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婚約者候補とお話し。かなり傑物がいるようです。
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そしてお鍋をみんなで食べて数日後、何故か婚約者候補が俺の部屋に居る。
もちろんそのために内装もしっかりとしてカイリーとセバスに急いで準備してもらった。
と言うのもこれを聞いたのは昨日で急ピッチで準備してしなければならなかった。
本当に親父め!!何をさせるんだ!!二人は勉強に忙しいかもしれないし、外も寒いのにわざわざ来させるとか馬鹿なんじゃ無いの?
もうちょっと女の子のことを考えてあげろよ。だから母さん達の尻に敷かれるんだぞ。
そして何より何故、俺にもうちょっと早く教えてくれない!?今から来る二人を別に蔑ろに扱うことはしないが断ることも出来たのにさ。
早めに知っていたら完全に断っていただろうね。親父がそれを見抜いていたのか。やはり俺の親父だ一枚上手だったようだ。
親父は俺が断る可能性も含めて勝手に日にちを進めた。マジで親父は何やっちゃってんのよ。
もう親父に酒をあげない。俺は今強くそう思った。へへっちょっとくらい反省してもらうぞ親父ぃぃぃ。
「アル様、その服は」
「ん?別に良いじゃん?どう似合ってる?」
「似合ってはおりますが恐らく王妃様に見られると叱られると思いますよ」
「それはまずい。あの服ゴワゴワして動きにくいし重いし着たくないんだよ。まだ時間はあるし作るか。」
公の式典などで着る服はゴワゴワして無駄に重たい。重りをつけているのかってほど重たいんだよ。
そんな服を着ているとお茶を飲むのも一苦労なんだよ。俺はダン兄ほど筋肉マッチョじゃ無いからね。
婚約者候補が2人来るまで俺はは一人で服を作り上げて、一応セバスとアンナにオッケーをもらって2人を待った。
マリーナの案内で2人の婚約者候補が来た。やはり高い爵位なだけあって可愛いじゃないか。
1人は見たことあるリーティア嬢。宰相さんの娘さんだ。
もう1人はナッシャート侯爵家の娘さん。ナッシャート侯爵家は広大な土地に加えて聡明とされている家だ。
そのためナッシャート侯爵家には誰も手を出せないと言われている。それは跡取り以外でものナッシャートの者が優秀で城でも文官として働いているそうだ。
また婿として他の家に行くこともあり大きな派閥もあるらしいよ。
俺はダンマリするわけにもいかないので二人に王族としてご挨拶をした。
「初めましてアルフレッド・フォン・グリードと申します。この度は私のためにお忙しい中お時間を作っていただきありがとうございます。どうぞ立ったままなんですからソファに腰をかけてください」
俺は普段好き放題に言われてるけどこれくらいは簡単にこなせるんだからね!!
しかしナッシャート侯爵家の令嬢は顔色一つ変えないな。此奴、なかなかやるな。
「アルフレッド様、今日はお招き頂きありがとうございます。リーティア・グレインと申します」
「セーラ・ナッシャートと申します。この度はお招きいただき光栄です。」
軽く挨拶を交わしてソファに腰をかけてアンナがお茶と菓子を出した。もちろんそれは2人に対してでアルフレッドだけはサンドイッチを食べていた。
それをアンナがかなり睨みつけていたがアルフレッドさ気にせずにバクバク食べていた。アルフレッドは服を作っていたためかなり空腹だったからだ。
アルフレッドそもそも婚約には前向きではなくまだまだ猶予はあると思っている。そもそもアリーシャがいない場で勝手に決めることは出来ないと考えていたからだ。
「はじめに言っておくけど婚約者を辞退した方が良いよ。ほら俺ってダラけ王子なんて呼ばれているでしょ?仮に俺の婚約者になると君らも君らの家にも被害が出ると思うんだ。」
まぁ被害なんてこの二つの家に対しては無いようなものだろうと俺は思っていたがもちろん言わなかった。
この二つの家は国内で大きな力を持っており多少何か言われたくらいで大したことはない。
むしろ、やり返された時のことを考えて面と向かって言えないだろう。しかしそれは家のことであって一個人としては違う。
まだ子供年齢の奴らが馬鹿なことを言うことは簡単に予想できる。『あのダラけ王子の婚約者だって可哀想ね』なんて言われるのはまだ優しい方だろう。
「だからさ俺のことをヒッパ叩いて帰った方が良いよ?そうすれば『あーあのダラけ王子が2人を不機嫌にしたな。可哀想な2人』って感じになるからさ」
「私はそんなことを思っておりません!!」
俺の言葉に重ねるようにリーティア嬢がすかさず言い返してきた。
「いやぁ優しいねぇ。でも将来のことを考えると俺より容姿、性格共に優れている男が現れるかもしないよ?」
「ふふっ」
すると俺の言葉にセーラ嬢は小さく笑った。これには俺も意味が分からなくて少し無言になってしまった。
この子、不思議ちゃん過ぎないかい?何この子?ナッシャート侯爵家怖い。
「私からお一つ宜しいですか?」
「えぇどうぞ」
「確かに婚約は性格は大切でしょうが容姿は大切ではありません。そして今の言動からアルフレッド殿下の性格は悪いことは考えられないでしょう。まさか私たちのことを考えてくれるなんて思いもしませんでしたから。噂が一人歩きしていたのでしょう。」
君さ僕と同じくらいの歳だよね?何故そこまで考えられんだよ。ちょっと怖いんだけど。やはりナッシャート侯爵家侮れない。
「それに先程『容姿、性格共に』とおっしゃいましたがアルフレッド殿下は自らより優秀な人は同年代に居ないと考えておられるのでは?数年前のパーティーでも数人の子息達を手加減して圧倒していましたから」
この子やっぱり子供じゃないよ!!何この子!!リーティア嬢ならワハハって感じで話が終わるのに彼女と話しているとすごい追い詰められている気がする。何も悪いことしてないのに。
何故か母さん達と同じ雰囲気をこの歳で感じるのは何故だろうか。
「なんて言ったらよいか、とりあえずサンドイッチ食べる?美味しいよ~。ほらリーティア」
「ありがとうございます。」
「あからさまに話を逸らしましたね。って、私には無いんですの!!」
「だって俺に意地悪するから。俺、可哀想~。まだ九歳なのにこんなに虐められるなんて。ほらセーラ嬢のメイドも俺をここまで追い詰めて悲しいんでいるよ。セーラ嬢がどうしてこんな子に育ってしまったのかって」
「なっ!!そう言うならアルフレッド殿下、貴方だって陛下や王妃様は悲しいんでいることでしょうね、ダラけ王子なんて呼ばれている現状に」
「そうなんだよ!!」
「言い返さないのですね」
「もはやネタにしてるから」
「なっ」
「しょうがないセーラ嬢にも可哀想だからサンドイッチをあげるよ。」
結局俺はセーラ嬢にサンドイッチを渡して食べ物で口を閉じたのだった。
更新が遅くなって申し訳です。
誤字脱字がありましたらご報告お願いします。時間のある時に修正したいと思います。
もちろんそのために内装もしっかりとしてカイリーとセバスに急いで準備してもらった。
と言うのもこれを聞いたのは昨日で急ピッチで準備してしなければならなかった。
本当に親父め!!何をさせるんだ!!二人は勉強に忙しいかもしれないし、外も寒いのにわざわざ来させるとか馬鹿なんじゃ無いの?
もうちょっと女の子のことを考えてあげろよ。だから母さん達の尻に敷かれるんだぞ。
そして何より何故、俺にもうちょっと早く教えてくれない!?今から来る二人を別に蔑ろに扱うことはしないが断ることも出来たのにさ。
早めに知っていたら完全に断っていただろうね。親父がそれを見抜いていたのか。やはり俺の親父だ一枚上手だったようだ。
親父は俺が断る可能性も含めて勝手に日にちを進めた。マジで親父は何やっちゃってんのよ。
もう親父に酒をあげない。俺は今強くそう思った。へへっちょっとくらい反省してもらうぞ親父ぃぃぃ。
「アル様、その服は」
「ん?別に良いじゃん?どう似合ってる?」
「似合ってはおりますが恐らく王妃様に見られると叱られると思いますよ」
「それはまずい。あの服ゴワゴワして動きにくいし重いし着たくないんだよ。まだ時間はあるし作るか。」
公の式典などで着る服はゴワゴワして無駄に重たい。重りをつけているのかってほど重たいんだよ。
そんな服を着ているとお茶を飲むのも一苦労なんだよ。俺はダン兄ほど筋肉マッチョじゃ無いからね。
婚約者候補が2人来るまで俺はは一人で服を作り上げて、一応セバスとアンナにオッケーをもらって2人を待った。
マリーナの案内で2人の婚約者候補が来た。やはり高い爵位なだけあって可愛いじゃないか。
1人は見たことあるリーティア嬢。宰相さんの娘さんだ。
もう1人はナッシャート侯爵家の娘さん。ナッシャート侯爵家は広大な土地に加えて聡明とされている家だ。
そのためナッシャート侯爵家には誰も手を出せないと言われている。それは跡取り以外でものナッシャートの者が優秀で城でも文官として働いているそうだ。
また婿として他の家に行くこともあり大きな派閥もあるらしいよ。
俺はダンマリするわけにもいかないので二人に王族としてご挨拶をした。
「初めましてアルフレッド・フォン・グリードと申します。この度は私のためにお忙しい中お時間を作っていただきありがとうございます。どうぞ立ったままなんですからソファに腰をかけてください」
俺は普段好き放題に言われてるけどこれくらいは簡単にこなせるんだからね!!
