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平凡は(まだ)生きている
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朗報、おれは生きていた!
煌びやかな大聖堂で神官と王子様におれが見えていないのかと心配したが、その後不法侵入者として兵士に拘束され運ばれている
見えていないのではなく無視されていたんだろう
縛られたまま薄暗い地下へとどんどん進む、どこまで行くんだろう…床に時々血のような跡がみえる怖い
暫く兵士が歩き続けると鉄錆と生臭い嫌な匂いのする場所に来た…
「ここで大人しくしていろ」
と牢屋と思われるむき出しの床へ縛られたまま投げ捨てられる、全身に衝撃と痛みが走り自分は生きてると実感した
扱いが酷すぎる…責任者呼んでこいよ!
後ろで手を縛られているため中々起き上がれず芋虫のようにもぞもぞする、むき出しの床はキレイでは無くて、綺麗好きのおれには辛い…
なんとか座ることに成功し辺りを観察すると、毛布が木の板の上に一枚、トイレと思わしき穴が床に1個、水の入った入れ物には虫とゴミが浮いている…
確実に飲水ではない
ゾッと全身に鳥肌が立つ
こんな所にずっといたくない!!!
しかし現実は残酷だ
数時間牢屋に放置され誰も来ないまま干からびるのかと恐怖を感じた時、おれを無視していた神官と王子様、王子様にお姫様抱っこされたままの楓原が入ってきた
「カナデ、彼が私の神子様を害していだ賊なんだね…?」
王子様がおれを見ながら楓原に問いかけている
「そうです、私すごく怖くて…嫌だって言ったのに…わたし、わたし…ううっ…」
何が嫌だったのか詳しく教えて欲しい、楓原はおれを見るとこれ見よがしに嘘泣きを始める
「神子様の召喚にこんな異物が紛れ込むなど…なんて穢らわしい…」
巻き込まれたことは穢らわしいことなんですか…?用がないなら元の世界に返してくれよ…
「あの、ちょ…「口を開くな!!」」
せめて反論しようとするが
言い訳もなにもさせてくれないらしい…
家に返してくれよ…せめて説明させてよ…
暫く時間が流れる
泣き真似楓原が王子様に甘え、満更でもない王子様はデレデレする、神官はなんか悩ましい顔をしていて3人でおれについて相談をしているようだった
納得のいく考えが浮かんだのか神官が王子様に伝える
「殿下、やはり慎重に行きましょう、今回の召喚は殿下の一存、国王様知りません
神子様の神聖な召喚に紛れた異物がどんな存在なのか想像もできない中で処刑すればどんな呪詛を撒き散らすかわかりません…
問題が大きくなることは避けるべきだと、賊の存在を広げない為にもこの牢屋で餓死後、捨てるのが得策と考えます
水も与えなければ数日で処分可能です」
なにを仰っているのでしょうか…!!
ちょっと国王陛下さん?お宅の息子さん独断でとんでもないことしてますよ!!
王子様が「よき案だ」と神官の案に賛同する、楓原は泣き真似してるが口が笑っている…
本気で言ってんの?賊だって勝手に決めつけて餓死させられるのか…?楓原はおれを殺したいくらい憎んでるのか?
何も話すことも許されないまま3人は出ていってしまった
手を後ろで縛られているおれにはこの牢屋から自力で脱出することは到底不可能…
どうすんだよ…餓死って辛いのだろうが…そんなことが脳裏を過った
………
本当に餓死させる計画なのかその後誰一人、この牢屋に入ってこない
喉は渇いたが空腹はまだ大丈夫、王子様の勝手な行動に誰か気づいてここを見に来てくれたら助かる可能性もあるかもしれない…
助かったところで楓原が何を言い出すかに運命がかかっているのはなんなんだ…
新人社員に対して普通に優しく丁寧に教えてたのに何でこんなにも恨まれないといけないんだよ…
…………
どれくらいの時間が経っているんだ…?この牢屋光も入らないから朝なのか夜なのかわからない…いや異世界に朝も夜もあるか…?
座っているか寝ているだけなのに疲れが抜けない、何も食べていないからそれも原因だな…
石がむき出しの床に寝ることも座ることも身体にかなりの負担になる、痛いな…
………………
何時間、何日経ったのか…知らないが餓死じゃない、餓死より前に脱水症状で死ぬ…
喉の渇きなんてもう忘れてた、身体がだるいのも脱水症状だ…呼吸が辛い、苦しい、縛られた腕も感覚が無くなっていて怖い…
やばい、眠い…こういう時に眠くなるのはまずいんじゃなかったか…?
