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冷遇妻編
うさ耳はしんどい
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Side うさ耳メイド
私は獣人の国、ドラレイド帝国でアデルバイト辺境伯に仕えるメイド…兎の獣人です
数年前よりメイド長を任せられております
私が仕える現アデルバイト辺境伯、当主フリード様は狼の獣人であり素晴らしい殿方なのですが、戦場での活躍が悪い方向へ噂を呼び、鮮血の人狼閣下などと呼ばれている現状がございました
そのせいかフリード様は婚姻適齢にも関わらず、令嬢、令息からも逃げられ、遠巻きにされてる始末…更には現在アデルバイト辺境伯家にはとんでもないものが生息している為に、婚約すら夢のまた夢…生涯独身かもしれないと、養子を取ることも考えておられたようでした
「生涯独身かもしれない、あれの事もある…今後、俺は養子を取ることも考えている…」
そう執事長とメイド長の私に零す悲しみに溢れた様子が見られ、あまりにもフリード様が不憫でつられて涙が溢れそうになったのを覚えています
しかし…そんな中で事件が起きたのです
なんと、皇帝からの命で旦那様が妻を娶られたのです!!!
私を含め執事長や古くからこの屋敷に仕えている者は皆喜びました
お相手は誰かと料理長がお聞きすると
隣国、レラージェ国のハミルトン公爵とご子息だと…!
ハミルトン公爵と言えばフリード様と何度か対面したこともあるお方、互いに国を守る立場であり話も弾んでいたと聞いている人物
そのご子息が妻としてこの屋敷にくる、それはとんでもないものが生息している混沌とした現状において素晴らしい知らせでした
しかし、フリード様はせっかくの婚姻…なのに、ため息をつかれ悲しい顔をされていた…
その理由を直ぐに我々も知ることとなり余りにもショックな内容に涙を浮かべるメイドもおりました
ただのおめでたい婚姻では無く、フリード様と婚姻され妻として来られる方は…レラージェ国への制裁を兼ねた人質でした
我が国の姫、メニラ様が婚約者であった第二王子より断罪されたその罰として嫁いでくる哀れな存在だったのです
フリード様はこれは任務だと伝えてきました…我々メイドも執事も、これからくる花嫁と親しい会話等してはいけない、確実な冷遇で対応するのが仕事だとだと
執拗に繰り返される冷遇に、花嫁が耐えきれず…離縁を求めたり、獣人である我々を獣と罵った時点で死が待ち受けているとフリード様は話されました
冷遇される花嫁…それが妻となるリデン.ハミルトン様だったのです
更に、初の顔合わせを終えた時…とんでもない事実が判明しました…それは、リデン様はフリード様の番であるというとんでもない事実
なんという奇跡、なんという悲劇なのでしょう…あまりにも残酷で本当にフリード様が不憫でなりません…
本来魂で惹かれ合う番と出会う事は奇跡とも言える祝福される事なのに…皇帝は現在メニラ様が受けた侮辱で頭に血が上っており、任務には逆らえないのだと…
愛おしい番が、リデン様が妻として来るのに愛する事も抱きしめることすら許されない…確実に冷遇しなければいけない任務
更には、とんでもないモノが本宅にいるせいで、本宅にリデン様を置けない事実
急遽別室を清掃し迎える準備をした事を今でも鮮明に覚えています
そうこうしている間にその日が来てしまいしました
実際に嫁いでこられたリデン様を見て私達は嬉しさと悲しさに包まれたのは言うまでも無いでしょう
人にはわからないでしょうが魔力にはオーラというものがあります…その人の性格と言っていい色を感じるのです
リデン様のオーラはとても優しく、美しいものでした…フリード様の番としてお相手として申し分ない素晴らしい方…
そのお顔や雰囲気からも分かる冷遇を受ける必要など無いほど良い方だと一目でわかってしまったのですから
盛大に見えて実はレラージェ国から来た人質の花嫁を頭に血が上った重鎮に見せびらかすための挙式、披露宴を終えて…せめてものメイドが一丸となって美しく肌を磨き初夜の準備を行いました…
しかし、フリード様は初夜すら許されていなかった…愛される事もなく、迎えるはずの初夜すらも行われない哀れな花嫁
皆、リデン様を見て…番の愛おしさと任務の狭間で苦しむフリード様を見て…皆、このまま皇帝の命で冷遇など出来ないと辞退するのも無理はありませんでした
ですからメイド長として私が立候補し、別邸に隔離されるリデン様の専属となったのは自然な流れだったのでしょう
必要以上の接触を控えるために、耳を澄ませながらベルがなり対応するまで本宅で過ごす事がこれからの仕事
翌朝、ベルが鳴るまで色々な事を考えてしまいました
その後待ち受けていたのは、実際に直接お会いしてリデン様の声を聞いた瞬間です…
感じたのはどうしようもない罪悪感
本当なら美しく美味しい食事を届けたい、ふわふわのリネンを届けたい…そんな気持ちを抑え、人生初の舌打ちなどはしたない事にも手を出しました
リデン様はオーラの雰囲気は勿論…我々獣人に比べるとかなりか弱く、可愛く見えるのです…
何故こんな可愛らしい存在をわざわざ冷遇しなければいけないのでしょう…!
