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冷遇妻編
その頃祖国では
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Side リデンパパ
「父上、もう我慢なりません…あまりにも国が動く気配を感じない、レラージェ国が本気でリデンを捨て駒として今回の実態を有耶無耶にする気ということなのですか?!」
「落ち着きなさい、ロイド…その可能性が高いのは事実だが今大きく動くのが得策では無い事はお前も分かるだろう?」
ほぼ無関係…いや、自ら渦中に全身を突っ込みに行ってしまった為ちょっと無関係のリデンが獣人の国、ドラレイド帝国に嫁ぐ形で人質となってそろそろ1ヶ月が経つだろうか…
事の原因である第二王子と聖女は、王家で不祥事を起こした者が幽閉される北の塔に現在も幽閉されたままだ…幽閉するくらいならその二人をドラレイド帝国に責任はそれにあると贄として送り出せばいいと考えるが、そんな事をすれば即開戦になる事は確実
王家にせめて人質となったリデンをフォローする様に言っているが聞く耳を持たない…いや、持てないと言ったほうがいいか…
元々平和の象徴である女神を崇め、争いを好まず、聖女様による強固な結界があった為平和そのものだった我が国だが、数年前に前聖女様が儚くなられその後継が現れない事態が起きた
このままでは国の守りが危ういと、国を守るためにドラレイド帝国の姫と婚姻し軍による国の守りを固めるつもりだった筈なのに…
その婚姻相手である第二王子様が後から現れた聖女に骨抜きになり、とんでもない事態を起こした為、現在の状況に陥っている
ドラレイド帝国皇帝はあまりにも野性的に頭の切れる方だ、そして私の予測は正しかった…人質として嫁いだ者が獣と我々を罵るか、冷遇から逃げた時点で即開戦と皇帝より文が届いてしまい王家は引くに引けなくなってしまったのだ
今更、リデンは無関係、第二王子を人質等言ったら待ってるのは地獄だろう
あの第二王子が大人しく冷遇され、メニラ姫に心から謝罪する事など出来ないと皆分かっているからこその沈黙
動くに動けない、何が皇帝の地雷となるか…第二王子を贄としても解決しない恐怖がリデンを捨て駒として扱う雰囲気を生み出している
だが、私は…リデンが人質となり良かったとも考えている…嫁いだ先がフリード辺境伯殿だと言うことがそう思わせて来るのだろう
長男であるロイドに説明しても実際に会ってみない事にはあの辺境伯殿の素晴らしさはわからない
自宅の犬も猫も馬も野生のクマでさえも可愛いと言っていたリデンなら辺境伯殿となんやかんや冷遇を乗り越え楽しく過ごせるのでは無いかと想ってしまうのだ…
大きな声では言えない、リデンを幸せにしてくれ辺境伯と酒の席なら言えたかもしれない…しかし今は緊張が走る日々が続いている、何も言わず受け入れる事が開戦を回避する事に繋がる
わかってはいる、わかってはいるが私の可愛い息子が巻き込まれ冷遇されている事を許し切ることなど出来ない…
憂さ晴らしに陛下の執務を回りくどくし残業を増やしたり、第二王子と聖女が食す食材のランクを合法的に最低ランクにしたりと色々している
陛下は根が優しい方だ、私の息子を想う気持ちや行動に気付き申し訳ないと謝罪もされた…しかし現状動くのは死を意味すると結局リデンへの救済は見送られるのだ
手紙も通信魔法も禁止されリデンの現在を知ることは出来ない、しかしフリード辺境伯殿ならきっとリデンをある程度守って下さるだろう…そう願うしか無い
「父上…俺はリデンが人質としてつらい思いをしているのに…原因である第二王子達が幽閉程度で許されてるのが本当に嫌なのです…
第二王子が嫁げばいいのにと想ってしまいます…でもそれで開戦したらハミルトン公爵領まで戦地になる可能性がある…それがダメだともわかります
けど、リデンがあまりにも不憫で…」
「ロイド…お前は妻に似て優しい子だね…本当にいい子だ…その気持は痛いほど分かる、だが…もう少し私と共に様子を見よう…リデンが嫁いだ先はフリード辺境伯殿
彼は信用できる男だ…それは私が保証しよう」
息子のロイドは不安そうに頷くが、一応理解はしてくれたようだった
この国の今代の聖女が使い物にならない現在、国を守る結界はボロボロだ
リデンが人質としてあちらに居るうちはドラレイド帝国にレラージェ国が他国から侵略されないよう守られてるのもまた事実
それが例えレラージェ国を滅ぼすのは我々だという意思表示でも平穏が続いている事に変わりはない
我が家だけ亡命なら簡単だ、しかし領民もとなると簡単ではない…なんとか丸く収まる事を祈るしかない…
無事でいてくれリデン、何も助けてやれずすまない…とりあえずベビーベッドとベビー用品は最高級品を用意してある、フリード辺境伯殿と末永く幸せになる気がすると父の勘が叫ぶのだ
