上 下
13 / 38
平凡が異世界で獣と出会う話

平凡は獣と伝え合う

しおりを挟む





「ユウマ様、目が覚めたと聞きまして!ご無事でよかった…!」
「目が覚めて、本当によかった…!」

「心配かけてごめんっ、でも、おれもグレスも無事だから…身体ちょっと貧弱になりすぎて立てないけど…!みんなも無事でよがっだぁ…ぅ゙うう…」



夜に離宮の使用人の皆と再会した
皆泣いて無事だったことを喜んでくれた
おれも泣いて喜んだ…訳ありの彼らもおれも、グレスが居なくなったら駄目な仲間だな、なんて思いながら


あの日、近衛騎士の人におれが殴られて連れて行かれた後、彼らはおれを追って、王宮に行くかまで悩んだらしい
でもグレスがもっと先のことまで考えているかもしれない、自分達の主を信じよう、自ら契約を犯してグレスとおれに仕えられない事態にならないようにって

震えながら待つのも辛かったはずだ…
皆で一生グレスの世話になろうぜ!って言ったら笑ってくれた
1ヶ月寝てた身体が動かないって言ったらこの国に車椅子的な何かがあるとこもわかった
的な何かとはいったいどんな物なんだ…?
おれが寝ていた時の話を聞いたり、笑ったり…
穏やかな時間が好きだ

離宮の中庭にこの先のおすすめ野菜何を蒔こうか…そんな話をした時だ…









「俺はこの離宮を出ていく」







感動の再会とこれからもペットと使用人の関係は続く!みたいなほっこり現場にグレスさんがなんか投下してきた


急に何言い出すんだグレス?
この離宮を…?
「ここ、出てく…?え?なんで…?
ちょっと…………あの…まってなグレス、出ていくってなんだよ…?」


「前から考えてはいたが、……今回の事で決心がついた俺は第一王子の肩書を捨ててここから出ていく」


………………は?
グレスの、言ったことを頭の中で繰り返す……だめだ、わからない、意味がわからない
何いってんだよ…第一王子捨てる?そんでここから出てく?おまえ出てったらおれ達どうなるかわかってんの?
一緒にいようって言ってたのは嘘かよ…?責任持って飼うとか言ってたのも、訳アリのこいつら捨てんの?グレス、おまえそんな最低な奴だったのか…?

駄目だ…グレスに捨てられるって現実が受け入れられない、視界が滲む、目頭が熱い…
最近泣いてばっかな気がする、気持ちが定まらない…揺さぶるほうが悪い
執事やメイドさんの顔見てみろよ!視界が歪んでて見えないけど酷い顔してる絶対!


「なんで、なんでだよ…相談してくれたって……おれはお前の何なんだよ…?
あ、…………違う、そうだよな…おれ…グレスのペットじゃん、ペットに相談なんてしないよな…要らなくなったら保健所行きも当然だもんな…」


「ほけ…ん?それはどういう…おい、ユウマ、どうした?何処か辛いのか…?大丈夫か?」



グレスが抱き寄せてくる、あやすように撫でないでくれ…イラナイペットに優しくしないで欲しい…
ふざけんなよ、触るな、おれを捨てるな、捨てられたくない!!なんで捨てられる辛い思いしなきゃいけないんだよ!!!
頭の中ぐるぐる嫌なことばっか考える、ペット失格じゃん?忠誠心あるなら素直に受け入れろよ…


……………違う、ペットじゃない、おれは人間だ、捨てられるくらいなら捨てる方の立場だ
犬なのはグレスだろ?犬じゃんお前の方がさ…そうだ、おれは人間じゃないか…



「離せ…グレス………触んな…」

いやな方へ考えが浮かぶ、心まで疲れてるんだよおれは…
身体、そんなに動かないんだよ、グレスを突き飛ばしたいが無理だ、声だけでも抵抗する、動揺するグレスの声、なんでお前が動揺すんの?意味わかんねぇ

「ユウマ…?どうしたんだ?」


これ以上泣かないように、おれをグレスが捨てるって言葉を言う前におれがこの場所を捨てたい
腕もあんま動かないけど足…歩けんのかな?這って行けば出ていけるだろうか…


「おれ………もう駄目だ、グレスと居たくない、……ここ出てくから、今までありがとうな…世話になった」


ちゃんと言えた、後はこの離宮から出ていけば、這って床にとりあえず降りないと……
けど、それは叶わなかった、グレスがおれのこと抱きしめたまま離してくれない
なんでだよ…おれのこと捨ててどっか行くんだろ?
腰に回された腕が強くなる、絶対逃さないと計りに…

「はっ…?俺と居たくないってどういう事だ?」


グレスの舌打ちと背筋が凍る冷たい声
なんでお前が怒ってんの???おれのこと捨てる奴が何言って……

「んぐっ!?!?」

反論する前に口にグレスの指が入ってきた、舌を掴まれ引っ張られる、なんで???