なんでだよ…なんでこんな目にあってるんだよ…
平凡で平和なおれの人生返せよ…
汚れた石の床に倒れ込む
鳥肌が立つほどいやな筈なのにもう起きる気力がない…
帰りたい、そう思いながら閉じる瞼に抗えなかった
煌びやかな大聖堂で神官と王子様におれが見えていないのかと心配したが、その後不法侵入者として兵士に拘束され運ばれている
見えていないのではなく無視されていたんだろう
縛られたまま薄暗い地下へとどんどん進む、どこまで行くんだろう…床に時々血のような跡がみえる怖い
暫く兵士が歩き続けると鉄錆と生臭い嫌な匂いのする場所に来た…
「ここで大人しくしていろ」
と牢屋と思われるむき出しの床へ縛られたまま投げ捨てられる、全身に衝撃と痛みが走り自分は生きてると実感した
扱いが酷すぎる…責任者呼んでこいよ!
後ろで手を縛られているため中々起き上がれず芋虫のようにもぞもぞする、むき出しの床はキレイでは無くて、綺麗好きのおれには辛い…
なんとか座ることに成功し辺りを観察すると、毛布が木の板の上に一枚、トイレと思わしき穴が床に1個、水の入った入れ物には虫とゴミが浮いている…
確実に飲水ではない
ゾッと全身に鳥肌が立つ
こんな所にずっといたくない!!!
しかし現実は残酷だ
数時間牢屋に放置され誰も来ないまま干からびるのかと恐怖を感じた時、おれを無視していた神官と王子様、王子様にお姫様抱っこされたままの楓原が入ってきた
「カナデ、彼が私の神子様を害していだ賊なんだね…?」
王子様がおれを見ながら楓原に問いかけている
「そうです、私すごく怖くて…嫌だって言ったのに…わたし、わたし…ううっ…」
何が嫌だったのか詳しく教えて欲しい、楓原はおれを見るとこれ見よがしに嘘泣きを始める
「神子様の召喚にこんな異物が紛れ込むなど…なんて穢らわしい…」
巻き込まれたことは穢らわしいことなんですか…?用がないなら元の世界に返してくれよ…
「あの、ちょ…「口を開くな!!」」
せめて反論しようとするが
言い訳もなにもさせてくれないらしい…
家に返してくれよ…せめて説明させてよ…
暫く時間が流れる
泣き真似楓原が王子様に甘え、満更でもない王子様はデレデレする、神官はなんか悩ましい顔をしていて3人でおれについて相談をしているようだった
納得のいく考えが浮かんだのか神官が王子様に伝える
「殿下、やはり慎重に行きましょう、今回の召喚は殿下の一存、国王様知りません
神子様の神聖な召喚に紛れた異物がどんな存在なのか想像もできない中で処刑すればどんな呪詛を撒き散らすかわかりません…
問題が大きくなることは避けるべきだと、賊の存在を広げない為にもこの牢屋で餓死後、捨てるのが得策と考えます
水も与えなければ数日で処分可能です」
なにを仰っているのでしょうか…!!
ちょっと国王陛下さん?お宅の息子さん独断でとんでもないことしてますよ!!
王子様が「よき案だ」と神官の案に賛同する、楓原は泣き真似してるが口が笑っている…
本気で言ってんの?賊だって勝手に決めつけて餓死させられるのか…?楓原はおれを殺したいくらい憎んでるのか?
何も話すことも許されないまま3人は出ていってしまった
手を後ろで縛られているおれにはこの牢屋から自力で脱出することは到底不可能…
どうすんだよ…餓死って辛いのだろうが…そんなことが脳裏を過った
………
本当に餓死させる計画なのかその後誰一人、この牢屋に入ってこない
喉は渇いたが空腹はまだ大丈夫、王子様の勝手な行動に誰か気づいてここを見に来てくれたら助かる可能性もあるかもしれない…
助かったところで楓原が何を言い出すかに運命がかかっているのはなんなんだ…
新人社員に対して普通に優しく丁寧に教えてたのに何でこんなにも恨まれないといけないんだよ…
…………
どれくらいの時間が経っているんだ…?この牢屋光も入らないから朝なのか夜なのかわからない…いや異世界に朝も夜もあるか…?
座っているか寝ているだけなのに疲れが抜けない、何も食べていないからそれも原因だな…
石がむき出しの床に寝ることも座ることも身体にかなりの負担になる、痛いな…
………………
何時間、何日経ったのか…知らないが餓死じゃない、餓死より前に脱水症状で死ぬ…
喉の渇きなんてもう忘れてた、身体がだるいのも脱水症状だ…呼吸が辛い、苦しい、縛られた腕も感覚が無くなっていて怖い…
やばい、眠い…こういう時に眠くなるのはまずいんじゃなかったか…?
なんでだよ…なんでこんな目にあってるんだよ…
平凡で平和なおれの人生返せよ…
汚れた石の床に倒れ込む
鳥肌が立つほどいやな筈なのにもう起きる気力がない…
帰りたい、そう思いながら閉じる瞼に抗えなかった
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