そちらの報告も丸く収まったら聞けることを、父は祖国から願うよ…
「父上、もう我慢なりません…あまりにも国が動く気配を感じない、レラージェ国が本気でリデンを捨て駒として今回の実態を有耶無耶にする気ということなのですか?!」
「落ち着きなさい、ロイド…その可能性が高いのは事実だが今大きく動くのが得策では無い事はお前も分かるだろう?」
ほぼ無関係…いや、自ら渦中に全身を突っ込みに行ってしまった為ちょっと無関係のリデンが獣人の国、ドラレイド帝国に嫁ぐ形で人質となってそろそろ1ヶ月が経つだろうか…
事の原因である第二王子と聖女は、王家で不祥事を起こした者が幽閉される北の塔に現在も幽閉されたままだ…幽閉するくらいならその二人をドラレイド帝国に責任はそれにあると贄として送り出せばいいと考えるが、そんな事をすれば即開戦になる事は確実
王家にせめて人質となったリデンをフォローする様に言っているが聞く耳を持たない…いや、持てないと言ったほうがいいか…
元々平和の象徴である女神を崇め、争いを好まず、聖女様による強固な結界があった為平和そのものだった我が国だが、数年前に前聖女様が儚くなられその後継が現れない事態が起きた
このままでは国の守りが危ういと、国を守るためにドラレイド帝国の姫と婚姻し軍による国の守りを固めるつもりだった筈なのに…
その婚姻相手である第二王子様が後から現れた聖女に骨抜きになり、とんでもない事態を起こした為、現在の状況に陥っている
ドラレイド帝国皇帝はあまりにも野性的に頭の切れる方だ、そして私の予測は正しかった…人質として嫁いだ者が獣と我々を罵るか、冷遇から逃げた時点で即開戦と皇帝より文が届いてしまい王家は引くに引けなくなってしまったのだ
今更、リデンは無関係、第二王子を人質等言ったら待ってるのは地獄だろう
あの第二王子が大人しく冷遇され、メニラ姫に心から謝罪する事など出来ないと皆分かっているからこその沈黙
動くに動けない、何が皇帝の地雷となるか…第二王子を贄としても解決しない恐怖がリデンを捨て駒として扱う雰囲気を生み出している
だが、私は…リデンが人質となり良かったとも考えている…嫁いだ先がフリード辺境伯殿だと言うことがそう思わせて来るのだろう
長男であるロイドに説明しても実際に会ってみない事にはあの辺境伯殿の素晴らしさはわからない
自宅の犬も猫も馬も野生のクマでさえも可愛いと言っていたリデンなら辺境伯殿となんやかんや冷遇を乗り越え楽しく過ごせるのでは無いかと想ってしまうのだ…
大きな声では言えない、リデンを幸せにしてくれ辺境伯と酒の席なら言えたかもしれない…しかし今は緊張が走る日々が続いている、何も言わず受け入れる事が開戦を回避する事に繋がる
わかってはいる、わかってはいるが私の可愛い息子が巻き込まれ冷遇されている事を許し切ることなど出来ない…
憂さ晴らしに陛下の執務を回りくどくし残業を増やしたり、第二王子と聖女が食す食材のランクを合法的に最低ランクにしたりと色々している
陛下は根が優しい方だ、私の息子を想う気持ちや行動に気付き申し訳ないと謝罪もされた…しかし現状動くのは死を意味すると結局リデンへの救済は見送られるのだ
手紙も通信魔法も禁止されリデンの現在を知ることは出来ない、しかしフリード辺境伯殿ならきっとリデンをある程度守って下さるだろう…そう願うしか無い
「父上…俺はリデンが人質としてつらい思いをしているのに…原因である第二王子達が幽閉程度で許されてるのが本当に嫌なのです…
第二王子が嫁げばいいのにと想ってしまいます…でもそれで開戦したらハミルトン公爵領まで戦地になる可能性がある…それがダメだともわかります
けど、リデンがあまりにも不憫で…」
「ロイド…お前は妻に似て優しい子だね…本当にいい子だ…その気持は痛いほど分かる、だが…もう少し私と共に様子を見よう…リデンが嫁いだ先はフリード辺境伯殿
彼は信用できる男だ…それは私が保証しよう」
息子のロイドは不安そうに頷くが、一応理解はしてくれたようだった
この国の今代の聖女が使い物にならない現在、国を守る結界はボロボロだ
リデンが人質としてあちらに居るうちはドラレイド帝国にレラージェ国が他国から侵略されないよう守られてるのもまた事実
それが例えレラージェ国を滅ぼすのは我々だという意思表示でも平穏が続いている事に変わりはない
我が家だけ亡命なら簡単だ、しかし領民もとなると簡単ではない…なんとか丸く収まる事を祈るしかない…
無事でいてくれリデン、何も助けてやれずすまない…とりあえずベビーベッドとベビー用品は最高級品を用意してある、フリード辺境伯殿と末永く幸せになる気がすると父の勘が叫ぶのだ
そちらの報告も丸く収まったら聞けることを、父は祖国から願うよ…
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