離縁しようぜ旦那様

たなぱ

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冷遇妻編

動物の家

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「リデン様!おいら今日は芋が食べたいです!」

「くーん!くーん!」

「おっけー!今日は芋パーティーしようか!」



何がどうしてこうなったか分からない、が!しかし
おれの冷遇生活は冷遇?生活へと斜め上に待遇が改善してしまったのだ!
全体的な冷遇はそのままだが、しかし!現在、ショタ美鼠であるチュウ太くんと、なんともふもふでっかい狼さんまで一緒ルームシェアする素晴らしい別邸生活を送っている
もふもふを常に側で感じられる夢のような生活が今此処にある…!


あの日、カリカリの芋を揚げていた日、おっさんみたいな声が狼から恐らく聞こえた日、ショタが狼に食われそうになったり?おれが網じゃくし投げたり色々した日…そうあの日だ
今にも食われそうなショタを前に何故か狼に懐かれて、そのまま大きな狼のお腹でもふもふすやすやと良い眠りに着いたおれには…あの後何が起きたかわからない


磯野司は生前から一度寝ると起きない性格を現在も引き継いでいるから!
たっぷりと睡眠を取り、目が覚めるとが2匹は仲良しになっていた

ほんと何が起きたらチュウ太くんと野生のでっかい狼さんは仲良くなったのか…そして別邸に普通に住み着く事になったのか、更に可愛さを前面に披露してくれるのか…その理由がわからない
わからないが、今が幸せならそれでいいだろう


新たな家族?でっかい狼さんは、とんでもなく頭がいい狼さんだ
おれの言葉を確実に理解している…くぅんとくーんで会話をしてくる、本気で言葉理解している
今日のお野菜どっちがいい?とか、外の扉閉めてきてとかの質問や動作にもしっかり反応があるのだ

そして好き嫌いも無く、なんでも完食してくれるし、物を壊したり粗相したりも無く、抜け毛すらもほぼ無い…寝る時はおれをもふもふでしっかりと包み込み癒してもくれる…………え、この国の狼さん凄すぎる…!


日中は狩りに行くのが仕事なのか?朝から夕方まで…具体的に言うと出勤から退勤くらいのサラリーマンみたいな時間帯何処かに行く
そして夕方になると食べれる魔獣を捕らえて帰ってくる…え、いい子過ぎない?
ここ数日で魔獣の血抜きから自分で肉を捌くまで覚えてしまったぜ
さらにそれで分かったことは、おれが今まで食べていた肉は魔獣だった事実である
食物連鎖が本気で獣人の国で起こって無くてよかった…


ついでに、うさ耳メイドさんにも変化が見られたのが嬉しい
3人?でルームシェアし始めてある日のこと、おれがでっかい狼さん可愛いね♡大好き♡もふもふしてる現場を見て涙を流し、その日の夕食からなんと、しなびてない美しいフルーツが出されるようになったのだ
これは…狼さん効果である事は明白だろう
もしかしたらこの狼さんは辺境伯家の守り神的な存在なのかもしれない…狼様崇拝家庭なのかもしれない?


可愛いショタと可愛い狼さん、そして楽しい畑………家庭菜………お花を愛でる生活に変化し、毎食楽しい冷遇食事も続くので正直に言うと冷遇妻生活が充実しすぎて楽しくなってきた

一番懸念しているのが妻として何役に立ってない事と真の婦人(男)がおられる事だろう
本当に離縁してくれないかな…おれ、妻の意味が無いとただの穀潰しになってしまうんだよ?
そのことがとてもしんどいんだぜ?旦那様!


フリード様が治める辺境伯領土はとても平和な所だとロバネルさんから教えて貰ったし…いいなーここほんとに好き…住むならこんなところがいい
妻じゃなくて、使用人としてこの別邸の゙管理とか求人ないかな?、なくても農家として農民でもいい!この裏庭と言うなの森に住みたいくらい楽しいのは事実だから


人質としてこの国にいる事を望まれてるならそれを受け入れる事は全然苦じゃない
奥様って呼ばれて奥様らしい事なんもしてない書類上の役立たずなのがしんどいんだ
なにより野郎が奥様って呼ばれるの慣れません!!!



そんな事を思いながら…次はいつ旦那様に会えるのか、禁句を使わずにおれと離縁し使用人として雇ってくださいを伝えるか考えるのが日課になっている
………もふもふの合間に


「うおおおーー毛並みが好き~♡狼さんそろそろ寝よっか?明日も早起きだしおいで~」


そう、おれが狼さんを撫でながらベッドに誘うとすり寄って甘えてくるほんとに可愛い狼さん…!
ショタなチュウ太くんも一緒に寝る?とか言ったらぐるるると怒ってしまったので、きっとナワバリ的なのがあるのだろう
チュウ太くんは空き部屋を使って寝てる、寂しいとか言わない偉いショタだなほんと

狼さんのがベッドに横になって、それにおれがしがみつく感じで寝るのが最近のトレンドだ
もふもふに包まれ温かく、そして圧倒的な癒し効果を感じられる…何故か狼さんの心音聞いてるとほんと安心できる不思議効果も付いていて大変お得である


「おやすみ、狼さん……今日も一緒に寝てくれてありがとう………な………………」





直ぐに寝れるおれは知らない…狼さんがおれが寝た後必死に何かを耐えていることに…







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