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女子会〜狙いは料理でした〜
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アルフレッドがティア嬢とセーラ嬢とお寿司を堪能しているその頃…..
「今日は来てくれてありがとう。」
一応、正妻のカエラ・フォン・グリードがグレイン家とナッシャート家の夫人に挨拶をした。
カエラはエリックとリンティアの母であり他の夫人たちとはさほど歳も変わらずお茶会でも良く顔を合わせている間柄であるためかなりリラックスしていた。
貴族の夫人とは大きな力を持つこともあり、それを制御するのが今の王妃の役目となっている。
夫人達の噂というのは時には大きな混乱を生むことがあるためすぐに対応しなければならないため、意外にも面倒な役割もあった。
それはアルフレッドやエイドについても色々と言われることもあるが、それらに関しては王家とナッシャート家は静観していた。
静観する理由としては騒動の輪にいる両名アルフレッドとエイドは鋼すぎるメンタルの持ち主であることを家族は知っていたからだ。
貴族にも関わらず金も持たずに1人で一ヶ月間森でサバイバルする狂人。
ダラけ王子ともう三年以上は言われているのに全く行動を変えようとせず、更にはその兆しも全く見えないダメ王子。
そんな2人を庇ったところで特にメリットもあると思わない両家は我に関せずという感じで自らは話題には挙げないが仮に挙がっても特に何も話さなかった。
ただ息子のことが悪く言われればかなりその場の雰囲気は悪くなり、最悪のお茶会にはなっていたとその場に参加した夫人は言う。
「こちらもまさかアル君との縁談の話があがるなんて思わなかったからすぐに動きましたよ」
とグレイン家のブレンダは言うがブレンダ、ナディア共にアルフレッドのお菓子の大ファンであり仮にティア嬢が嫁に行けば少しの恩恵を受けられると考えていた。
婚約なんて下心満載なものであるため恋愛結婚なんてものは貴族の中ではごく僅かだ。
「私は夫とエイドが面白いからって、私たちより先に決めちゃいましたよ」
ナッシャート家の夫人2人もアルフレッドの異端さは理解しているがそれをあまり知らない当主とエイドが進めたことに最初は驚いた。
しかしこれは反対する気など毛頭無かったためすぐに受け入れた。
実際にはエイドが主導となって自分の父に進言していたのは2人は知らなかった。
「立ち話もなんだからどうぞ座って下さい。」
失礼しますと言い礼儀を忘れることなく全員が席についた。席にいるのは2家の夫人と王妃三人に加えてフレアとフローズだった。
リンティアはアンナに面倒を見てもらっており不在だった。
「エリスさん、そういえばレインちゃんが帰ってくると風の噂で聞いたのですが」
「「「はぁ」」」
ブレンダがグレイン家の長女レインについての話題を振ると三人ともため息をついた。
確かにもうすぐ帰ると聞いていた。しかしもう2か月以上経っており、当の本人が全く帰ってくる気配が無い。
「あの子はもしかしらアル以上に変わってるかもしれないわね」
「えぇアルは引きこもりだけどあの子は放浪娘だから。なんでこうも正反対になっちゃったかしらね」
今では存在自体の確認ができておらず生きているのかも分からないがレインのことを知る者は絶対に好き勝手やっているだろうと容易に想像できていた。
神童、怪童の前は天才の名を欲しいままにしており初の女王の誕生も一時期期待されたほどだった。
しかし天才の枠を超えた奇才であり更には鬼才であったためにストッパーには誰もなれずいつしかどっかに行ってしまった。
変わり者同士アルフレッドならもしかしたら?と考えていたが今ではもう遅い。
「レインを見ているからフレアとフローズがとても良い子に見えるのよ。レインが悪い子では無いけど制御不可能だったから。本当にアルより制御不可能だったわよ。」
フレアとフローズはレインの事をうっすらしか覚えておらずアルフレッドより制御不可能という言葉を聞いてとんでもない人が家族なんだと感じた。
レインはアルフレッドを超えてヤバい奴というのが2人の中に強く焼きついた。
そこにメニュー表が届いて女性陣全員はメニュー表に集中した。グレイン家、ナッシャートはここの料理が美味しいと知っているため楽しみで仕方なかった。
「私はドラゴンステーキとドラゴンハンバーグ、あとはローストビーフ丼、あとハンバーガーも!」
とフレアから肉肉肉という注文があった時は全員が驚いて居た。
『その細い体の何処に入るのよ!!』
と思う感情と同時に大人達は違う感情も持っていた。
『そんなに食べてそのスタイルは卑怯だわ。私たちなんて食べれば食べた分だけ太るのに』
フレアを皮切りにフレアほどでは無いがいつもより二割増しの量をそれぞれが注文した。
ジュリア達は次にいつここの美味しい夕飯を食べれるか分からないためここで是非とも堪能したいと思っていた。
またこの後にはデザートもあるためしっかりその分も考えてセーブして居た。ただ一人セーブしていないバカは居たが….
