離縁しようぜ旦那様

冷遇妻編

番外編 第二王子と聖女は反省しない

Side　今は名もなき衛兵





「ふざけるな！いつまでおれをこんな所に閉じ込めて置くのだ！おれはレラージェ国第二王子だぞ！？聖女であるマリアまでこんな場所に閉じ込めるなど何を考えている！？
出せ！こんな野良犬の餌のような食事を出す不届き者を成敗してやる！

メニラ！貴様の仕業なのか！？答えろ！早くおれをここから出せ！！！！」


「うぇぇん酷い、酷いです…メニラ様…いくらあたしが第二王子殿下と仲良しになったのが憎いからってこんな、こんなぁ…
出して、こんな幽閉生活もういやだぁー！！」




俺はレラージェ国で牢番を務める衛兵、普段は監視の為、地下牢で牢番をしているがこの度なんと第二王子殿下と聖女様が国際問題を巻き起こし幽閉されることとなったため、塔の監視で駆り出され異動となってしまった哀れな男だ

正直に言おう、地下牢の監視に戻りたい…この二人ずっと騒いでてひたすらに煩い…なんかもう頭が痛くなってきた…


実際現場を見たわけじゃないけどさ…隣国ドラレイド帝国のお姫様を断罪して婚約破棄したって話じゃん？なんでそんな事になったの？！
って、驚愕だったわけよ、だって数百年この国聖女様の結界だよりで軍事弱いって昔から噂されてたし…

でも国王陛下含め王家は歴代超平和主義者、これから軍に力を入れるなんて無理難題だ…そこで政略結婚で守ってもらおう作戦ドラレイド帝国のお姫様を迎えようって素晴らしい計画だったらしいのに


まさかのお姫様断罪！婚約破棄！噂聞いた時は驚いたけど…この幽閉で使ってる塔の監視で異動になって理解したわ…
第二王子殿下と聖女様、頭にちゃんと脳みそ詰まってるのかなって疑いたくなるほど馬鹿だ
いや、ほんと何一つことの重大さを理解していない…驚きのお花畑脳

お二人のせいで戦争始まりそうだったんだよ？なのに全然自分たち悪くないとひたすらに叫び、ここから出せと食事が不味い、寝具が硬いなど文句を言うだけの生活を送ってる


何度か国王陛下自ら来たり、第一王子殿下や大臣関係が来たりしたが、全然聞く耳を持たない…
早く廃嫡しちゃえ国王陛下って思ってる人も多いだろうが、現在ドラレイド帝国との国際問題中…何故かハミルトン公爵家の方が連れて行かれる事態になってるみたいだけど、この二人の首を跡から要求された時に差し出せるようあの断罪デーと同じくらい健康でいてもらってるらしいのだ…

あれだな獅子の群れに放り込む餌の役割を残されてるんだな？その為だけに国民の税金が使われているのはなんか嫌だな…え、本当に嫌だな！？




………………色々日々俺も暴言オンパレードだけど、心の中だけで言ってるから不敬関係はセーフセーフ…

ここは、ある意味の地獄…うるせぇ！黙れぇ！って心の中で叫んでないとやってられない仕事だ




「誰か居ないのか！ふざけるなおれはレラージェ国の第二王子だぞ！？こんな場所に居ていい存在ではない！マリアと婚姻しこの国を治めるべき存在だ！
出せ！ここから出せ！！！！」

「早く出してよー！！あたしはこんな所やだー！！聖女なのに、聖女なんだよ！？なんで閉じ込められてるの！やだやだやだやだー！！！」



ガッチャガッチャと開かないドアノブを回し、蹴る音がする…特殊な魔法で中からは出れないようになっているが…

なんで、普通の囚人牢の方が静かなんだよ…あっちも怒号が響いてたりするけどさ…それでもここよりは静かだ…そんなことある？
ここはなんかもう…煩い、四六時中煩いんだ
おれは悪くない、あたしは悪くないと叫びドラレイド帝国のお姫様が悪いと叫び続ける…やめてくれよその叫び…もしも外に聞かれたら国際問題が更にとんでもない事になりやしないかと不安になる
聖女様の不思議パワーなのか声が枯れることもないのが恐ろしい…ひたすらに煩い


一般市民な衛兵の゙俺に第二王子殿下と聖女様にお静かになんて言えるはずもなく、煩い空間をひたすらに監視している…頭が痛い
交代相手の奴もここに来るの嫌そうだもんな…わかるよ、その気持ち


扱いに困り、肩書を奪う事にも困り、とりあえず閉じ込めている第二王子殿下と聖女様は今後どうなるのか…俺には分からないがとりあえず別の現場にに異動したい、転職してぇな…



転職を願い、うるせぇと時々耳を塞ぎながら今日も監視を続ける、第二王子殿下と聖女様は何故こんなにも現実を受け入れられないのか意味が分からないが、時々こんなはずじゃ無かったと泣く声がするのを聞くに、何か計画でもあったのか？とも考えてしまう…ほんとお花畑脳はよくわからない



全く反省の色を見せない2人に対し、これからどんな処罰が検討されるのか…その日まで俺は衛兵をしているのか…それは神のみぞ知る




とか思ってたらドラレイド帝国から、このやばい二人を受取に直接使者くるなんて、ただの衛兵である俺には本気で想像出来ない事だった
まさかそれは、俺に対してもある事件の幕開けでもあることを知るよしも無い