「俺の側から居なくなるなって約束したよな?忘れたのか…?俺無しじゃ生きていけないこと思いせてやる………」





まるで魔獣みたいな顔で舌舐めずりするグレスはおれが見たこともないくらい怒ってる…何故…

















「ひっ!!ひぃーーっ♡♡イ゙った!ちんこイ゙ッてる♡♡びゅーびゅーでない、もう空っぽなのにイ゙っ♡
♡ぁっ!ぁっ!ちんこやだ!やだやだ、扱かなぃ゙ーーーー♡♡!?!?イ゙ゃあぁあああーーー♡♡♡イ゙グのやだぁ♡♡♡ちんこ♡♡無理、むりぃ♡♡ん゙ぁ゙ーーーーーー♡♡♡♡」

ぷしっ…………
ぬちゃ…ちゅこちゅこ♡くちゅくちゅくちゅ♡
ぐっちゅぐっちゅ♡ぐっちゅぐっちゅ♡

「お仕置きしてんだよ、腰逃げんな
今、誰にペニス扱かれてイってる?ユウマを気持ちよくしてんのは誰だ?」


なんで、なんでこんなことになんの?
グレスが怒ってんのわかんない、おれと居たくないのはお前もなんだろ?
人払いされてお仕置きだってグレスに後ろから抱っこされたまま…何度もイかされてる
ベットぐちゃぐちゃの水浸しになるくらい何度も何度も…気持ちいいより辛い、辛いよ…
まって、まだすんの?嘘だろ…??

グチュグチュ♡ちんこ扱かないでやめてくれ
壊れるちんこ壊れる、無理無理…!
「グレスっ、グレスがしてるっ!ぃ゙ぐのやだぁー!気持ちよくないっ♡♡♡ん゙ぁっ♡あっ♡やだやだ、やだやだ♡あっ、あっ、ァ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ーーーイ゙ぐーーーーーー♡♡♡♡♡♡」

ぷしゃっぷしゃっ♡
「気持ちよくないならコレ、なんだろうな?
先っぽから気持ちよさそうに出てるコレ、床もびっちゃびちゃにして悪い子だなぁユウマ…
嘘つきだな…?」


ぐりぐりちんこの先、ちんこ穴指で擦らないで欲しい無理無理、気持ちいいの辛い、無理
なんでこんなことになってんの?ほんとお仕置きって何?


ぐりぐりっ、にゅるにゅる♡こしゅこしゅ♡
「ァ゙っ♡ァ゙ァ゙♡ちんこっ♡おれのちんこバカになっちゃう♡おれのちんこ先っぽいじめないでぇーー♡♡先っぽやだ、ん゙んっーー♡♡ひぃ♡やだぁ…ァ゙っ………………まっで!?まっでぇ!?ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ぐる、なんがぐるっ…!?♡♡♡おしっこ出る♡♡おしっこやだぁ、ぃやあァ゙ァ゙ァ゙ーーーーー♡♡♡♡」



ブシャーーーー…………♡♡♡
なんか出ちゃった…おもらししちゃったじゃん?なんでおれのこと捨てるやつに、こんなことされてんだよ…ほっといてくれよ…
おしっこしたばっかで敏感なちんこ触らないで…いじめないでぇ…
おれのことそんな嫌いなの?いじめるくらい嫌いかのかよ…



「ン゙ひぃーーー♡いま、いまやだぁ♡♡イ゙っだの、おしっこしたの♡♡触っちゃやだぁ♡♡♡ァ゙ーーー♡♡ひんっ♡ひんっ♡ゆうして…グレスたすけでぇー♡おれのこと嫌いなのわかっだからぁーー♡いじめないでぇ♡♡♡」


「は?誰が嫌いって言ったんだよ…?こんなにもユウマが愛おしくてたまらないのに?
守るために王子の肩書で得られる生活捨てるくらい大事な存在をなんで嫌いになるんだ?」



大事な存在…???


グレスの手の動きがゆっくりになる、ちゃんと呼吸できるくらいに
「ひんっ♡………ぇ?どういうこと…?おれを離宮ごと置いてくんじゃ?」


守るために王子捨てるってどういうこと?大事な存在っておれ?言葉たりねぇよわかんねぇよ、………おれを捨てるんじゃないのか…?


