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聖国からの使者はかなりのお馬鹿さん
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数日後
俺と親父とエリック兄さんに加えて後ろでは宰相とセバスが居る。その正面には聖国から来たという使者が座っている。
年老いた奴一人とダン兄さんくらい若い奴が一人と後ろに騎士が居る。
「どうなされたのかな?私も忙しい身なのだ要件は手短に頼む。」
おっ、久々に親父が国王だと思ったよ。この貫禄はまだエリック兄さんには出せないよな。
今回は俺は何もしなくても良いんじゃないか?親父も居るしエリック兄さんも居るし。
「陛下、お忙しい中時間を作っていただきありがとございます。えっと、この場に相応しくない者がおりますが話を進めても?」
おっと、この場に相応しくない者とはどう見ても俺のことだろう。親父に返答して老人が俺のことをチラッと見て来たからな。
老人さんありがとうございます。俺はすぐに部屋に戻ってゴロゴロしたいんです。
しかし、俺の腕を親父とエリック兄さんが離さない。席の位置は真ん中に俺が座って両隣に親父とエリック兄さんがいる為両側をがっちり掴まれている。
離してくれ、そして俺を自室に返してくれ~。
「司祭殿、アルフレッドのことを気にしないで良い。要件を話せ」
気にしなくて良いなら、その手を離してくれ。というかこの爺さんは司祭だったんだな。
初耳だわ。
なんとも食えない爺さんだわ。金の亡者って感じがするわ。
「で、では」
親父の王の迫力に少し押されながらこの司祭は話し始めた。隣のやつは何も話さないんだな。というか誰だこいつ?
「陛下、教会への補助金が少ないのですがあげてもらうことは出来ないでしょうか?」
おいおい、親父とエリック兄さんそして宰相さんまで笑うのを堪えているじゃないか。
と言う俺もかなり笑うのを堪えているんだけど。ぷぷっ。
「司祭殿、笑わさないでくれ。この国には今はこの王都にしか教会はないのだぞ?以前あった教会は既に撤退されその分を差し引いて補助金を渡しているのだ。足りないということは無いだろう。」
もうこの国には教会はこの王都に一つしかない。その教会ももうほとんど利用する者は居ない。
そんな潰れかけの教会に補助金を出して何故存続しないといけないのか?
「こちらは真剣に言っているのですが?」
司祭のやっとの抵抗とも言える言葉の後に親父とエリック兄さんの顔つきは一変した。
俺?俺は笑いを堪えるのに必死なんだよ。だって教会がヤバいから助けて~ってやばい状況にした俺たちに頼んでいるんだぜ?
同じ品物を扱っている二つの商会で価格競争に敗れて大損害が出た商会が勝利した商会に金寄越せ!って言っているようなものだ。
それはその商会が敗北を完全に認めて、貴方の商会には敵いませんって言っているようなもんだぜ?
こんなに上手くいくとは思ってなくて面白すぎでしょ!!
この司祭達自ら敗北宣言を俺たちの目の前でしたんだよ?これを笑わずにしてどうする。
しかしエリック兄さんはキリッした表情にすぐさま直して言い返した。
「そもそも教会とは昔に民の傷を治す為に建てられたものです。それは慈善事業でしたが今はそれに頼らなくともこちらはやっていけてますので。教会を王都におきたいのなら私たちは構いませんよ。お好きにして下さい。」
うんうん、その通りだ。そもそも慈善事業なのに補助金を求めるのっておかしい話だ。それに加えて国民からお金をむしり取って金を得ている。
慈善事業じゃなく詐欺事業と変わっているからな。そういうのは勝手にやってくれ。
「教会も今ではお金稼ぎの為に建てられて居ますのでどうぞこの国でお金稼ぎの為に建てていただいても構いませんよ。」
これは完全に
クリティカルヒット
だな。
面白くなってきたぞエリック兄さんに言い負かされる爺さんという構図がまた面白い。
側から見れば美青年が老人を虐めているようにしか見えないけど、こちら側としてはかなり面白い。
親父も宰相ももっとやれやれ!!とか思っているだろう。俺もそう思ってる。
「司祭殿、今まで教会から不正に高い金額を払わされて奴隷にされた人も多いです。身売りをしてまで治そうとしたのに治らなかったなどの話を聞きます。」
「しょ、証明するものはあるんですか?」
「ありますよ、こちらが証明書類です。既に奴隷となった者はこちらが買い戻し、奴隷から解放しています。その際にかかった費用はこちらに記載しております。」
チラッと見せてもらったがかなりの金額だぞこれ。本当にこの金額で買い戻したのか?
絶対嘘だろ。絶対値切る前の値段を書いているよ。エリック兄さんも性格が悪くなったな。
「うっ、そ、それは」
司祭がどんどん顔色を悪くして可哀想だけどエリック兄さんは口撃を全く緩めない。さすが神童~ヒューヒュー!!
