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やはり魔王はバカ野郎だ。もう一発殴っておくべきか?
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魔王を救出してからあの約束のために再び森を訪れていた。月に一回のお供え物をしてから少し開いたところで七輪を用意する。
今日は何故かエリック兄さんも一緒に居る。ちょうど森に行く時に深夜なのにニコニコしながら部屋に入って来て連れて行って欲しいと頼まれてしまった。
そういえばエリック兄さんはこの森に来た事なかったかな?ダン兄はかなり浅いところには入ったところがあるらしいけど。
そもそもここは一般人が入るなら自殺と判断されるところだ。エリック兄さんも実力はあるがそれでもここでは全く及ばない。
今日はセバスと俺が居るから大丈夫だけどね。七輪で焼くのは貝だ。
ホタテ、サザエ、牡蠣、鮑、それに海老なども焼いていく。ん?夕食は食べただろって?
王族の夕食なんて毒見とか色々あって冷たくて少しずつ来るからすぐにお腹が空くんだよ。
ダン兄なんて俺たちの3倍以上食べているけど1時間後に腹減ったとか言って厨房に行くそうだ。セバスからよく聞く。
ちなみにダン兄は早寝早起きなのでこんな夜に起きているはずもなくおそらくぐっすり寝ている。
それが体格が良い要因なのかもしれない。俺もよく寝ればあそこまで大きくなったのかな?
いや全く動かないから期待は薄いか。ムキムキとダラダラどちらを取るかと言われたら俺は迷いなくダラダラを取るから後悔はしてない!!
俺は焼けたホタテをエリック兄さんに取り分ける。
「はいエリック兄さん」
「ありがとう。これを初めて食べるけど何という食べ物なんだい?」
「これはホタテ。醤油バターがまた最高なんだよ~」
海鮮の相棒とされる醤油。醤油が無いのは武士が武器を持ってないのと同じことくらい重要なピースだ。
「美味しい。貝を初めて食べたけどこんな味なんだ」
「チッチッチ、エリック兄さんはあまいな。ホタテだけを食べて満足しているとはまだまだだね」
さて俺も食べていこうっと。やっぱりうめぇ。肉も良いけど海鮮も美味い!!
男三人で貝を食べていく。久々の海鮮ということもあり全く手が止まらない。そんな時に邪魔者が来てしまった。
「おーい!!アルフレッド!!この結界を解いてくれ!!」
「あー美味い美味い」
「アル?知り合いなのか知らないけど良いの?」
「もうちょっと堪能してから」
「おい!!入れてくれよ!!お礼に肉とか米も持ってきてからよ!!」
俺の結界をガンガン叩きながら何か言っている。少し可哀想なので入れてあげることにした。
た、食べ物に釣られたわけじゃないぞ?た、たしかに肉を少し食べたいと思ったけど。
魔王が可哀想だなぁなんて思ったから入れてあげたんだ。だって外はおっかないし少し肌寒いからね。
結界の中は少し暖かくしてあるから快適なんだ。
「アル、この方々は?」
エリック兄さんは鎖国みたいなことをしている魔族を見ても全く動揺していない。流石、次期国王。
でもちょっとくらい動揺を見せて欲しかった。弄りたかったのになぁ~なんてね。
「我は魔王ゲイン・ヴィーデルだ。」
「私はエリック・フォン・グリードです。弟のアルフレッドがお世話になっております。」
エリック兄さんは俺のオカンか!!俺が魔王をお世話しているようなもんだから『アルフレッドがいつもお世話しております』じゃないか?魔王をお世話って変な感じがするけど。
「アル、後で説明してもらうから」
「は、はい」
これはエリック兄さんに根掘り葉掘り聞かれるように気がする。
「何か焼いているのか?」
「そうだけど?」
「混ぜろ」
「いやどうせ混ざる気だったでしょ。その前に。んっ!!」
俺は魔王に向けて手を差し出した。まずは貰うものを貰わないといけない米、餅米、米粉。そう餅米だ!!
