転生王子 だらだら過ごすが偶にやる気を出す

佐原

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お礼のチュー?

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「やっぱりこれだよこれ!!なんで俺はたくさん働いていたんだ!!」

王族の義務?そんなことは知ったこっちゃ無い。もう既に多大なる貢献はしているだろう。

そんなわけで俺は今、絶賛してゴロゴロ中だ。二週間も色々走り回って回復魔法をかけまくった。病の回復にはならないが薬を完成させるための時間を稼いだ。

そのため睡眠時間は一日に3時間も無い。毎日毎日、村中を回っているから当たり前かもしれないが過労死するわ!!

ゴロゴロしてダラけるのは当たり前として何かご褒美が無いものかと思って親父に言いに行ったが『後始末で今は忙しい、後にしてくれ』と言われてしまった。

母さんには『ん?なぜ私がそんな事を?そういえばお茶会が無かった分これから頻度が増えるわよ?』と地獄の宣告を突きつけられたりもした。

今回の一件で親父はともかく母さんに褒められると考えた俺が馬鹿だったようだ。

「アル様、アリーシャ様が来ております」  

「それはなんか久しぶりだよね?」

「はい、他国も色々と忙しいようなので。」

「それでアリーシャは?」

「今回は帝国の代表として来ておりますので今は陛下の元に行っておられます」

帝国の代表ねぇ~。そういえばこの頃俺はゴロゴロしていて外の様子を分からなかったけどどうなったんだろうか?

「薬は渡したんだよね?」

「はいガイコール殿が帝国へと」

「うわぁ出たよガイコール。アイツを俺の御用達にしたのは間違いだったか?」

王家御用達商人のガイコールは俺が重宝している商人だ。

俺のアイディアで色々と作らせて一代で大きな商会にした。もちろんあいつの手腕があってこそだ。

だがあいつは腹黒なのだ。超絶腹黒だ。あのニコッとしたやつのお得意の笑顔でどれだけ苦汁を飲まされて来たか!!

ある時は『王宮内の方が髪が綺麗なのですがご存知ですか~?』と聞いて来て食材にチラつかされて余裕で話してしまった。

あれ?これは俺が悪いか。

ある時はな『王宮内の料理が美味しいと評判ですがご存知ですか~?』と聞かれてもうあの時のようにはいかないと思ったがちょっと褒められたような気分になった俺はペラペラと話してしまった。

これも俺が悪いか。

やはりガイコール。侮れない奴だ。まぁガイコール商会のモノが売れるほどこっちにも金が入ってくるから良いんだけどさ。

何かやられた感が半端ないんだよな。

「アル様、ガイコール殿のみが帝国へと行くことを了承したのです。」

「あいつ目、また何か企んでいるな。あまり帝国にというか他国には技術を漏らすなと言っておいてくれ。」

「かしこまりました。しかしながらガイコール殿より『食料以外の取引は基本致しませんので』との事です。また『外国の食物、興味ありませんか?』と言っております」

「ま、まぁ、それくらいなら認めるか。」

やはり食というものは大事だ。これはダラけるための武器みたいなものだ。

ジュースを飲みながらそしてお菓子をつまみながらダラダラするのが一番だ。

「それでアリーシャはこっちに来るの?」

「はい。ですので着替えて頂ければと思います。もうその格好は一週間は続いておりますので」

「失敬な!!しっかり洗濯しているし着替えているぞ!!」

「それは存じておりますがネズミみたいですよ?」

俺は全身グレーの服でダラダラし放題。だからと言ってネズミはないだろう!!もう少しオブラートに包んで欲しいな。

例えば石?確かにほとんど動かないけど一応王子な俺にそれは無いだろう。王子って華やかイメージなのに石って

ならゾウとか?いやいや俺はデカく無いし無理だな。そうなるとネズミっていうのはまだ合っているか。

「チューチュー?」

「はぁ何をされているのですか。馬鹿な事をやっていないで早く着替えて下さい」

「わかったよ」

正装とまではいかないがグレー一色に比べると見違えるような服を着てアリーシャを待つことにした。

「そういえば何か忘れているような」

「友好国のマーキス帝国や聖国と不仲と言われる国々には薬は届けられたと思いますが?」

「まぁいいか。思い出した時でも遅く無いだろう。」

「この時の忘れている事をしっかり考え無かったことによりまた面倒事に巻き込まれるとはこの時は思っても見なかった、なんてならないよな?」

「私には分からないのでご自分でお考えください。アリーシャ様が来るまではどうぞ」

いつにも増して辛辣では無いか?セバスが来た時の頃に戻って欲しいよ。アンナはもっと前に戻って欲しい。あやつはいつも鬼だからな。

「へいへい」

結局、考えていたがまったく思い付かずアリーシャも来たので思考することをやめた。

「アル様、まずは帝国を助けていただきありがとうございます。」

「どういたしまして。というか親父と話していんでしょ?顔だけは王だからな疲れたと思うから座って座って」

俺の親父は顔だけ王だ。俺に厄介事を押し付ける親父で俺の考える王と大きくかけ離れているからな。

ご褒美を少しくれなって良いじゃん。俺拗ねちゃうから。

「ありがとうございます!!」

今日は帝国の使者として来たって聞いたよな?だから護衛が居るのかな?だけど地べたに座らせたからあまりいい顔をして無いな。

座布団の素晴らしさを知ればそんな顔は出来なくなるぞ護衛さん。

「アル様より受けた恩は返しきれないと思いますが私からささやきながらお返しを」

アリーシャはそういうとすっと近づいて来て唇に柔らかいものを感じた。

チュッ

も、もしかしてこれは、き、キス、口づけ、接吻。久々のチューだぁ~

最近は会って無いしそもそもキスはされてないししてなかったから。

「は、恥ずかしいからもう」

アリーシャは顔を真っ赤させながら俯いきながら言った。

アリーシャのキスを貰えたら毎日頑張れそうだよ

「ディープなやつをもう一回お願いできる?」

「馬鹿!!」



だが後日再び面倒事に巻き込まれるアルフレッドであった。可哀想にアルフレッドよ。







誤字脱字がありましたらご報告お願いします。前話にて貸し→借りに修正いたしました。ご報告していただきありがとうございます。

アルフレッドの家名について私の方で間違って居ましたので修正致しました。前話にて出てくる家名はグリードです。間違いしまい申し訳ございません。(ファルシオン、グランツではありません。間違いがありましたらご報告お願いします。)

アルフレッド・フォン・グリードです。

ファーストキスは告白の時にしているとご指摘いただきました。誠にその通りでした。ご報告いただきありがとうございます。








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