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帝国の後日談1
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side皇帝
王国から帰って来ると、妻達が玄関の前で仁王立ちしていた。
これは怒っているに違いない。ほとんど何も言わずに王国へと行ったからな。
「貴方、長い間どこに行っていたのかしら?私たちは何も聞いていないんだけど。」
「そうね、しかもアリーシャまで連れて行って。私に内緒で娘を連れ回すとはね。」
「本当何かあったらどうされたのでしょうか。」
妻達の言葉が痛い、完全に俺が悪いのだが、ここまで夫を追い詰めるか?
このあとはお説教コースだな。1時間かいや3時間だな。もっと長いかもしれないな。この後が本当に怖い。
「お母様、お土産です。宜しければ使って下さい。」
お土産だと、そんなものをいつ買ったんだ?ほとんどアルフレッドの部屋に居たじゃないか。
「あら、アリーシャこれは何かしら?」
「髪の毛を洗うものです。あとは、お風呂に入った後に肌につけるものだそうです。」
「よく見たら、アリーシャの髪の毛がサラサラじゃない。どうしたのそれ!!よく見れば服も見たことないものね!」
「そうね、羨ましいわね。それをつけたらそうなるのかしら?」
「はい、誰でもなります。ほら。」
アリーシャが髪を振り上げるとよい匂いがした。
「あっ、薔薇の匂いするわね。」
あれ?妻たちの注意がそれに向いてる?アリーシャありがとう!!これでもしかしたら妻に怒られることはないかもしれない。
「とりあえず、座りましょう。」
俺たちは机と椅子がある、部屋へと向かった。俺はそのすきに逃げようかと思ったが、妻に睨まれて逃げられなかった。
「で、何があったか教えてもらえるかしら?」
「はい、えーと前に王国と同盟を結ぼうとしたんだけど失敗しまして、脅されて王国にいきました。」
「失敗したなんて、聞いてないわよ。誰が行ったの?」
あれ?言ってなかったけ?
「ラウルだ。」
「ラウル一人で行かせたの?」
「いや、爺や一緒に行かせたが、爺や以上の傑物が居たんだ。」
これ以上、言えることはない。爺やでも、白旗あげているからな。誰がダラケ王子が爺や以上の傑物だと思うんだよ。
誰もそんなことはわからない。うん、しょうがないさ。
「爺やがねぇ。」
「奥様、申し訳ございません。私の力不足でございました。」
「いや、爺やを責めてるわけじゃないのよ。でも、爺やよりとなると相当ね。」
納得してくれたみたいだな、爺やでも敵わないとなると妻達だってそうなるか。
「それでどうだったの?王国に行って何も無かったってことはないでしょう?」
「そうだな、対等な同盟は結んできた。アルフレッドいたら戦争を起きれば負けだからな。それに加えて、農作の情報を貰った。」
農作の情報をもらうだけでもかなり大きいと思う。負け戦を未然に防げたのもかなり大きい。
「アルフレッドとは誰?聞いたことないのだけど。」
「王国の王子は知っているか?」
「ええ、それくらいなら。確か怪童の第一王子ダンフォード、第二王子の神童エリック、あとはダラけ王子かしら。」
やはり、そういう認識か。俺は名前すら知らなかったからな。
「そのダラけ王子がアルフレッドだ。そいつがまぁ色々、問題児なんだよ。自室に引きこもり、ほとんど出ないそうだ。」
「それがどうしたのかしら?」
ただのダラけ王子ならの話だがな。
「それが普通の王子だったらという話だ。そいつは自分の部屋から出る必要がないんだそうだ。勉強する必要無いほど優秀ってことだ。そして、相当強いからな。」
そういうと、妻達全員が驚いていた。ダラけ王子が優秀すぎるなんて、想像出来ないからな。
「あとは、アリーシャ自分で言え。」
「はっはい!お母様、私はアルと婚約しました!」
「「「はぁ?」」」
えぇ、余計不機嫌になっちゃったよ。アルフレッドよ頑張れ。俺からはそれしか言えない。ここにアルフレッドは居ないが俺は祈ることしかできない。妻たちの視線がとても痛い。こっわ。
「いや、な、アリーシャも同意の上なんだよ。なぁ、アリーシャ。」
「そうですよ、お母様!私からグイグイ行きましたから!」
そうなのか、アルフレッドから聞いていたが信じられなかったんだよな。
「そうなのね、」
「はい!あとアルからお母様宛の手紙を預かっています、」
