転生王子 だらだら過ごすが偶にやる気を出す

佐原

文字の大きさ
上 下
35 / 76

あれれ〜?食いつきが凄いぞ〜?俺のことを忘れていないかい?

しおりを挟む
「王国ではいつもこんな美味しいものを飲んでるの?」

「母や姉たちは朝によく飲んでますね。ほとんどは自分で作って自分好みの味で飲んでいるのを見ます」

美容にいいよと言うと母さんたち三人は味も良いことからすぐに実践し、気に入ったので今も続けている。

フレア姉さんを除く姉さん達もやはり美容の言葉に弱く毎日飲んでいるらしい。

エリック兄さんも鍛錬後にはよく飲んでいる。エリック兄さんがよく飲むのはコーヒーなのでコーヒーメーカーをエリック兄さんの誕生日にプレゼントしてあげた。

皇帝にはこれをあげようかな。親父は苦いの苦手だから要らないって言ってたけど。皇帝はどうだろうか。

「それは羨ましいわね。でもアル君から貰ったから私でも作り放題ね」

「そうですね。具材を入れてポチッとボタンを押すだけですから。美容にも良いので女性陣は良くつかってますね。」

「「「なんですって?」」」

やっぱりこの人たちも美容という言葉には弱いか。言わないほうがよかったかも。

「あはは、ケーキの方も食べてみてください。」

「そうねこのスムージーに気を取られていたけどこれも美味しそうね。二つは少し違うようだけど」

「上にブルーベリーソースが乗っているのはレアチーズケーキでもう一方がバスクチーズケーキです。」

「じゃあ頂くわね」

パクッ

「どうです?」

「えぇ美味しいわ。アリーシャが王国に行った時はいつもお土産をもらって頂くけどこれは別格ね。」

「そうね、これはちょっと食べすぎちゃうレベルね。」

「いや~、喜んでもらえて良かったです。かなりの自信作だったので。」

「アリーシャはいつもこんな美味しいもの食べているの。この菓子以外にもってことよね?」

「ま、まぁ、そうですね。」

「アル君、帝国に住まない?」

「いやいや王国には帰るべきところがありますから。」

「そうよね。ダメ元で言ってみたのよ」

いやいやガチな顔だったよ?俺もほんの少しだけ迷ったし。でも帝国って少しごたついているからパスかなって。

俺みたいな異分子がいたら何が起こるから全く分からないからな。

油断も隙もない、そこは母さん達と同じってことか。皇帝を尻に敷くだけあるな。

「そういえばアリーシャを狙う輩とかやっぱり居ますか?」

「えぇもちろん居るわよ。アリーシャは親目線でなくとも可愛いもの。」

ですよねー。

俺はって?そんなの居るわけないじゃん。考えてみてほしい。

『ダラけ王子』

そんな王子を狙うよりダン兄やエリック兄さんを狙うし、公爵家や侯爵家の優秀な子息を選ぶだろう。

悪名高い俺を選ぶ人なんて変わり者かかなりキレ者だと思うよ?そんな人は見たことないけどね。

「公爵家、侯爵家、聖国の王子、色々と打診はあるわね。全て断っているけど。学園でもうるさい輩は居るようだけど」

「そうなんですね」

「でもね~?」

とお義母様達が顔を見合わせ始めた。えっ、どうした?俺が何かしちゃったか?

こ、国際問題に発展は避けたいんだけど。

「アリーシャがアル君のところに行くといつも惚気てくるのよね。お堅いアリーシャがよ?」

「そ、そうなんですね」

さっきニヤニヤしていたのはそれか。ちょっとビビったじゃないか。

安心したぁ。

「だから心配は必要ないわよ。仮に色々言われても夫がそんなことを許さないからね。」

「そうですか」

皇帝、偶には良い事をするじゃないか。今度差し入れしよう。

「特にうるさい連中はアリーシャがボコボコにしてるから、最近ではそういう輩も少ないそうよ。」

「そ、そうですか」

首切り美少女見参って感じか。流石な人間相手にそんなことはしないと思うけど。考えただけでも背筋が凍るな。

「アル君、言いにくいんだけど他にも美容なものとか無いの?ほら手紙に書いていたじゃない美しいお義母に会うことを楽しみにしてるって。」

そ、そういえばそんなことも書いたかも。あの時は適当に書いたからこんなことになるとは。

「奥様、こちらになります」

「あら、ありがとう」

おぉーーい!!アンナ!!いつの間にそんなものを。しかもラッピングまでして

「これは?」

「こちらは化粧水となっております。こちらを洗顔後につけていただくと肌が乾燥しににくなります」

「私はよく乾燥するからありがたいわ。」

「私も毎日使っておりますが効果は大きいです。奥様方もより一層美しさに磨きがかかると思います。」

「確かに綺麗な肌をしてるわね。」

「ありがとうございます。」

おいおい、なんか女子会になってるけど。あ、アンナさん?俺の存在を忘れてない?

お義母様、俺の存在感無いわけじゃないよね?そ、そうだよね?

さっきのケーキよりかなり食いつき良いみたいだけどさ。

それって俺が作ったんだからね!!アンナが渡したけど俺が作ったからね!

「アル様、洗顔なども出してください。」

「はやく」

いた主人だよ?この扱いはないって俺はあの猫型ロボットでも言いたいのか!?

このネタはアンナ達は知らないから、は?みたいな反応しかされないんだけどさ。

俺は結局化粧品全てを出すことになりお茶会から化粧品品評会に様変わりした。

そして俺の居場所なんて無かった。途中から草いじりして煎餅をバリバリ食べてましたよ。







しおりを挟む
感想 209

あなたにおすすめの小説

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

聖女なのに王太子から婚約破棄の上、国外追放って言われたけど、どうしましょう?

もふっとしたクリームパン
ファンタジー
王城内で開かれたパーティーで王太子は宣言した。その内容に聖女は思わず声が出た、「え、どうしましょう」と。*世界観はふわっとしてます。*何番煎じ、よくある設定のざまぁ話です。*書きたいとこだけ書いた話で、あっさり終わります。*本編とオマケで完結。*カクヨム様でも公開。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

側妃に追放された王太子

基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」 正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。 そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。 王の代理が側妃など異例の出来事だ。 「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」 王太子は息を吐いた。 「それが国のためなら」 貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。 無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

婚約破棄されたけど、逆に断罪してやった。

ゆーぞー
ファンタジー
気がついたら乙女ゲームやラノベによくある断罪シーンだった。これはきっと夢ね。それなら好きにやらせてもらおう。

婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?

Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」 私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。 さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。 ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?

思わず呆れる婚約破棄

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある国のとある夜会、その場にて、その国の王子が婚約破棄を言い渡した。 だがしかし、その内容がずさんというか、あまりにもひどいというか……呆れるしかない。 余りにもひどい内容に、思わず誰もが呆れてしまうのであった。 ……ネタバレのような気がする。しかし、良い紹介分が思いつかなかった。 よくあるざまぁ系婚約破棄物ですが、第3者視点よりお送りいたします。

英雄一家は国を去る【一話完結】

青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。

処理中です...