い込みに…ちゃんと詳しく話聞けよって僕の愚かさに対して後悔する
「えっと…始めまして、ようこそサングイス公爵家へ…」
そう、無言でモサモサ髪で目を隠し怪しさしか無い僕に挨拶をしてくれた存在、ルディヴィス.サングイスという存在を始め認識できなかった
赤い髪に赤い瞳…悪役令嬢にちょっと似てる男…けど見たことが無かったから………誰?乙女ゲームにいた?誰これ?って分からなかった
悪役令嬢も僕が知ってる見た目じゃなくて…ニコニコ可愛く微笑む姿がどこか女子なのに癒される謎のオーラを纏ってて…訳が分からない…知らない男と悪役令嬢にどんな関係が?
そう思いながら、中庭に通されてからもずっと観察していて思い出したんだ…
そう、そして気付いた………大きなピザ窯を見せられて、とんでもなく美しいイリュージョンピザに感動して……あまりにもおいしい…前世で食べた懐かしいピザの味、ジャンクフードの味を口いっぱいに感じた時…
マイズさんが言ってた力になって欲しい相手はこのルディヴィスって人だって事に…
恐ろしさで緊張して見えてなかったけど、この悪役令嬢宅の中庭にいるメンバーのほとんどが乙女ゲームの攻略対象者だって事実も気付いてしまった
悪役令嬢らしくない優しい感じのする悪役令嬢
乙女ゲーム以上に王子になってるレオンハルト殿下
光に狂信的な想いを馳せてないチャラ男じゃないマイズさん
穏やかな紳士にしか見えない闇を感じない従者のヘルリ
ピザをおかわりするイグニス………
その誰もが乙女ゲームで聖女と恋をして救われるエピソードで見たどのスチルよりも、悪役令嬢とも仲良く楽しそうに…幸せそうな表情でこの悪役令嬢宅の中庭にいる事実
その中心にいる知らない男
彼は、ルディヴィスは…乙女ゲームの世界で悪役令嬢の断罪として一家もろとも死を迎える名前すら本編で出ない脇キャラ…悪役令嬢の兄だ
そして、僕と同じ異世界転生者だ…………
乙女ゲームの世界に転生した事を恨みながら逃げ続けた僕とは違う
きっと異世界転生してしまった事を悲観しないで、未来をより良くしようって…義兄って立場で悪役令嬢を救う為に色々してきたんだろうなってわかる光景は心に突き刺さり過ぎた…
あと、ピザが美味しすぎて……ついでにルディヴィスを見つめるレオンハルト殿下達の目が優しすぎてさ…ここはBLの世界か!って感動してしまったんだ
だからこそ、礼儀知らずなままこの乙女ゲームの世界を超えた素晴らしい空間に居る自分が申し訳なくなってくる…………
気が付いたら腰にしがみついついてたり更に失態を重ねてた
でもでも、マイズさんがチャンスをくれたから同じ異世界転生者なら絶対わかるジャパニーズ土下座!!!それで盛大に謝ろうってしたら泣くとは思わないじゃん!?!思わないじゃん………
本当にごめんなさい悪役令嬢の兄…ルディヴィスさん!!礼儀知らずな同郷?ですいません!
早く泣き止んで…自分勝手で申し訳ないけど、話がしたいよ………
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