意味がわかりません、歴代脳筋カリスマだと言われる皇帝にふざるんじゃありませんと、異議申立てをしたいくらい苦痛でなりません…
しかし、そんな事をしては私が喉元を食いちぎられ、リデン様付きを降ろされてしまう
涙を飲んで私はリデン様に冷遇対応を行うのです…
しかし、リデン様はさすがレラージェ国で国防を担うハミルトン公爵家のご子息…想像以上にお強い方でした
なんと魔法を駆使したり自身で料理などできるのです…!こっそりと覗いていた事をリデン様は知らないでしょう…涙を堪えながら必死に汚したお風呂まで自ら掃除する姿に感動を覚えた私を知らないでしょう
冷たい待遇なら全て冷遇になると思考を凝らしなんとか自力で快適に過ごしていただける様、リデン様付きのメイドとして私は頑張ると誓いました
フリード様と想いを通わされたらきっと素敵だと心から願うのです…
私は獣人の国、ドラレイド帝国でアデルバイト辺境伯に仕えるメイド…兎の獣人です
数年前よりメイド長を任せられております
私が仕える現アデルバイト辺境伯、当主フリード様は狼の獣人であり素晴らしい殿方なのですが、戦場での活躍が悪い方向へ噂を呼び、鮮血の人狼閣下などと呼ばれている現状がございました
そのせいかフリード様は婚姻適齢にも関わらず、令嬢、令息からも逃げられ、遠巻きにされてる始末…更には現在アデルバイト辺境伯家にはとんでもないものが生息している為に、婚約すら夢のまた夢…生涯独身かもしれないと、養子を取ることも考えておられたようでした
「生涯独身かもしれない、あれの事もある…今後、俺は養子を取ることも考えている…」
そう執事長とメイド長の私に零す悲しみに溢れた様子が見られ、あまりにもフリード様が不憫でつられて涙が溢れそうになったのを覚えています
しかし…そんな中で事件が起きたのです
なんと、皇帝からの命で旦那様が妻を娶られたのです!!!
私を含め執事長や古くからこの屋敷に仕えている者は皆喜びました
お相手は誰かと料理長がお聞きすると
隣国、レラージェ国のハミルトン公爵とご子息だと…!
