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陽動編
慈愛の聖女様
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Side ???
私のクラスには今代の聖女様がおられる
出生など関係なく、各々歴代素晴らしい功績を残す女神から授かった聖光魔法を駆使し人々を救う聖女様が
今代の聖女は市街で保護されたルチア様、元々市民だったとは思えない程、物凄く可愛らしいお方だ
初めて見た時、お人形さんがお話しているのかと思った人が殆どだろう、形の良い造形の゙顔に美しい瞳、サラサラの髪をしていて…声までとても可愛らしかったのがとても印象的だった
それにとてもいい匂いがする…花を煮詰めて作ったかのような心を癒す香り…
そんな可愛らしい聖女様は、歴史上類を見ないほどに、女神様から与えられたその奇跡の力を惜しみなく私達に見せて下さるのだ
本来成人まで貴族の習わしや魔法を学ぶ為にあまり表立った行動はしない聖女様がこれまで殆どだったが、ルチア様は学園入学と同時に積極的に動かれてる
第二王子殿下の母君である方をお救いしたのがその代表例だろう…名家の子息や、病弱な子爵の妻、風邪を引いた伯爵の甥…そして腰痛で寝たきりだった男爵である私の父も、聖女様に救われた
あの日見た奇跡の光景は生涯忘れることはできない…一言で言うなら美しく感動的な慈愛の奇跡…
「あたしはルチア…聖女です、あたしが必ず救います、大丈夫…身を委ねて、あたしを信じて…」
そう可愛らしい顔で微笑み、腰痛が酷く社交にも中々でれなかった病人の父に手をかざして、何か呪文を唱えるとルチア様の手のひらを中心に部屋全体が眩い光に覆われていった
あまりにも美しくて、キラキラと漂う光の粒も見たかもしれない…眩しくて目を開けていられなくなって…私の中にもその美しい光が入り込むような心地よさに包まれ、………気が付くと腰痛があったことが嘘のように父は良くなっていたんだ
まさに奇跡!美しき聖女の奇跡!!
なんとお礼を言っていいかわからない…そうルチア様の手を取り、感謝を述べたい父を制止し、「聖女の務めです」と、ルチア様は笑う
報酬は何もいらないって言うんだルチア様は…
流石にそうはいかなくて、父は宝石をルチア様に感謝の気持ちで与えてたっけ…
宝石なんて初めて…と、可愛らしい笑顔で笑い、喜ぶ姿は普通の少女だね…なんて父が言ってたのを覚えている
私の父をはじめ、この1年のクラス…いや、1年生全体でルチア様の奇跡を目の当たりにした者は多い
裏では、その素晴らしさと美しさに魅入られてしまい信者のような感じになっている者も居るほどだ
私もその一人なのだから
その代表格として第二王子がおられる、常にルチア様に付き添うその姿はまるで騎士のようにもみえるんだ
そんな、慈愛の心に満ちた聖女ルチア様は入学当初から市民の出だと馬鹿にされ、上級生から虐めを受けている事は1年生の中で有名な話…
入学当初はサングイス公爵家のシャルティ様がその筆頭だったが、最近ではレオンハルト殿下の婚約者でもある、シャルティ様の兄、ルディヴィス様も加担し…むしろルディヴィス様が率先して虐めを行っているとも囁かれている
足を掛けられたり、睨まれたり、形見のブローチ等大切な物を盗まれたり…
私は虐めの現場を実際見たわけじゃない、けど…ボロボロと涙を溢し、悲しみに暮れるルチア様が嘘を言っているとは思えない
勇気あるものは2年生の教室まで行き、ルチア様を虐めないでと言いに行ったそうだが、その誰もが言いくるめられたのかなんの成果も得られず帰ってきたりもしている
ルチア様はレオンハルト殿下やマイズ様たちを救いたいとよく泣いている姿も見る…本当は自分と仲良くしていたいのにそれを邪魔するものがいるのだと…
それこそがサングイス公爵家の義兄妹…いじめの主犯、ルチア様がレオンハルト殿下達と仲が良い事に嫉妬して、宰相を父に持つ彼らは権力で慈愛の心に溢れる聖女ルチア様を害しているって話だ
証拠があるかって言われたら無いが、父を無償でその優しさから救ってくれたルチア様が嘘を付くはずなど無い、嘘なんて言葉は似合わない程可愛いのだから…
合同魔法演習での事件は酷かった、私は実際見ていないが…ルチア様数日、怖かったと泣きじゃくりっておられた…どう見てもシャルティ様に害されたのは明白なのに、未だに事件は調査中らしい
その日をきっかけに、ルディヴィス様がレオンハルト殿下との性的な接触等でルチア様を傷つけ、煽る事件まで発生しているらしいのだから怖い話だ
「権力って怖いね、でもあたし…負けたくないんだ…」
そう言って涙を流すルチア様は美しかった
誰からも愛される聖女ルチア様
優しい慈愛の聖女ルチア様
可愛らしい微笑みの聖女ルチア様…………
そんなルチア様の願いを叶えてあげたい…………
「なぁ、サングイス公爵家のご兄妹は聖女様にいつそんな虐めをしてるんだ?」
「え、何時って……………ほら、毎日だよ…毎日…誰かしら見ていて……………