このために助けたと言っても過言ではない。わざわざ聖国までビューっと行った意味があるってものだ。
「我が国もアルフレッドのおかげでかなり余裕があるのでな。このバックに入っている。米を1トン餅米は50kgを用意した。申し訳ないが米粉は分からなかった。」
「は?余裕ありすぎだろ」
魔国は元々小麦を育てていたそうだ。しかし気候も小麦栽培に合わずそして魔族はパンを作るのが面倒と言うこともあり小麦栽培に適していなかった。
しかし米の栽培に気候は適しており小麦のように脱穀すれば後は炊くだけという簡単であるため魔国では米が広まった。さらに魔法が得意ということもあり2期作、大豆の栽培も挟んで食糧事情が芳しく無かった魔国の問題が一気に解決した。
大豆を栽培ということは醤油、味噌も作れるし枝豆だって作れるということもあり俺としては最高だった。
もちろん魔族は醤油なんて物を作らずに枝豆や大豆を焼いて食べるくらいだ。また魔族は肉をよく食べるため米と肉が相まってすぐに米が広まった。
今ではパンなんて全く食べずに米と肉ばかり食べているらしいよ。
俺はもちろん魔王から全て貰った。貰えるものは貰っておかないと。
「我も食べさせてもらうぞ。」
「宰相さんもどうぞ」
エリック兄さんは魔国の宰相さんと話が合うんじゃないか?この人はかなり優秀だろうから
魔王の仕事の九割してそうだから。次期国王のエリック兄さんとしても学ぶことは多そうだ。
「ありがとうございます。」
男三人に男二人と肉も加わり夜中の密会の話題はやはり病についてだった。
「アルフレッド様はどうやって病を乗り越えられたのですか?魔国では人族より体が強いとはいえ子供や女性の少数が病にかかりましてこのバカ魔王が薬を聖国に取り行くとか言いまして閉じ込められたのです。」
少数しかかからないってどれだけスペックが違うんだよ。しかも男は全く掛かってないってヤバすぎだろ。
その強さを表したのが魔王かもしれないな。馬鹿なのがかなり癪だが。
「うちでは特効薬を完成させたからそれですぐにおさまったよ。そういえば国交無いから渡せてなかったよな。」
「宜しければそれ相応の物をお支払いするので頂けないでしょうか?」
「まぁ余裕もあるし俺もいくつか持ってるから後で渡すよ。それよりあのバカ魔王は何も考えずに聖国に乗り込んだの?」
俺の問いに宰相はチラッと魔王を見た後にコクッと頷いた。
「はぁ」
「言ってやってください。なんなら何発でも殴っても構いませんよ。それで馬鹿というか猪突猛進が治るなら安いものです。」
「ん?どうした?」
口の中をパンパンにしながら俺たちの方を向いて聞いて来た。こいつはやっぱり馬鹿だ。無言で一発殴ってやった。
「な、何をする!!」
「荒療治」
誤字脱字等がありましたらご報告のほどよろしくお願いします。
荒治療→荒療治
初頭猛進→ 猪突猛進
に修正致しました。ご報告くださりありがとうございます。
今日は何故かエリック兄さんも一緒に居る。ちょうど森に行く時に深夜なのにニコニコしながら部屋に入って来て連れて行って欲しいと頼まれてしまった。
そういえばエリック兄さんはこの森に来た事なかったかな?ダン兄はかなり浅いところには入ったところがあるらしいけど。
そもそもここは一般人が入るなら自殺と判断されるところだ。エリック兄さんも実力はあるがそれでもここでは全く及ばない。
今日はセバスと俺が居るから大丈夫だけどね。七輪で焼くのは貝だ。
ホタテ、サザエ、牡蠣、鮑、それに海老なども焼いていく。ん?夕食は食べただろって?
王族の夕食なんて毒見とか色々あって冷たくて少しずつ来るからすぐにお腹が空くんだよ。
ダン兄なんて俺たちの3倍以上食べているけど1時間後に腹減ったとか言って厨房に行くそうだ。セバスからよく聞く。
ちなみにダン兄は早寝早起きなのでこんな夜に起きているはずもなくおそらくぐっすり寝ている。
それが体格が良い要因なのかもしれない。俺もよく寝ればあそこまで大きくなったのかな?
いや全く動かないから期待は薄いか。ムキムキとダラダラどちらを取るかと言われたら俺は迷いなくダラダラを取るから後悔はしてない!!
俺は焼けたホタテをエリック兄さんに取り分ける。
「はいエリック兄さん」
「ありがとう。これを初めて食べるけど何という食べ物なんだい?」
「これはホタテ。醤油バターがまた最高なんだよ~」
海鮮の相棒とされる醤油。醤油が無いのは武士が武器を持ってないのと同じことくらい重要なピースだ。
「美味しい。貝を初めて食べたけどこんな味なんだ」
「チッチッチ、エリック兄さんはあまいな。ホタテだけを食べて満足しているとはまだまだだね」
さて俺も食べていこうっと。やっぱりうめぇ。肉も良いけど海鮮も美味い!!
