転生王子 だらだら過ごすが偶にやる気を出す

佐原

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セバスの怖さを改めて知る愚者アルフレッド

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久々にダラダラ出来たと思ったら書類仕事をさせられて翌日は潰れてしまった。

なんて忙しい毎日なのだろうか。

これが王子の仕事というのか?俺は断じて認めないぞ!!

今日は学園が冬の長期休暇に入っており休みなのでダン兄、エリック兄さんもこの城にいる。

俺の忙しさと兄さん達の忙しさを比較してみよう!!って事で今日も部屋から出た。

まず向かったのは城に併設する闘技場。そこにはすでに闘技場の番人と化しているダン兄が居た。マジで毎日居るらしいよ。

他国にもその異名を知られる怪童ダンフォード。まだ成人前ながらもバンバン魔物を倒してこの国にもう既に貢献している。わけぇのにしっかりしてんなぁ。

ちなみにダラけ王子はそんな怪童ダンフォードと比較されてこんなことを言われる。

『第一王子殿下は武でこの国に貢献されるだろうがあのダラけ王子はダメだな』

『そうですな。優秀な兄を二人持ち不貞腐れているのかそれともただ単に無能なのか分からないが部屋から全くでないそうじゃ無いか。私は後者だと思うがな。』

『私もそれに同意だ。私も城に偶に行くのだが闘技場ではいつもダンフォード殿下は居られるがダラけ王子を全く目にしないぞ。本当に居るのかすら怪しいくらいだ』

なんてことを言われる始末だ。しっかりダラけ王子は生きてますよ~!!

全く部屋を出なかったことは否定できないけどダラけ王子はしっかり生きてますからね~。

というかお前達の魔道具を作っているのは俺だぞ!!少しくらい感謝しろってんだ!!そんな貴族から金を巻き上げているのは何も言えないけどさ。

「アル!!お前も剣を振るか?それとも打ち合うか?」

俺が闘技場の遠くからダン兄を見ていたのだがダン兄は俺の存在に気づいたらしく俺に声をかけてきた。

それも騎士が沢山いるにも関わらずだ。ちょっと恥ずかしいからやめて欲しい。

「ダン兄、それは嬉しく無いお誘いですのでお断らせていただきます。第三の選択肢としてこのままここを立ち去るを選択します。」

「そうか!!」

爽やかで良いねぇ~。自慢の兄貴ですぜ!!

「ダンフォード殿下、あいつは放っておいて鍛錬致しましょう。声をかけるだけ無駄です。」

おい!!今あいつって言っただろ!!王族に向かってあいつとは騎士の分際で調子に乗っているんじゃないかぁ?

俺とダン兄は兄弟だぞ!?家族で話をして何が悪いってんだ!!それに話しかけてきたのはダン兄の方だぞ!

そんなことを言われたままじゃ黙っていられるカァ!!

だからと言って何かをするわけでも無いんだけどさ。やるとしても上から物理的に見下すくらいだ。

やり返すのも面倒だし、さらに俺への風当たりも強くなりそうだしそんな事はしないよ。

これはあまり考えられないが俺がちょっと有能なことを示しちゃうと俺のことを王に薦めて傀儡と操るとかいうバカみたいな考えをする馬鹿な輩もいるかもしれないからね。

俺だってちょっとくらい王族としての振る舞いを考えているんだぞ?

是非とも見直して欲しいね。新ダラけ王子と言われても良いんじゃ無いか?そもそもダラけを取って別名にして欲しいが。

最悪俺から別名を広めるか。いつも考えていたけど賢者アルフレッドとかどう?結構イカしていると思うんだけど?

「アル様、何か馬鹿らしいことをお考えかと思いますがここに居続けますとあの雑魚騎士から何かとちょっかいを受けるかもしれませんので移動致しましょう。」

俺の考えを馬鹿って、セバスが俺の考えを馬鹿って言ったぁ~!!

賢者アルフレッドって言ってないよね?でもこれを言ったらさらに細い目で見られそうだから言わないんだけど

でもさ賢者アルフレッド。これちょっと気に入ったんだよね。

怪童、神童、賢者。俺も~童にするべきだったかな?でも悪童しか思い浮かばないから却下だな。

悪童はフレア姉さんとフローズ姉さんに似合うから俺は譲るよ。悪童双子姉妹フレア、フローズ。

絶対キレられるから言わないでおこう。

良いの思いついたらセバスはダメだからカイリーにでも広めてもらおう。

カキン

いきなり剣が飛んできたのでセバスが短剣を使って後ろへ弾き飛ばした。

「申し訳ありませ~ん。剣がすっぽ抜けちゃいました~」

その後、ヘラヘラしか騎士がこっちに謝りに来たが全く誠意が見られない。どうせ俺のビビった姿を見て笑いたかったのだろうが魔王を偶に相手する身としてそれくらいどうってことない。

むしろこんなおもちゃのような剣で俺をビビらせようとしたことは頭の悪い考えだ。ダン兄も後ろでため息をついている。

これが国を守る騎士って大丈夫かよ?ちょっと心配になってきたぞ。

俺のダラけ生活を守るために是非とも優秀な騎士を雇用して欲しいところだ。

というかセバスさんや?その殺気を抑えてくれませんかね?

俺はそこまで怒っちゃいないよ?どうせ自分で防げたし当たっても痛くも痒くもないからさ。

しかしここで余計な言葉を挟めばその怒りがこっちに向かう可能性もある。ここは黙っておくのが適切だろう。

触らぬ神に祟りなしだ。

とその時にセバスが腕を振ると短剣を投げ飛ばした。その短剣は騎士の頬を掠めて地面に突き刺さった。

「ヒイッ」

「私も短剣がすっぽ抜けました。申し訳ありません。私もまだまだですね。少し練習しないとなりません」

と言ってセバスは何処からか短剣を数本とりだして素振りを始めた。

「あまり舐めた真似をしていますと次は身体の何処かに短剣が飛んでいくかも致しませんのでご注意ください」

こ、こえぇ

セバスのこの行動は多くの騎士を惹きつけて恐怖を与えた。一番感じているのは剣がすっぽ抜けたという騎士さんだがその次は絶対俺だ。

賢者アルフレッドとか考えて申し訳ありませんでした。私は愚者アルフレッドでございます。

心から深くお詫び致します。これからは変なことは考えずに出来るだけ、大事なことだから2回言うけど出来るだけ変なことを考えずに生きていきますのでお許しください。

「アル様、何をしていらっしゃるのですか?」

「手を合わせてセバスの怒りの少しでも鎮めようかと。セバスよ~怒りを鎮めたまえ~」

「はぁ」

茶番もここまでにして闘技場の異様な空気からいち早く抜け出した。

「じゃあ次行こうか」

「かしこまりました。」

次に俺たちはエリック兄さんのところへと向かった。






少し短いです。ここまで読んでいただきありがとうございます。
誤字脱字がありましたらご報告お願いします。次はエリック回となります。

降る→振る
ご報告いただきありがとうございます。



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