しかしナッシャート侯爵家の令嬢は顔色一つ変えないな。此奴、なかなかやるな。
「アルフレッド様、今日はお招き頂きありがとうございます。リーティア・グレインと申します」
「セーラ・ナッシャートと申します。この度はお招きいただき光栄です。」
軽く挨拶を交わしてソファに腰をかけてアンナがお茶と菓子を出した。もちろんそれは2人に対してでアルフレッドだけはサンドイッチを食べていた。
それをアンナがかなり睨みつけていたがアルフレッドさ気にせずにバクバク食べていた。アルフレッドは服を作っていたためかなり空腹だったからだ。
アルフレッドそもそも婚約には前向きではなくまだまだ猶予はあると思っている。そもそもアリーシャがいない場で勝手に決めることは出来ないと考えていたからだ。
「はじめに言っておくけど婚約者を辞退した方が良いよ。ほら俺ってダラけ王子なんて呼ばれているでしょ?仮に俺の婚約者になると君らも君らの家にも被害が出ると思うんだ。」
まぁ被害なんてこの二つの家に対しては無いようなものだろうと俺は思っていたがもちろん言わなかった。
この二つの家は国内で大きな力を持っており多少何か言われたくらいで大したことはない。
むしろ、やり返された時のことを考えて面と向かって言えないだろう。しかしそれは家のことであって一個人としては違う。
まだ子供年齢の奴らが馬鹿なことを言うことは簡単に予想できる。『あのダラけ王子の婚約者だって可哀想ね』なんて言われるのはまだ優しい方だろう。
「だからさ俺のことをヒッパ叩いて帰った方が良いよ?そうすれば『あーあのダラけ王子が2人を不機嫌にしたな。可哀想な2人』って感じになるからさ」
「私はそんなことを思っておりません!!」
俺の言葉に重ねるようにリーティア嬢がすかさず言い返してきた。
「いやぁ優しいねぇ。でも将来のことを考えると俺より容姿、性格共に優れている男が現れるかもしないよ?」
「ふふっ」
すると俺の言葉にセーラ嬢は小さく笑った。これには俺も意味が分からなくて少し無言になってしまった。
この子、不思議ちゃん過ぎないかい?何この子?ナッシャート侯爵家怖い。
「私からお一つ宜しいですか?」
「えぇどうぞ」
「確かに婚約は性格は大切でしょうが容姿は大切ではありません。そして今の言動からアルフレッド殿下の性格は悪いことは考えられないでしょう。まさか私たちのことを考えてくれるなんて思いもしませんでしたから。噂が一人歩きしていたのでしょう。」
君さ僕と同じくらいの歳だよね?何故そこまで考えられんだよ。ちょっと怖いんだけど。やはりナッシャート侯爵家侮れない。
「それに先程『容姿、性格共に』とおっしゃいましたがアルフレッド殿下は自らより優秀な人は同年代に居ないと考えておられるのでは?数年前のパーティーでも数人の子息達を手加減して圧倒していましたから」
この子やっぱり子供じゃないよ!!何この子!!リーティア嬢ならワハハって感じで話が終わるのに彼女と話しているとすごい追い詰められている気がする。何も悪いことしてないのに。
何故か母さん達と同じ雰囲気をこの歳で感じるのは何故だろうか。
「なんて言ったらよいか、とりあえずサンドイッチ食べる?美味しいよ~。ほらリーティア」
「ありがとうございます。」
「あからさまに話を逸らしましたね。って、私には無いんですの!!」
「だって俺に意地悪するから。俺、可哀想~。まだ九歳なのにこんなに虐められるなんて。ほらセーラ嬢のメイドも俺をここまで追い詰めて悲しいんでいるよ。セーラ嬢がどうしてこんな子に育ってしまったのかって」
「なっ!!そう言うならアルフレッド殿下、貴方だって陛下や王妃様は悲しいんでいることでしょうね、ダラけ王子なんて呼ばれている現状に」
「そうなんだよ!!」
「言い返さないのですね」
「もはやネタにしてるから」
「なっ」
「しょうがないセーラ嬢にも可哀想だからサンドイッチをあげるよ。」
結局俺はセーラ嬢にサンドイッチを渡して食べ物で口を閉じたのだった。
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