勇者は幸せになりました

たなぱ

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我が子であるのに、我が子じゃない寂しい気持ち
溢れてくる涙を魔王様は何度も拭ってくれる
話をしようと、中に魔王様のが入ったまま横抱きにされ、目と目が合うと寂しさが少しだけ薄れた気がした

ベレトさんは申し訳無さそうに立ち尽くしている…ぼくが急に泣き出してあんな事を言ったからだ…ごめんなさい…


『勇者よ、我の言葉が足りなかったのも原因だ…悪いことをした
これから我が子が産まれる度、勇者が悲しむのは見たくない…だからこそ、話をしよう』


魔王様は教えてくれる
ぼくと魔王様が生み直した魔族の人達は、元々の肉体の記憶やこれまでの記憶を全て、肉体を捨てた時点まで成長すると思い出すのだという

その瞬間、ぼくを母というよりは命の恩人、魔王様の妻として認識が変化するという事
ベレトさんも母としてぼくを認識はしているが、命の恩人としての認識が強くあのような対応になってしまったと謝ってくれた


『我が子である事に変わりはない、しかしベレトを含め我が民は数が少なく既に皆成人の姿をしているのだ、人国に狙われている間は幼子を装う者もいたが…
勇者がいくら愛おしい我が子と言っても、大人の姿になった者たちに勇者は乳を飲ませるのか?それは我が嫉妬してしまう…勇者の愛おしい肉体全ては我の物だ、それでは駄目か…?』


「ひんっ……♡♡だ、駄目じゃないです……魔王様のぼく……嬉しい…
でも…ぼくが生んだ子がお腹空かせてたら可哀想で…」


『その心配もない、急激に肉体が成長するのと同時にこれまでの生活に戻れるのだ
感謝はされるだろうが、大人になっても空腹だとそのような事をいう輩を我が許せそうも無い
赤子や幼児が求めるなら飲ませてやればいい、それは認めよう…それ以外は可愛い勇者のココは我の物だ』


魔王様に胸を撫でられ、乳首をやさしく摘まれる…それだけで気持ちよくて母乳がたらりと溢れてしまう事にドキドキする…
そうか、ぼくの身体は魔王様に愛される物
…子を愛くしむ事も大切だけど、魔王様のなんだ…♡そんなに嫉妬してくれる……♡それは幸せじゃないのかな?


『勇者様、母として勇者様を大切に思う気持ちもあります、それはこれからも変わりません…それ以上に恩人であり、魔王様の妻となったあなた様を国母として慕う気持ちの方が強いのです

魔王様が許し、勇者様が望めば…また母上と呼ばせて下さい』


魔王様とベレトさんの言葉に納得できた気がする…
これからぼくは魔族の皆を産み直し助け出す…何人いるのかわからない中で国の母になる…それがしっくりきた…


「動揺して…泣いて…ごめんなさい…」
いつの間にか涙は止んでいた


『勇者よ、他に何か不安な事や知りたいことはあるか?この期に話をするのもいいだろう』
そう、ぼくを愛おしそうに撫でてくれる魔王様は本当に優しい…不安な事が無くなるように気遣ってくれるのが嬉しい…


ぼくは聞きたかったことを聞いた
魔王様はぼくが一度握り潰してしまったはずなのにどうして無事なのか…それは自分の命を分身として身代わりにし女神を欺き、ぼくに通じる魔石として分身が死を迎えたから

オーランシア国は、ぼくが消えて魔王様達が居る所に攻めて来ないのか…それは暫くは無いという、これまでの傾向状、女神が直接的な干渉が出来ないため、大聖女には神託として次に贄とする国が示される、魔族の国は滅んだばかり、ここへ来ることはあり得ないという

ぼくは何故、食事も排泄も必要が無くなってしまったのか…それは女神の神託によりこの世界へ呼ばれたと同時に身体を書き換えられ人でありながら、魔力を溜め込む人形とされてしまったから
ぼくが、人形………?



「魔王様…ぼくは、人間じゃ…ないの…?」

『人間に変わりはない、しかし身体の機能を奪われている…そう言ったほうがいいか…?
だが、機能を奪われたことで良いこともあった…勇者がそれだけの魔力を内に秘めているからこそ我と何度も愛し合い、子を孕むことができるのも、また事実だからだ』

「そうなんだ………魔王様に愛してもらえるなら…問題ないね………」


項にキスをされ魔王様がお腹を撫でてくる…奥までペニスを挿入されたままな事を忘れてしまうくらい居心地がよくて挿れられている事が当然のように感じてしまう
この身体だから魔王様とたくさん愛し合えるならいいんじゃないかな…?そう思えるくらい今のぼくは幸せなだということが安心感に繋がった



「ねぇ、魔王様……魔族の人全員救えたら…そしたら……魔王様とぼくに似た赤ちゃん産めるかな…?」


ふと、思い付いたこと…いや、心の何処かで思っていた事を口に出していた…
魔族の人をぼくが救い産み直す事はもちろん成し遂げたい…でも、魔王様と愛し合った結晶が…ぼく等に似た赤ちゃんもちゃんと残し、愛せたらどれだけ幸せなのだろうって考えてしまうんだ…

魔王様もベレトさんも、とてもやさしい顔でぼくを見ているのがわかる…変なこと言ってないか少し心配だったけど安心する…


『この部屋から光の粒が全て消えた後に、我と勇者が子を望み愛し合えば、必ず我らに似た素晴らしい子を孕むとだけ…今は言っておこう
魂そのものが入っておらぬ真の器に子を宿すのは並大抵の事では無い、それこそ寝ずに愛し合わねばな…♡
………………愛おしい勇者、我の勇者よ…不安は消えたか…?』


「はい………もう大丈夫です…あの、ぼく………魔王様も、生まれてくる魔族の人も、魔王様との赤ちゃんも全員愛してあげたい…です…………っ、あぁっ♡」



ぼくの言葉に魔王様のペニスが一段と大きくなる…♡ベレトさんも嬉しそうな顔をしてくれてるけど、大人になった我が子に見られたまま、大きなペニスでぐりぐりと奥を捏ねられ喘ぎが出てしまう…♡♡♡

我が子の前ではやっぱり恥ずかしいんだよと、そう言いたかったぼくの声は魔王様に唇を奪われてしまって出せなかった











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