「こちらとしては治せもしない教会に補助金を渡す価値は無いと思っております。また補助金を渡す前にこちらを返して頂かないと補助金を認めるわけにはいきません。」
「うっ」
クリティカルヒット
目の前にいる司祭は全く言い返すことが出来ないほどエリック兄さんに言い負かされていた。
そして耐えきれず後ろの騎士が口を開いた。エリック兄さんに言い負かされるのに可哀想に。ご愁傷様。
斉藤さんが出現したというご指摘が多数ありました。斉藤さんを登場させて申し訳ございません。分かっておられると思いますが宰相の事です。
誤字脱字が有ればまた宜しくお願いします。たぶんもう斉藤さんは登場しないと思います。
俺と親父とエリック兄さんに加えて後ろでは宰相とセバスが居る。その正面には聖国から来たという使者が座っている。
年老いた奴一人とダン兄さんくらい若い奴が一人と後ろに騎士が居る。
「どうなされたのかな?私も忙しい身なのだ要件は手短に頼む。」
おっ、久々に親父が国王だと思ったよ。この貫禄はまだエリック兄さんには出せないよな。
今回は俺は何もしなくても良いんじゃないか?親父も居るしエリック兄さんも居るし。
「陛下、お忙しい中時間を作っていただきありがとございます。えっと、この場に相応しくない者がおりますが話を進めても?」
おっと、この場に相応しくない者とはどう見ても俺のことだろう。親父に返答して老人が俺のことをチラッと見て来たからな。
老人さんありがとうございます。俺はすぐに部屋に戻ってゴロゴロしたいんです。
しかし、俺の腕を親父とエリック兄さんが離さない。席の位置は真ん中に俺が座って両隣に親父とエリック兄さんがいる為両側をがっちり掴まれている。
離してくれ、そして俺を自室に返してくれ~。
「司祭殿、アルフレッドのことを気にしないで良い。要件を話せ」
気にしなくて良いなら、その手を離してくれ。というかこの爺さんは司祭だったんだな。
初耳だわ。
なんとも食えない爺さんだわ。金の亡者って感じがするわ。
「で、では」
親父の王の迫力に少し押されながらこの司祭は話し始めた。隣のやつは何も話さないんだな。というか誰だこいつ?
「陛下、教会への補助金が少ないのですがあげてもらうことは出来ないでしょうか?」
おいおい、親父とエリック兄さんそして宰相さんまで笑うのを堪えているじゃないか。
と言う俺もかなり笑うのを堪えているんだけど。ぷぷっ。
「司祭殿、笑わさないでくれ。この国には今はこの王都にしか教会はないのだぞ?以前あった教会は既に撤退されその分を差し引いて補助金を渡しているのだ。足りないということは無いだろう。」
もうこの国には教会はこの王都に一つしかない。その教会ももうほとんど利用する者は居ない。
そんな潰れかけの教会に補助金を出して何故存続しないといけないのか?
「こちらは真剣に言っているのですが?」
司祭のやっとの抵抗とも言える言葉の後に親父とエリック兄さんの顔つきは一変した。
俺?俺は笑いを堪えるのに必死なんだよ。だって教会がヤバいから助けて~ってやばい状況にした俺たちに頼んでいるんだぜ?
同じ品物を扱っている二つの商会で価格競争に敗れて大損害が出た商会が勝利した商会に金寄越せ!って言っているようなものだ。
それはその商会が敗北を完全に認めて、貴方の商会には敵いませんって言っているようなもんだぜ?
こんなに上手くいくとは思ってなくて面白すぎでしょ!!
この司祭達自ら敗北宣言を俺たちの目の前でしたんだよ?これを笑わずにしてどうする。
しかしエリック兄さんはキリッした表情にすぐさま直して言い返した。
「そもそも教会とは昔に民の傷を治す為に建てられたものです。それは慈善事業でしたが今はそれに頼らなくともこちらはやっていけてますので。教会を王都におきたいのなら私たちは構いませんよ。お好きにして下さい。」
うんうん、その通りだ。そもそも慈善事業なのに補助金を求めるのっておかしい話だ。それに加えて国民からお金をむしり取って金を得ている。
慈善事業じゃなく詐欺事業と変わっているからな。そういうのは勝手にやってくれ。
「教会も今ではお金稼ぎの為に建てられて居ますのでどうぞこの国でお金稼ぎの為に建てていただいても構いませんよ。」
これは完全に
クリティカルヒット
だな。
面白くなってきたぞエリック兄さんに言い負かされる爺さんという構図がまた面白い。
側から見れば美青年が老人を虐めているようにしか見えないけど、こちら側としてはかなり面白い。
親父も宰相ももっとやれやれ!!とか思っているだろう。俺もそう思ってる。
「司祭殿、今まで教会から不正に高い金額を払わされて奴隷にされた人も多いです。身売りをしてまで治そうとしたのに治らなかったなどの話を聞きます。」
「しょ、証明するものはあるんですか?」
「ありますよ、こちらが証明書類です。既に奴隷となった者はこちらが買い戻し、奴隷から解放しています。その際にかかった費用はこちらに記載しております。」
チラッと見せてもらったがかなりの金額だぞこれ。本当にこの金額で買い戻したのか?
絶対嘘だろ。絶対値切る前の値段を書いているよ。エリック兄さんも性格が悪くなったな。
「うっ、そ、それは」
司祭がどんどん顔色を悪くして可哀想だけどエリック兄さんは口撃を全く緩めない。さすが神童~ヒューヒュー!!
「こちらとしては治せもしない教会に補助金を渡す価値は無いと思っております。また補助金を渡す前にこちらを返して頂かないと補助金を認めるわけにはいきません。」
「うっ」
クリティカルヒット
目の前にいる司祭は全く言い返すことが出来ないほどエリック兄さんに言い負かされていた。
そして耐えきれず後ろの騎士が口を開いた。エリック兄さんに言い負かされるのに可哀想に。ご愁傷様。
斉藤さんが出現したというご指摘が多数ありました。斉藤さんを登場させて申し訳ございません。分かっておられると思いますが宰相の事です。
誤字脱字が有ればまた宜しくお願いします。たぶんもう斉藤さんは登場しないと思います。
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