アルフレッド、お前は気を遣える奴だったのか。以前に書状を貰ったが嫌味しか目に入って来なかったからな。気を遣えないやつだと思っていたぞ。俺にすでに敬語なんて使ってないしな。娘や息子でさえ使うのに…
「見せなさい。」
俺は妻の横に行って、手紙を見た。
『この度、アリーシャ殿下と婚約することになりました、アルフレッドです。世間ではダラけ王子といった方がわかる方は多いかと思います。実際にそちらに挨拶に行きたかったですが、この書面でのご挨拶となり申し訳ございません。私はアリーシャ殿下の可憐さと努力をする姿を見て惹かれました。あとのことはアリーシャ殿下に聞いていただければ思います。恥ずかしいので見逃していただける嬉しいです。私はアリーシャ殿下を最初に見た時、髪質があまり良くないと感じました。その事をアリーシャ殿下に聞くと、髪を洗うだけと言う事を知りましたので、粗品をお送りさせていただきます。アリーシャ殿下のお母様方ですから、美しい事は間違いないでしょう。さらに私のお送りするもので、女性の最大の武器の一つである髪をサラサラにする事でさらにお美しくなると思います。ご使用方につきましては別紙にて説明致します。また、アリーシャ殿下が気に入って下さった菓子をアリーシャ殿下に渡しております、お母様方で是非召し上がって下さい。最後となりますが、更に美しさに磨きがかかったお母様方と会うのを楽しみにしております。アルフレッドより』
誰だこいつは、こんな機嫌を取るような文を書けるんだな。俺に普通に喋る様子から想像出来ないな。
「いい子じゃない、アリーシャ菓子を出して。お茶淹れてくださるかしら?」
そして、ここでティータイムが始まってしまった。俺はいつ解放されるのだろうか。
「これは、何という菓子なの?」
「これは、プリンと言います。私も共に作りました。」
「そう、頂かせて貰うわ。」
プリンか、確かパーティーでも出たが美味しかったな。
うん、やはり美味しい。この滑らさがたまらない。
「!!?何これ、初めて食べたわ。」
「ええ!!アリーシャ、いい子を見つけたわね!!」
「流石私の娘ね、見る目があるじゃない。」
アルフレッドの評価急上昇じゃないか、これが狙いか、アリーシャの婚約者になったからにはいい評価の方がいいからな。
流石アルフレッドだな、
アリーシャが矢継ぎ早に妻達のから質問されているうちに、逃げ出して自室に戻った。
さて、溜まった仕事をするか。
お気に入り6000突破ありがとうございます😊😊
明日も帝国の話を出してアルフレッドサイドに戻ります。明日はアリーシャサイドのお話です。
王国から帰って来ると、妻達が玄関の前で仁王立ちしていた。
これは怒っているに違いない。ほとんど何も言わずに王国へと行ったからな。
「貴方、長い間どこに行っていたのかしら?私たちは何も聞いていないんだけど。」
「そうね、しかもアリーシャまで連れて行って。私に内緒で娘を連れ回すとはね。」
「本当何かあったらどうされたのでしょうか。」
妻達の言葉が痛い、完全に俺が悪いのだが、ここまで夫を追い詰めるか?
このあとはお説教コースだな。1時間かいや3時間だな。もっと長いかもしれないな。この後が本当に怖い。
「お母様、お土産です。宜しければ使って下さい。」
お土産だと、そんなものをいつ買ったんだ?ほとんどアルフレッドの部屋に居たじゃないか。
「あら、アリーシャこれは何かしら?」
「髪の毛を洗うものです。あとは、お風呂に入った後に肌につけるものだそうです。」
「よく見たら、アリーシャの髪の毛がサラサラじゃない。どうしたのそれ!!よく見れば服も見たことないものね!」
「そうね、羨ましいわね。それをつけたらそうなるのかしら?」
「はい、誰でもなります。ほら。」
アリーシャが髪を振り上げるとよい匂いがした。
「あっ、薔薇の匂いするわね。」
あれ?妻たちの注意がそれに向いてる?アリーシャありがとう!!これでもしかしたら妻に怒られることはないかもしれない。
「とりあえず、座りましょう。」
俺たちは机と椅子がある、部屋へと向かった。俺はそのすきに逃げようかと思ったが、妻に睨まれて逃げられなかった。
「で、何があったか教えてもらえるかしら?」
「はい、えーと前に王国と同盟を結ぼうとしたんだけど失敗しまして、脅されて王国にいきました。」
「失敗したなんて、聞いてないわよ。誰が行ったの?」
あれ?言ってなかったけ?
