20 / 34
牛丼と鬼人族
しおりを挟む
今日は牛丼を作る。
ガッツリ食べたくなったのだ。地球の時は牛丼なんて賄いでしか作って無かったから本格的に作るのは初めてだ。
と言っても牛肉と玉ねぎを煮込むだけだ。汁が重要なんだけどね。
そこはもちろん勘で作っていく。味見をしながらちょっと甘めの醤油ベースのつゆが完成した。
甘すぎるのは俺は嫌いなので砂糖を少なめにした完全に俺好みの牛丼だ。牛丼に欠かせないのがトッピング。
その牛丼のトッピングはキムチ、ネギ、長芋、卵、そしてカロリー爆弾のチーズだ。
チーズを乗せて炙るとこれがまた美味しいんだよな。
カロリーなんて気にせずに食べれるならいつもこれを食べているだろう。もちろん俺は無理だけどフェルさん達は余裕で食べそうだ。
彼らが太ることってあるのだろうか?毎日あれだけ食べて太っているということを感じない。とても羨ましい限りだ。
また他にも卵も味変に良いし、辛いの好きな人にはキムチもオススメだろう。
さて完成したし開店しますか。
side鬼族
カランカラン
「うっ」
俺は深淵の森で狩りを行なっている鬼人族だ。俺たちの集落は深淵の森に中にあり人間には襲われないが魔物に襲われることが多い。
むしろ人間より俺たちの脅威は魔物だ。今日は少し深いところまで来たのだが見慣れない建物があった。
そこから良い匂いがしたので入ってみるとあり得ない光景が広がっていた。
「どうぞ空いている席にお座りください」
「ッ」
「どうかなされましたか?」
どうかとかそういう事ではない。俺の目の前にいるやつを含めてここには強者が集まり過ぎている。
強者は普段は同じ場所には居ない。それは縄張り意識が強いからだ。
だがここはなんだ!!確かに人型だが強さをヒシヒシを感じる。
相手が逆立ちしても目を瞑っても俺には勝ち目がない。それを一瞬で感じ取ってしまうほどの実力差。
そんなことを確かに気になる。しかしこの良い匂いはなんだ?
食欲をそそる良い匂いだ。この空間に居る強者を忘れさせるような良い匂いだ。
「ここは店なのか?」
「飲食店です。」
「そ、そうか」
人族の街に行って店に訪れたことはあるがあまり良い思いをしなかった。
それは鬼人族は強い力を持っており一般的に凶暴とされているからだ。もちろんそんな事はない。
俺たちの集落では平和に楽しくしている。仮に人族が攻めて来ても集落までたどり着くのにかなり人は減るだろうし俺たちには秘術があるから大丈夫だ。だから強いが決して凶暴ではない。
俺が街に行くと俺が一番強いのだがここでは俺が一番弱い。ここで気をつけるのは俺の方だな。
俺は少しキョロキョロしながら空いている席に座った。
「お水です。無料ですしお代わりは自由ですよ。」
「そ、そうなのか」
確か街に行った時は水を飲むだけでも金を取られたような気がする。
この店はサービスが良いんだな。
「今日は牛丼です。サイズは普通、大、特大、超大、エンペラーとなっています。ちょうどエンペラーが出て来ましたね。」
「あ、あれか」
「はいあれにはチーズ、温泉卵、キムチのトッピングですね。」
運ばれていたのは大きな器に茶色の上に白、黄色、赤のものが乗せられたものだった。
あれがギュウドンなのだろう。それにしても良い匂いだ。その後、店員は俺に対してとても丁寧にトッピングについてやギュウドンに教えてくれた。
「ではチーズと卵をトッピングした物を特大で頼む」
「かしこりました。少々お待ちください。」
少しすると俺のギュウドンが運ばれて来た。目の前にきてわかる。これは絶対美味しいやつだ。
ゴクリ
「ギュウドン特大のチーズ、卵トッピングです。」
「すまない」
「ごゆっくりどうぞ」
俺は店員が去るのを見てからスプーンを取り大きくすくって口に放り込んだ。
「んっ!?」
美味いぞ!!なんだこれは初めてこんな美味いものを食べた。
少し甘くしょっぱい柔らかい肉にしたの白いつぶつぶそしてトッピングしたチーズが相まってとても美味い。
そこから無我夢中で食べてしまいもう半分に来てしまった。
「確かこの卵をかき混ぜて入れるんだよな。」
俺は店員から教えてもらった食べ方を実践したみた。
「美味い!」
味もまろやかになってさらに食べやすくなった。深淵の森にそれもかなり奥深くにこんな名店があるとは知らなかった。
もっと早く気づいていれば、もっと早くから来ていれば。
いやこれから毎日は無理だが仲間も連れてたまに来るのは良いかもしれないな。
「隣良いか?」
「構わないぞ」
「食事中すまないが俺はヨシト。この店の店長だな。宜しく」
「て、店長!?このギュウドンとても美味いぞ」
もしかすると俺より弱いかもしれない。だがこんな美味い料理を作れる。尊敬に値しない訳ないがない。
「ヨシトのそれはなんだ?」
ヨシトのギュウドンの上には白いドロドロしたものが乗っている。チーズでは無さそうだが。あれはなんだ?
「俺も昼食べてないから山かけ牛丼美味しいぞ?良かったら少し持ってこようか?」
「良いだろうか?」
「構わないぞ」
とヨシトは厨房に戻ってミニサイズのギュウドンを持って来てくれた。そこには白いものが乗っている。これが山かけギュウドン。
俺は一気に口に放り込む。放り込んだが一気に口に入ってくる。
「ッ!?」
「美味いだろ?山かけ丼を作るのも良いかもな。」
「ここはいつもやっているのか?」
これを聞いておかないと次来て閉まっていたというのはでは残念だからな。
「昼と夜はやってるよ。今は昼営業だな。ほとんど毎日やってるよ。」
「それを聞けて良かった。」
「閉まっていたらごめんな?」
「いや誰にだって都合はある。それはしょうがない事だ。」
その後、店長と色々なことを話しながら食べ終わり店を出た。ここでは魔力や素材を料金代わりに払うらしい。
俺たちは魔力は少ないが力は強い。深淵の魔物の素材を少しだけで余裕で払うことが出来た。
さらにここに来れる頻度が増えたかもな。
更新が遅くなり申し訳ありません。次話も近日中に更新します。誤字脱字がありましたらご報告お願いします。
紅生姜を忘れてしまいました。好きな方申し訳です。