………………誰が見ていたんだっけ?」
そんな事どうでもいいくらい聖女様は皆に奇跡の力を使い、助けてくれる慈愛に満ちた素晴らしい方なんだ
私のクラスには今代の聖女様がおられる
出生など関係なく、各々歴代素晴らしい功績を残す女神から授かった聖光魔法を駆使し人々を救う聖女様が
今代の聖女は市街で保護されたルチア様、元々市民だったとは思えない程、物凄く可愛らしいお方だ
初めて見た時、お人形さんがお話しているのかと思った人が殆どだろう、形の良い造形の゙顔に美しい瞳、サラサラの髪をしていて…声までとても可愛らしかったのがとても印象的だった
それにとてもいい匂いがする…花を煮詰めて作ったかのような心を癒す香り…
そんな可愛らしい聖女様は、歴史上類を見ないほどに、女神様から与えられたその奇跡の力を惜しみなく私達に見せて下さるのだ
本来成人まで貴族の習わしや魔法を学ぶ為にあまり表立った行動はしない聖女様がこれまで殆どだったが、ルチア様は学園入学と同時に積極的に動かれてる
第二王子殿下の母君である方をお救いしたのがその代表例だろう…名家の子息や、病弱な子爵の妻、風邪を引いた伯爵の甥…そして腰痛で寝たきりだった男爵である私の父も、聖女様に救われた
あの日見た奇跡の光景は生涯忘れることはできない…一言で言うなら美しく感動的な慈愛の奇跡…
「あたしはルチア…聖女です、あたしが必ず救います、大丈夫…身を委ねて、あたしを信じて…」
そう可愛らしい顔で微笑み、腰痛が酷く社交にも中々でれなかった病人の父に手をかざして、何か呪文を唱えるとルチア様の手のひらを中心に部屋全体が眩い光に覆われていった
あまりにも美しくて、キラキラと漂う光の粒も見たかもしれない…眩しくて目を開けていられなくなって…私の中にもその美しい光が入り込むような心地よさに包まれ、………気が付くと腰痛があったことが嘘のように父は良くなっていたんだ
まさに奇跡!美しき聖女の奇跡!!
なんとお礼を言っていいかわからない…そうルチア様の手を取り、感謝を述べたい父を制止し、「聖女の務めです」と、ルチア様は笑う
報酬は何もいらないって言うんだルチア様は…
流石にそうはいかなくて、父は宝石をルチア様に感謝の気持ちで与えてたっけ…
宝石なんて初めて…と、可愛らしい笑顔で笑い、喜ぶ姿は普通の少女だね…なんて父が言ってたのを覚えている
私の父をはじめ、この1年のクラス…いや、1年生全体でルチア様の奇跡を目の当たりにした者は多い
裏では、その素晴らしさと美しさに魅入られてしまい信者のような感じになっている者も居るほどだ
私もその一人なのだから
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そんな、慈愛の心に満ちた聖女ルチア様は入学当初から市民の出だと馬鹿にされ、上級生から虐めを受けている事は1年生の中で有名な話…
入学当初はサングイス公爵家のシャルティ様がその筆頭だったが、最近ではレオンハルト殿下の婚約者でもある、シャルティ様の兄、ルディヴィス様も加担し…むしろルディヴィス様が率先して虐めを行っているとも囁かれている
足を掛けられたり、睨まれたり、形見のブローチ等大切な物を盗まれたり…
私は虐めの現場を実際見たわけじゃない、けど…ボロボロと涙を溢し、悲しみに暮れるルチア様が嘘を言っているとは思えない
勇気あるものは2年生の教室まで行き、ルチア様を虐めないでと言いに行ったそうだが、その誰もが言いくるめられたのかなんの成果も得られず帰ってきたりもしている
ルチア様はレオンハルト殿下やマイズ様たちを救いたいとよく泣いている姿も見る…本当は自分と仲良くしていたいのにそれを邪魔するものがいるのだと…
それこそがサングイス公爵家の義兄妹…いじめの主犯、ルチア様がレオンハルト殿下達と仲が良い事に嫉妬して、宰相を父に持つ彼らは権力で慈愛の心に溢れる聖女ルチア様を害しているって話だ
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合同魔法演習での事件は酷かった、私は実際見ていないが…ルチア様数日、怖かったと泣きじゃくりっておられた…どう見てもシャルティ様に害されたのは明白なのに、未だに事件は調査中らしい
その日をきっかけに、ルディヴィス様がレオンハルト殿下との性的な接触等でルチア様を傷つけ、煽る事件まで発生しているらしいのだから怖い話だ
「権力って怖いね、でもあたし…負けたくないんだ…」
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優しい慈愛の聖女ルチア様
可愛らしい微笑みの聖女ルチア様…………
そんなルチア様の願いを叶えてあげたい…………
「なぁ、サングイス公爵家のご兄妹は聖女様にいつそんな虐めをしてるんだ?」
「え、何時って……………ほら、毎日だよ…毎日…誰かしら見ていて……………
………………誰が見ていたんだっけ?」
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