「これがピザのドリア」
「伸びるチーズが美味しいわよ!」
「これもアル君が考案したのよね、ますます家に来て欲しいわ」
「そうね。そうなれば我が家の食卓も一変しそうだもの」
さらに料理を口に運ぶとまたなんとも言えない驚きがそれぞれを襲い。手が止まらなかった。
対してフレアは驚異のスピードで肉を食べ肉を食べて肉を食べていた。
更にステーキをおかわりするなどダンフォードより、もしかして食べていたかもしれない。
「ではみなさん最後のデザートといきますか」
「それを待っておりました!」
「ここのスイーツは全てが美味しいですから」
そして最後に一人当たりケーキを三つほど頼んでバクバク食べていた。後日ダイエットに苦しむ事を知らずに。
「そういえば三人は大丈夫かしらね。」
「「「「あっ」」」」
「大丈夫…だとは思うわ。一応、アルがついているし」
「アルがいるから問題が起こるというのもあるけど」
「娘のセーラもしっかりしてますからおそらく大丈夫じゃないでしょうか?」
「ティアは少しじゃなくてかなり心配だけど」
実際には寿司を美味しさのあまり食べ過ぎて更にはデザートを多く食べてしまい話すのもキツイほど腹がパンパンになっているなんて誰も考えはしないだろう。
もちろんその前に勉強会をアルフレッドがしていたとは更に誰も考えつかないことをアルフレッドはしていた。
顔合わせで勉強会をするような奴が何処にいるんだ。
それはもちろん二人の前でステーキを食べたり料理することも同様だった。
しかしここにいる者は
『アル(くん)が居るからまぁ大丈夫だろう』
というのが共通認識であり後日にアルフレッドのした事を聞いて二つの家は少し羨ましく、娘の成長を知り今回の事は良かったと思うが王家はアルフレッドのした事で叱らずにはいられなかった。
アルフレッドには寿司を全員に振る舞うという一日寿司作り地獄に見舞われるのだった。
哀れなりアルフレッド
一応夫人の名前を載せておきます。
ジュリア(宰相の嫁)
ナディア(宰相の嫁)
ブレンダ(侯爵家)
ヘレナ(侯爵家)
エリス・フォン・グリード(王妃)
カエラ・フォン・グリード(王妃 正妻)
サラ・フォン・グリード(王妃)
昨日忙しくて更新できませんでした。申し訳無いです。誤字脱字がありましたらご報告お願いします。
誤字脱字が多く申し訳ありません。この話におきましては指摘いただいた箇所を修正致しました。ご報告下さった皆様ありがとうございます。
「今日は来てくれてありがとう。」
一応、正妻のカエラ・フォン・グリードがグレイン家とナッシャート家の夫人に挨拶をした。
カエラはエリックとリンティアの母であり他の夫人たちとはさほど歳も変わらずお茶会でも良く顔を合わせている間柄であるためかなりリラックスしていた。
貴族の夫人とは大きな力を持つこともあり、それを制御するのが今の王妃の役目となっている。
夫人達の噂というのは時には大きな混乱を生むことがあるためすぐに対応しなければならないため、意外にも面倒な役割もあった。
それはアルフレッドやエイドについても色々と言われることもあるが、それらに関しては王家とナッシャート家は静観していた。
静観する理由としては騒動の輪にいる両名アルフレッドとエイドは鋼すぎるメンタルの持ち主であることを家族は知っていたからだ。
貴族にも関わらず金も持たずに1人で一ヶ月間森でサバイバルする狂人。
ダラけ王子ともう三年以上は言われているのに全く行動を変えようとせず、更にはその兆しも全く見えないダメ王子。
そんな2人を庇ったところで特にメリットもあると思わない両家は我に関せずという感じで自らは話題には挙げないが仮に挙がっても特に何も話さなかった。
ただ息子のことが悪く言われればかなりその場の雰囲気は悪くなり、最悪のお茶会にはなっていたとその場に参加した夫人は言う。
「こちらもまさかアル君との縁談の話があがるなんて思わなかったからすぐに動きましたよ」
とグレイン家のブレンダは言うがブレンダ、ナディア共にアルフレッドのお菓子の大ファンであり仮にティア嬢が嫁に行けば少しの恩恵を受けられると考えていた。
婚約なんて下心満載なものであるため恋愛結婚なんてものは貴族の中ではごく僅かだ。
「私は夫とエイドが面白いからって、私たちより先に決めちゃいましたよ」
ナッシャート家の夫人2人もアルフレッドの異端さは理解しているがそれをあまり知らない当主とエイドが進めたことに最初は驚いた。
しかしこれは反対する気など毛頭無かったためすぐに受け入れた。
実際にはエイドが主導となって自分の父に進言していたのは2人は知らなかった。
「立ち話もなんだからどうぞ座って下さい。」
失礼しますと言い礼儀を忘れることなく全員が席についた。席にいるのは2家の夫人と王妃三人に加えてフレアとフローズだった。