「ユウマが目覚めた時言ったよな?俺の側から居なくなるなって、なんでそれで置いていかれる事になるんだ……まさか、変な思い込みしてんのか?」


「え、だって…グレスが言ったんだよ…第一王子の肩書捨てて離宮から出てくって…一人で…
そしたらおれもみんなも置き去りじゃねーの?捨ててくんだろ…?ひっ!!!!??♡」


グレスさん…???なんでおれのちんこ、ぎゅって握りしめんの?イラッとした顔で握んないで?人質?人質ちんこなのか!?!


「誰が一人で出てくと言ったんだ…そんな酷い思い込みすんなよ…ユウマがどれだけ俺にとって大切な存在かわかってないなんてな…俺を悲しませたお仕置き終わったら、ちゃんと噛み砕いて説明してやるよ…な?ユウマ」


人質ちんこがゆるゆる扱かれる…
もう既に限界までイかされてるんですけど!?
おれの勘違いでグレスをそんな悲しませたのか…?おれも十分悲しかったけど、それはただの勘違いで一人で悲しんでただけで…グレスの方が悲しい…?

駄目だ…おれ、グレスの事になると冷静でいられねーんだ…グレスを悲しい気持にさせた自分が許せないわ…


腰を前に突き出してグレスに、おれの弱いところ差し出す


「グレスのこと…悲しませてごめんなさい…おれのここ、お仕置きして…?」





こんな事、隷属されてないのに言えるくらい、おれは身も心もグレス無しじゃ生きれないんだなって…
グレスが満足するまで、泣きじゃくりながらお仕置きされました…

痛いことはしないとおれに誓ってるグレスのお仕置きは気持ち良すぎて死にそうなやつだった…
ちんこは3日くらい死んだ気がする









…………………

…………



「うー…、やば…お仕置きやば…ちんこ死んだ…」

「ぐちゃぐちゃになるって啼いてるユウマ可愛かったな、いっぱいに啼いて喉乾いてるだろ?果実水飲むか?」

「うるせぇ!!!………飲む」

当然のように口移しで果実水飲ませてくるグレス…優しい…畜生男前だなほんと!!!
おれは、お仕置きの鬼畜が嘘のように膝に抱っこされて甘やかされている
ちょっと気絶してる間にベットも床も身体もキレイになってるのすごい…
そして、落ち着いてからちゃんと、今回のこと噛み砕いて教えてくれた


「今回の騒動とこれまでの功績で爵位を報酬に貰った???」

グレスの噛み砕いた話はおれの騒動を超えていた
「そうだ、第一王子としてこれまで魔獣討伐していたが別に報酬を貰っているわけでもない、此処に居るためにやっていた事だが、本来魔獣討伐はかなりの報奨があってこその危険なものだ
それを今回、まとめて貰うことにした
神子様の暴走を最終的に止めたこと、貴族への上手い理由の根回しもしてやったのは俺と近衛騎士だ
この離宮にいたらまたユウマを巻き込む可能性も、魔獣討伐で俺がここを離れなければいけない可能性もずっと付き纏う、これまでこの国の為に働いてきたんだ、そんな俺に報奨の一つも寄越さない訳にはいかないだろ?

だから、国王陛下からもぎ取ってやった自由と爵位をな?」


とても悪役みたいに笑うグレスも男前だった


グレスが今回とこれまでの報奨に貰った爵位と領土は跡継ぎがおらず、魔獣の出現に管理しきれなくなって国へ返還されていた辺境伯だった
今後、十年は土地を魔獣被害から回復することに尽力するため税もなし
辺境伯領土にグレスとおれ、使用人のみんなをまとめて連れて行く、そして神子様が浄化できるようになったから、国の命で魔獣討伐はもうしないと言い切ったそうだ

ただ、元々隣国との国境も近く、瘴気の発生や魔獣被害が元から多いところなのでそこは辺境伯としてちゃんと仕事しますよって、そういうことらしい



「ユウマの体力が戻ったら引っ越ししような」



爽やかな笑顔…やっぱ男前か…かっこいいな







グレスもおれが居ないと生きていけない、おれも グレス無しでは生きていけない…
互いに飼い主とペット以上の感情があるかもしれない…のかな…

おれは、グレスが好きだ
この好きがグレスの考える好きと同じだったら
そう思うけど、伝えるのはまだ怖いんだ






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!? メイド、王子って、俺も王子!? おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?! 涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。 1日の話しが長い物語です。 誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる

風見鶏ーKazamidoriー
BL
 秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。  ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。 ※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 本編完結しました! 時々おまけのお話を更新しています。

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

処理中です...