ガッツリ食べたくなったのだ。地球の時は牛丼なんて賄いでしか作って無かったから本格的に作るのは初めてだ。
と言っても牛肉と玉ねぎを煮込むだけだ。汁が重要なんだけどね。
そこはもちろん勘で作っていく。味見をしながらちょっと甘めの醤油ベースのつゆが完成した。
甘すぎるのは俺は嫌いなので砂糖を少なめにした完全に俺好みの牛丼だ。牛丼に欠かせないのがトッピング。
その牛丼のトッピングはキムチ、ネギ、長芋、卵、そしてカロリー爆弾のチーズだ。
チーズを乗せて炙るとこれがまた美味しいんだよな。
カロリーなんて気にせずに食べれるならいつもこれを食べているだろう。もちろん俺は無理だけどフェルさん達は余裕で食べそうだ。
彼らが太ることってあるのだろうか?毎日あれだけ食べて太っているということを感じない。とても羨ましい限りだ。
また他にも卵も味変に良いし、辛いの好きな人にはキムチもオススメだろう。
さて完成したし開店しますか。
side鬼族
カランカラン
「うっ」
俺は深淵の森で狩りを行なっている鬼人族だ。俺たちの集落は深淵の森に中にあり人間には襲われないが魔物に襲われることが多い。
むしろ人間より俺たちの脅威は魔物だ。今日は少し深いところまで来たのだが見慣れない建物があった。
そこから良い匂いがしたので入ってみるとあり得ない光景が広がっていた。
「どうぞ空いている席にお座りください」
「ッ」
「どうかなされましたか?」
どうかとかそういう事ではない。俺の目の前にいるやつを含めてここには強者が集まり過ぎている。
強者は普段は同じ場所には居ない。それは縄張り意識が強いからだ。
だがここはなんだ!!確かに人型だが強さをヒシヒシを感じる。
相手が逆立ちしても目を瞑っても俺には勝ち目がない。それを一瞬で感じ取ってしまうほどの実力差。
そんなことを確かに気になる。しかしこの良い匂いはなんだ?
食欲をそそる良い匂いだ。この空間に居る強者を忘れさせるような良い匂いだ。
「ここは店なのか?」
「飲食店です。」
「そ、そうか」
人族の街に行って店に訪れたことはあるがあまり良い思いをしなかった。
それは鬼人族は強い力を持っており一般的に凶暴とされているからだ。もちろんそんな事はない。
俺たちの集落では平和に楽しくしている。仮に人族が攻めて来ても集落までたどり着くのにかなり人は減るだろうし俺たちには秘術があるから大丈夫だ。だから強いが決して凶暴ではない。
俺が街に行くと俺が一番強いのだがここでは俺が一番弱い。ここで気をつけるのは俺の方だな。
俺は少しキョロキョロしながら空いている席に座った。
「お水です。無料ですしお代わりは自由ですよ。」
「そ、そうなのか」
確か街に行った時は水を飲むだけでも金を取られたような気がする。
この店はサービスが良いんだな。
「今日は牛丼です。サイズは普通、大、特大、超大、エンペラーとなっています。ちょうどエンペラーが出て来ましたね。」
「あ、あれか」
「はいあれにはチーズ、温泉卵、キムチのトッピングですね。」
運ばれていたのは大きな器に茶色の上に白、黄色、赤のものが乗せられたものだった。
あれがギュウドンなのだろう。それにしても良い匂いだ。その後、店員は俺に対してとても丁寧にトッピングについてやギュウドンに教えてくれた。
「ではチーズと卵をトッピングした物を特大で頼む」
「かしこりました。少々お待ちください。」
少しすると俺のギュウドンが運ばれて来た。目の前にきてわかる。これは絶対美味しいやつだ。
ゴクリ
「ギュウドン特大のチーズ、卵トッピングです。」
「すまない」
「ごゆっくりどうぞ」
俺は店員が去るのを見てからスプーンを取り大きくすくって口に放り込んだ。
「んっ!?」
美味いぞ!!なんだこれは初めてこんな美味いものを食べた。
少し甘くしょっぱい柔らかい肉にしたの白いつぶつぶそしてトッピングしたチーズが相まってとても美味い。
そこから無我夢中で食べてしまいもう半分に来てしまった。
「確かこの卵をかき混ぜて入れるんだよな。」
俺は店員から教えてもらった食べ方を実践したみた。
「美味い!」
味もまろやかになってさらに食べやすくなった。深淵の森にそれもかなり奥深くにこんな名店があるとは知らなかった。
もっと早く気づいていれば、もっと早くから来ていれば。
いやこれから毎日は無理だが仲間も連れてたまに来るのは良いかもしれないな。
「隣良いか?」
「構わないぞ」
「食事中すまないが俺はヨシト。この店の店長だな。宜しく」
「て、店長!?このギュウドンとても美味いぞ」
もしかすると俺より弱いかもしれない。だがこんな美味い料理を作れる。尊敬に値しない訳ないがない。
「ヨシトのそれはなんだ?」
ヨシトのギュウドンの上には白いドロドロしたものが乗っている。チーズでは無さそうだが。あれはなんだ?
「俺も昼食べてないから山かけ牛丼美味しいぞ?良かったら少し持ってこようか?」
「良いだろうか?」
「構わないぞ」
とヨシトは厨房に戻ってミニサイズのギュウドンを持って来てくれた。そこには白いものが乗っている。これが山かけギュウドン。
俺は一気に口に放り込む。放り込んだが一気に口に入ってくる。
「ッ!?」
「美味いだろ?山かけ丼を作るのも良いかもな。」
「ここはいつもやっているのか?」
これを聞いておかないと次来て閉まっていたというのはでは残念だからな。
「昼と夜はやってるよ。今は昼営業だな。ほとんど毎日やってるよ。」
「それを聞けて良かった。」
「閉まっていたらごめんな?」
「いや誰にだって都合はある。それはしょうがない事だ。」
その後、店長と色々なことを話しながら食べ終わり店を出た。ここでは魔力や素材を料金代わりに払うらしい。
俺たちは魔力は少ないが力は強い。深淵の魔物の素材を少しだけで余裕で払うことが出来た。
さらにここに来れる頻度が増えたかもな。
更新が遅くなり申し訳ありません。次話も近日中に更新します。誤字脱字がありましたらご報告お願いします。
紅生姜を忘れてしまいました。好きな方申し訳です。
10
お気に入りに追加
1,817
あなたにおすすめの小説


兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。

追放された薬師でしたが、特に気にもしていません
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。
まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。
だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥
たまにやりたくなる短編。
ちょっと連載作品
「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。

もう、終わった話ですし
志位斗 茂家波
ファンタジー
一国が滅びた。
その知らせを聞いても、私には関係の無い事。
だってね、もう分っていたことなのよね‥‥‥
‥‥‥たまにやりたくなる、ありきたりな婚約破棄ざまぁ(?)もの
少々物足りないような気がするので、気が向いたらオマケ書こうかな?

思わず呆れる婚約破棄
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある国のとある夜会、その場にて、その国の王子が婚約破棄を言い渡した。
だがしかし、その内容がずさんというか、あまりにもひどいというか……呆れるしかない。
余りにもひどい内容に、思わず誰もが呆れてしまうのであった。
……ネタバレのような気がする。しかし、良い紹介分が思いつかなかった。
よくあるざまぁ系婚約破棄物ですが、第3者視点よりお送りいたします。

ある平民生徒のお話
よもぎ
ファンタジー
とある国立学園のサロンにて、王族と平民生徒は相対していた。
伝えられたのはとある平民生徒が死んだということ。その顛末。
それを黙って聞いていた平民生徒は訥々と語りだす――


【完】お義母様そんなに嫁がお嫌いですか?でも安心してください、もう会う事はありませんから
咲貴
恋愛
見初められ伯爵夫人となった元子爵令嬢のアニカは、夫のフィリベルトの義母に嫌われており、嫌がらせを受ける日々。
そんな中、義父の誕生日を祝うため、とびきりのプレゼントを用意する。
しかし、義母と二人きりになった時、事件は起こった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる