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陽動編
プレゼント
しおりを挟む「ルディヴィス様、これを自分にですか…?
………っ、ありがとうございます!すごく嬉しいです…!今度こそ今後こそ、奪われないように守ります…!」
「え、守るって大げさだよヘルリ、でも…今度はそう簡単に壊れないように色々細工もしてあるから!また付けてくれたら嬉しい…しゃがんで?付けてあげるから」
予想した通り、徹夜したことが普通にヘルリにバレてしまってて…もっと早く来れば良かったと泣きつかれてしまって本当に心苦しい…
本当はみんな揃ってる時に、もっとちゃんとした場所で渡したかったけど、子犬が泣いてるみたいなヘルリをどうにかしたくて先に渡す事にした
ヘルリだけは装飾品のネックレスじゃなくてチョーカーだ、前に聖女に壊されてしまった物をベースに新たに防護魔法増し増しで作り直した物
素直にしゃがんでくれたヘルリにチョーカーを付ける、瞳の色に合わせて作った宝石の装飾が首元を飾る感じは気合を入れて作ったかいがある輝きを放つ
嬉しそうなヘルリの声に、仮眠用のベットでスヤスヤしていたイグニスも起きてきて…いつ寝たんだろうと寝ぼけてるイグニスにも、渡す順番とかもう関係ないなって…手伝ってくれてありがとうってオマケと一緒に完成品をプレゼントした
「すげぇ…これ一晩で全員分作ったのか?いつの間にか寝てたとは言え…ルディヴィスすごいな…寝ないでこんなオマケまで…!?
え、本気ですごい…これ売れるって!いや、そう言うのじゃ無い物だけど!とにかくありがと!ほんと作業お疲れ!」
イグニスがいたからこそ完成したんだよって、笑いあってから、やっぱり一人でネックレス付けられないイグニスを助けてあげる
その間にオマケでいつの間にか作ってたリングを指にはめてはしゃぐ姿を見れて嬉しかった…セットで喜んでくれて嬉しい…
その後も、シャワーを浴びてから3人で食堂に向かって、順次起きてきたシャルティや父様、母様に完成したばかりのネックレスをプレゼントした
「……………これ、例のアレですか?お義兄様…!可愛い…素敵です…これ…すごく綺麗………っ、ありがとうございます!大切にしますね!」
そう言って淑女に成長しつつあるシャルティが幼い頃に戻ったみたいにはしゃいでくれたり、父様達は立場上…子供が作った物を付けてくれないかもって思ったけど…その場で母様と互いに付けてくれて本当に嬉しかった
「これは……宝石店で買うものと何ら変わらない仕上がりだね…こんなに素敵なものを趣味で作り上げるとは…ありがとうルディヴィス、それにイグニス、大切にするよ」
「あ、自分途中で寝ちゃったんですよ公爵様…!でも凄いですよね…一晩で作ったと思えない完成度で起きたらびっくりしたんです!」
みんな喜んでくれて嬉しい…頑張ったかいがあったって思う、生前の記憶でネックレスは幸せや無事を願うってあったから…その気持ちを込めて1人1人、瞳の色に合わせて全部違う形に作ってみたんだ
父様と母様のネックレスは2つを合わせると、この世界で愛の象徴と呼ばれている花の形になる、それにポチ太郎が添えられているみたいな感じ…シャルティのは女の子仕様でチェーン部分にもこだわってたり…
イグニスのはチェーン部分、前世の金運上昇カラーに実は仕上げてあったり個性も出してあるんだ
もちろん、学園に着いてからレオンハルト殿下、マイズにもネックレスをプレゼントした
「レオ、マイズ…これ例の出来たんだ…作戦の釣り餌ではあるけど、みんなのお守りになったらいいなって気合入れて作ってみたから…防護魔法も掛けてある、よかったら付けて欲しいな…?」
「~~~~~~っ!!!これアレだよな!?例のやつ!目的はわかってるけど嬉しい…!すげぇ最高の気分だ………ルディヴィス!ありがとう!嬉しい、嬉しいよ!」
「本当に素晴らしい品です…幼い頃に貰ったあの宝石も美しかったですが…それを遥かに上回る綺麗さですね…
ありがとうございますルディヴィス…大切にします!」
みんな想像以上に喜んでくれて嬉しい…釣り餌が目的ではあるけど、ちゃんと気持ちを込めて作った物だから…
それに、イグニスがいたから一晩で作れたんだよって言ったら、見かけによらず器用で凄いって、商人として店を構えたらレオンハルト殿下がお抱えにするからとか言ってみんなで笑った
おまじない的な意味しかないけど、このネックレスがみんなを守ってくれたらいいな…
一見すると同じネックレスとは思えない仕様だけど、共通しているのは中央の削り出した宝石、ポチ太郎との思い出の形だと見る人が見れば分かる釣り餌の部分
自分を着飾ることも、宝石の類いも大好きだったクソ妹なら…絶対に見逃せる筈のない代物だ
だからこそ、自分の首にも、瞳の色ではなく生前作った時の物に一番近い色味の物を付ける…
攻略対象者の、悪役令嬢としたい女の首に、新しい装飾品が付いてたらどうする?お前なら話のきっかけや展開の切り口にしっかりと見るはずだ
そこに、生前見たことがある物が付いていたら…どうする?
確実に誰がそんな物を付けたって探すだろう?…アクセサリーのオリジナルを付けている相手、自分の近しい存在だった相手を……そんな気がするんだ
おれもお前も…見た目は全く違う、生まれた家も爵位も違う…けど、前世の記憶を持つ者同士ある意味同族だ…
前世を知ってる相手が居るとわかって、猫をかぶっていられるわけが無い
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