「ラウルだ。」
「ラウル一人で行かせたの?」
「いや、爺や一緒に行かせたが、爺や以上の傑物が居たんだ。」
これ以上、言えることはない。爺やでも、白旗あげているからな。誰がダラケ王子が爺や以上の傑物だと思うんだよ。
誰もそんなことはわからない。うん、しょうがないさ。
「爺やがねぇ。」
「奥様、申し訳ございません。私の力不足でございました。」
「いや、爺やを責めてるわけじゃないのよ。でも、爺やよりとなると相当ね。」
納得してくれたみたいだな、爺やでも敵わないとなると妻達だってそうなるか。
「それでどうだったの?王国に行って何も無かったってことはないでしょう?」
「そうだな、対等な同盟は結んできた。アルフレッドいたら戦争を起きれば負けだからな。それに加えて、農作の情報を貰った。」
農作の情報をもらうだけでもかなり大きいと思う。負け戦を未然に防げたのもかなり大きい。
「アルフレッドとは誰?聞いたことないのだけど。」
「王国の王子は知っているか?」
「ええ、それくらいなら。確か怪童の第一王子ダンフォード、第二王子の神童エリック、あとはダラけ王子かしら。」
やはり、そういう認識か。俺は名前すら知らなかったからな。
「そのダラけ王子がアルフレッドだ。そいつがまぁ色々、問題児なんだよ。自室に引きこもり、ほとんど出ないそうだ。」
「それがどうしたのかしら?」
ただのダラけ王子ならの話だがな。
「それが普通の王子だったらという話だ。そいつは自分の部屋から出る必要がないんだそうだ。勉強する必要無いほど優秀ってことだ。そして、相当強いからな。」
そういうと、妻達全員が驚いていた。ダラけ王子が優秀すぎるなんて、想像出来ないからな。
「あとは、アリーシャ自分で言え。」
「はっはい!お母様、私はアルと婚約しました!」
「「「はぁ?」」」
えぇ、余計不機嫌になっちゃったよ。アルフレッドよ頑張れ。俺からはそれしか言えない。ここにアルフレッドは居ないが俺は祈ることしかできない。妻たちの視線がとても痛い。こっわ。
「いや、な、アリーシャも同意の上なんだよ。なぁ、アリーシャ。」
「そうですよ、お母様!私からグイグイ行きましたから!」
そうなのか、アルフレッドから聞いていたが信じられなかったんだよな。
「そうなのね、」
「はい!あとアルからお母様宛の手紙を預かっています、」
アルフレッド、お前は気を遣える奴だったのか。以前に書状を貰ったが嫌味しか目に入って来なかったからな。気を遣えないやつだと思っていたぞ。俺にすでに敬語なんて使ってないしな。娘や息子でさえ使うのに…
「見せなさい。」
俺は妻の横に行って、手紙を見た。
『この度、アリーシャ殿下と婚約することになりました、アルフレッドです。世間ではダラけ王子といった方がわかる方は多いかと思います。実際にそちらに挨拶に行きたかったですが、この書面でのご挨拶となり申し訳ございません。私はアリーシャ殿下の可憐さと努力をする姿を見て惹かれました。あとのことはアリーシャ殿下に聞いていただければ思います。恥ずかしいので見逃していただける嬉しいです。私はアリーシャ殿下を最初に見た時、髪質があまり良くないと感じました。その事をアリーシャ殿下に聞くと、髪を洗うだけと言う事を知りましたので、粗品をお送りさせていただきます。アリーシャ殿下のお母様方ですから、美しい事は間違いないでしょう。さらに私のお送りするもので、女性の最大の武器の一つである髪をサラサラにする事でさらにお美しくなると思います。ご使用方につきましては別紙にて説明致します。また、アリーシャ殿下が気に入って下さった菓子をアリーシャ殿下に渡しております、お母様方で是非召し上がって下さい。最後となりますが、更に美しさに磨きがかかったお母様方と会うのを楽しみにしております。アルフレッドより』
誰だこいつは、こんな機嫌を取るような文を書けるんだな。俺に普通に喋る様子から想像出来ないな。
「いい子じゃない、アリーシャ菓子を出して。お茶淹れてくださるかしら?」
そして、ここでティータイムが始まってしまった。俺はいつ解放されるのだろうか。
「これは、何という菓子なの?」
「これは、プリンと言います。私も共に作りました。」
「そう、頂かせて貰うわ。」
プリンか、確かパーティーでも出たが美味しかったな。
うん、やはり美味しい。この滑らさがたまらない。
「!!?何これ、初めて食べたわ。」
「ええ!!アリーシャ、いい子を見つけたわね!!」
「流石私の娘ね、見る目があるじゃない。」
アルフレッドの評価急上昇じゃないか、これが狙いか、アリーシャの婚約者になったからにはいい評価の方がいいからな。
流石アルフレッドだな、
アリーシャが矢継ぎ早に妻達のから質問されているうちに、逃げ出して自室に戻った。
さて、溜まった仕事をするか。
お気に入り6000突破ありがとうございます😊😊
明日も帝国の話を出してアルフレッドサイドに戻ります。明日はアリーシャサイドのお話です。
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