リンティアはアンナに面倒を見てもらっており不在だった。
「エリスさん、そういえばレインちゃんが帰ってくると風の噂で聞いたのですが」
「「「はぁ」」」
ブレンダがグレイン家の長女レインについての話題を振ると三人ともため息をついた。
確かにもうすぐ帰ると聞いていた。しかしもう2か月以上経っており、当の本人が全く帰ってくる気配が無い。
「あの子はもしかしらアル以上に変わってるかもしれないわね」
「えぇアルは引きこもりだけどあの子は放浪娘だから。なんでこうも正反対になっちゃったかしらね」
今では存在自体の確認ができておらず生きているのかも分からないがレインのことを知る者は絶対に好き勝手やっているだろうと容易に想像できていた。
神童、怪童の前は天才の名を欲しいままにしており初の女王の誕生も一時期期待されたほどだった。
しかし天才の枠を超えた奇才であり更には鬼才であったためにストッパーには誰もなれずいつしかどっかに行ってしまった。
変わり者同士アルフレッドならもしかしたら?と考えていたが今ではもう遅い。
「レインを見ているからフレアとフローズがとても良い子に見えるのよ。レインが悪い子では無いけど制御不可能だったから。本当にアルより制御不可能だったわよ。」
フレアとフローズはレインの事をうっすらしか覚えておらずアルフレッドより制御不可能という言葉を聞いてとんでもない人が家族なんだと感じた。
レインはアルフレッドを超えてヤバい奴というのが2人の中に強く焼きついた。
そこにメニュー表が届いて女性陣全員はメニュー表に集中した。グレイン家、ナッシャートはここの料理が美味しいと知っているため楽しみで仕方なかった。
「私はドラゴンステーキとドラゴンハンバーグ、あとはローストビーフ丼、あとハンバーガーも!」
とフレアから肉肉肉という注文があった時は全員が驚いて居た。
『その細い体の何処に入るのよ!!』
と思う感情と同時に大人達は違う感情も持っていた。
『そんなに食べてそのスタイルは卑怯だわ。私たちなんて食べれば食べた分だけ太るのに』
フレアを皮切りにフレアほどでは無いがいつもより二割増しの量をそれぞれが注文した。
ジュリア達は次にいつここの美味しい夕飯を食べれるか分からないためここで是非とも堪能したいと思っていた。
またこの後にはデザートもあるためしっかりその分も考えてセーブして居た。ただ一人セーブしていないバカは居たが….
「これがピザのドリア」
「伸びるチーズが美味しいわよ!」
「これもアル君が考案したのよね、ますます家に来て欲しいわ」
「そうね。そうなれば我が家の食卓も一変しそうだもの」
さらに料理を口に運ぶとまたなんとも言えない驚きがそれぞれを襲い。手が止まらなかった。
対してフレアは驚異のスピードで肉を食べ肉を食べて肉を食べていた。
更にステーキをおかわりするなどダンフォードより、もしかして食べていたかもしれない。
「ではみなさん最後のデザートといきますか」
「それを待っておりました!」
「ここのスイーツは全てが美味しいですから」
そして最後に一人当たりケーキを三つほど頼んでバクバク食べていた。後日ダイエットに苦しむ事を知らずに。
「そういえば三人は大丈夫かしらね。」
「「「「あっ」」」」
「大丈夫…だとは思うわ。一応、アルがついているし」
「アルがいるから問題が起こるというのもあるけど」
「娘のセーラもしっかりしてますからおそらく大丈夫じゃないでしょうか?」
「ティアは少しじゃなくてかなり心配だけど」
実際には寿司を美味しさのあまり食べ過ぎて更にはデザートを多く食べてしまい話すのもキツイほど腹がパンパンになっているなんて誰も考えはしないだろう。
もちろんその前に勉強会をアルフレッドがしていたとは更に誰も考えつかないことをアルフレッドはしていた。
顔合わせで勉強会をするような奴が何処にいるんだ。
それはもちろん二人の前でステーキを食べたり料理することも同様だった。
しかしここにいる者は
『アル(くん)が居るからまぁ大丈夫だろう』
というのが共通認識であり後日にアルフレッドのした事を聞いて二つの家は少し羨ましく、娘の成長を知り今回の事は良かったと思うが王家はアルフレッドのした事で叱らずにはいられなかった。
アルフレッドには寿司を全員に振る舞うという一日寿司作り地獄に見舞われるのだった。
哀れなりアルフレッド
一応夫人の名前を載せておきます。
ジュリア(宰相の嫁)
ナディア(宰相の嫁)
ブレンダ(侯爵家)
ヘレナ(侯爵家)
エリス・フォン・グリード(王妃)
カエラ・フォン・グリード(王妃 正妻)
サラ・フォン・グリード(王妃)
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