男三人で貝を食べていく。久々の海鮮ということもあり全く手が止まらない。そんな時に邪魔者が来てしまった。
「おーい!!アルフレッド!!この結界を解いてくれ!!」
「あー美味い美味い」
「アル?知り合いなのか知らないけど良いの?」
「もうちょっと堪能してから」
「おい!!入れてくれよ!!お礼に肉とか米も持ってきてからよ!!」
俺の結界をガンガン叩きながら何か言っている。少し可哀想なので入れてあげることにした。
た、食べ物に釣られたわけじゃないぞ?た、たしかに肉を少し食べたいと思ったけど。
魔王が可哀想だなぁなんて思ったから入れてあげたんだ。だって外はおっかないし少し肌寒いからね。
結界の中は少し暖かくしてあるから快適なんだ。
「アル、この方々は?」
エリック兄さんは鎖国みたいなことをしている魔族を見ても全く動揺していない。流石、次期国王。
でもちょっとくらい動揺を見せて欲しかった。弄りたかったのになぁ~なんてね。
「我は魔王ゲイン・ヴィーデルだ。」
「私はエリック・フォン・グリードです。弟のアルフレッドがお世話になっております。」
エリック兄さんは俺のオカンか!!俺が魔王をお世話しているようなもんだから『アルフレッドがいつもお世話しております』じゃないか?魔王をお世話って変な感じがするけど。
「アル、後で説明してもらうから」
「は、はい」
これはエリック兄さんに根掘り葉掘り聞かれるように気がする。
「何か焼いているのか?」
「そうだけど?」
「混ぜろ」
「いやどうせ混ざる気だったでしょ。その前に。んっ!!」
俺は魔王に向けて手を差し出した。まずは貰うものを貰わないといけない米、餅米、米粉。そう餅米だ!!
このために助けたと言っても過言ではない。わざわざ聖国までビューっと行った意味があるってものだ。
「我が国もアルフレッドのおかげでかなり余裕があるのでな。このバックに入っている。米を1トン餅米は50kgを用意した。申し訳ないが米粉は分からなかった。」
「は?余裕ありすぎだろ」
魔国は元々小麦を育てていたそうだ。しかし気候も小麦栽培に合わずそして魔族はパンを作るのが面倒と言うこともあり小麦栽培に適していなかった。
しかし米の栽培に気候は適しており小麦のように脱穀すれば後は炊くだけという簡単であるため魔国では米が広まった。さらに魔法が得意ということもあり2期作、大豆の栽培も挟んで食糧事情が芳しく無かった魔国の問題が一気に解決した。
大豆を栽培ということは醤油、味噌も作れるし枝豆だって作れるということもあり俺としては最高だった。
もちろん魔族は醤油なんて物を作らずに枝豆や大豆を焼いて食べるくらいだ。また魔族は肉をよく食べるため米と肉が相まってすぐに米が広まった。
今ではパンなんて全く食べずに米と肉ばかり食べているらしいよ。
俺はもちろん魔王から全て貰った。貰えるものは貰っておかないと。
「我も食べさせてもらうぞ。」
「宰相さんもどうぞ」
エリック兄さんは魔国の宰相さんと話が合うんじゃないか?この人はかなり優秀だろうから
魔王の仕事の九割してそうだから。次期国王のエリック兄さんとしても学ぶことは多そうだ。
「ありがとうございます。」
男三人に男二人と肉も加わり夜中の密会の話題はやはり病についてだった。
「アルフレッド様はどうやって病を乗り越えられたのですか?魔国では人族より体が強いとはいえ子供や女性の少数が病にかかりましてこのバカ魔王が薬を聖国に取り行くとか言いまして閉じ込められたのです。」
少数しかかからないってどれだけスペックが違うんだよ。しかも男は全く掛かってないってヤバすぎだろ。
その強さを表したのが魔王かもしれないな。馬鹿なのがかなり癪だが。
「うちでは特効薬を完成させたからそれですぐにおさまったよ。そういえば国交無いから渡せてなかったよな。」
「宜しければそれ相応の物をお支払いするので頂けないでしょうか?」
「まぁ余裕もあるし俺もいくつか持ってるから後で渡すよ。それよりあのバカ魔王は何も考えずに聖国に乗り込んだの?」
俺の問いに宰相はチラッと魔王を見た後にコクッと頷いた。
「はぁ」
「言ってやってください。なんなら何発でも殴っても構いませんよ。それで馬鹿というか猪突猛進が治るなら安いものです。」
「ん?どうした?」
口の中をパンパンにしながら俺たちの方を向いて聞いて来た。こいつはやっぱり馬鹿だ。無言で一発殴ってやった。
「な、何をする!!」
「荒療治」
誤字脱字等がありましたらご報告のほどよろしくお願いします。
荒治療→荒療治
初頭猛進→ 猪突猛進
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