ハミルトン公爵と言えばフリード様と何度か対面したこともあるお方、互いに国を守る立場であり話も弾んでいたと聞いている人物
そのご子息が妻としてこの屋敷にくる、それはとんでもないものが生息している混沌とした現状において素晴らしい知らせでした
しかし、フリード様はせっかくの婚姻…なのに、ため息をつかれ悲しい顔をされていた…
その理由を直ぐに我々も知ることとなり余りにもショックな内容に涙を浮かべるメイドもおりました
ただのおめでたい婚姻では無く、フリード様と婚姻され妻として来られる方は…レラージェ国への制裁を兼ねた人質でした
我が国の姫、メニラ様が婚約者であった第二王子より断罪されたその罰として嫁いでくる哀れな存在だったのです
フリード様はこれは任務だと伝えてきました…我々メイドも執事も、これからくる花嫁と親しい会話等してはいけない、確実な冷遇で対応するのが仕事だとだと
執拗に繰り返される冷遇に、花嫁が耐えきれず…離縁を求めたり、獣人である我々を獣と罵った時点で死が待ち受けているとフリード様は話されました
冷遇される花嫁…それが妻となるリデン.ハミルトン様だったのです
更に、初の顔合わせを終えた時…とんでもない事実が判明しました…それは、リデン様はフリード様の番であるというとんでもない事実
なんという奇跡、なんという悲劇なのでしょう…あまりにも残酷で本当にフリード様が不憫でなりません…
本来魂で惹かれ合う番と出会う事は奇跡とも言える祝福される事なのに…皇帝は現在メニラ様が受けた侮辱で頭に血が上っており、任務には逆らえないのだと…
愛おしい番が、リデン様が妻として来るのに愛する事も抱きしめることすら許されない…確実に冷遇しなければいけない任務
更には、とんでもないモノが本宅にいるせいで、本宅にリデン様を置けない事実
急遽別室を清掃し迎える準備をした事を今でも鮮明に覚えています
そうこうしている間にその日が来てしまいしました
実際に嫁いでこられたリデン様を見て私達は嬉しさと悲しさに包まれたのは言うまでも無いでしょう
人にはわからないでしょうが魔力にはオーラというものがあります…その人の性格と言っていい色を感じるのです
リデン様のオーラはとても優しく、美しいものでした…フリード様の番としてお相手として申し分ない素晴らしい方…
そのお顔や雰囲気からも分かる冷遇を受ける必要など無いほど良い方だと一目でわかってしまったのですから
盛大に見えて実はレラージェ国から来た人質の花嫁を頭に血が上った重鎮に見せびらかすための挙式、披露宴を終えて…せめてものメイドが一丸となって美しく肌を磨き初夜の準備を行いました…
しかし、フリード様は初夜すら許されていなかった…愛される事もなく、迎えるはずの初夜すらも行われない哀れな花嫁
皆、リデン様を見て…番の愛おしさと任務の狭間で苦しむフリード様を見て…皆、このまま皇帝の命で冷遇など出来ないと辞退するのも無理はありませんでした
ですからメイド長として私が立候補し、別邸に隔離されるリデン様の専属となったのは自然な流れだったのでしょう
必要以上の接触を控えるために、耳を澄ませながらベルがなり対応するまで本宅で過ごす事がこれからの仕事
翌朝、ベルが鳴るまで色々な事を考えてしまいました
その後待ち受けていたのは、実際に直接お会いしてリデン様の声を聞いた瞬間です…
感じたのはどうしようもない罪悪感
本当なら美しく美味しい食事を届けたい、ふわふわのリネンを届けたい…そんな気持ちを抑え、人生初の舌打ちなどはしたない事にも手を出しました
リデン様はオーラの雰囲気は勿論…我々獣人に比べるとかなりか弱く、可愛く見えるのです…
何故こんな可愛らしい存在をわざわざ冷遇しなければいけないのでしょう…!
意味がわかりません、歴代脳筋カリスマだと言われる皇帝にふざるんじゃありませんと、異議申立てをしたいくらい苦痛でなりません…
しかし、そんな事をしては私が喉元を食いちぎられ、リデン様付きを降ろされてしまう
涙を飲んで私はリデン様に冷遇対応を行うのです…
しかし、リデン様はさすがレラージェ国で国防を担うハミルトン公爵家のご子息…想像以上にお強い方でした
なんと魔法を駆使したり自身で料理などできるのです…!こっそりと覗いていた事をリデン様は知らないでしょう…涙を堪えながら必死に汚したお風呂まで自ら掃除する姿に感動を覚えた私を知らないでしょう
冷たい待遇なら全て冷遇になると思考を凝らしなんとか自力で快適に過ごしていただける様、リデン様付きのメイドとして私は頑張ると誓いました
フリード様と想いを通わされたらきっと素敵だと心から願うのです…
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