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獣国3

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sideメリッサ

アレクさんが言うだけ言ってどっかに行き、みんなが私に駆け寄ってきました。

「お、お父様にみんな」

「メリッサぁ~、良かった本当に良かった。元気になって良かった」

「本当によかったです」

「お、お姉様元気になって良かったぁ~!」

こんなに泣かれるとは私はとんだ親不孝者です。

そして、みんなが心配してくれて居たんですね。なんかみんな大きくなってますね。私はどれくらい眠って居たのでしょうか

「みんなありがとう」

「アレク殿に本当に大きな恩が出来てしまった。」

「ええ」

「あの、あの方、アレクさんって」

「アレク殿は人族に捕まっていた、獣人を全員助けてくれたんだ。イリナも助けてもらった。」

「ぜ、全員ですか」

そんなことどうやって、あのあどけない少年が?信じられないですが何故か信じてしまう私がいます。

「まぁ信じられないのも分かるが、目と前で見せられたからな」

「ええ、転移でこの国まで移動させてくれただけで無く、料理と治療までしてもらったのよ。」

そ、それはとんでもないことではないですか!年々攫われる獣人も増え戻ってくるのも諦める人も多かったのに

「それに、攫っていた組織も潰してくれたそうだ。本当に感謝しかないんだよ。あと、それはアレク殿が置いていって料理なのだろう。冷めないうちに食べた方が良い。アレク殿は私たちに気を遣って外に出たしな。」

そういう、ことですか。私たちに気を遣ってくれて

もう感謝しか無いです、私を救ってくれただけで無くみんな家この国を救ってくれました。

「あれ?」

何故か涙が止まらない

「メリッサ、辛かったのね、」

「お母さん、私、わたし、辛かった。どんどん動かなくなるし、たまに目が覚めても何日も経ってる、このままでは死ぬんじゃ無いかって」

「そうね、もう大丈夫よ」

とお母さんが慰めてくれた。

「ありがとうお母さん。」

「うん、メリッサは笑顔が似合うわ。アレク君が置いていった料理を食べなさい。早く元気にならないといけないわよ」

「うん!」

元気になってもう一回「ありがとう」って言わなきゃいけない!

私はアレクさんの料理を食べたけど私のことを考えて優しい味付けだった。

それにこの果物も甘くてみずみずしくて美味しかった。

「美味しかった。」

「そうか、良かったな!メリッサが眠って三年が経つからな!明日からは早く普段通りに動けるようにリハビリだな。だが、今日はもう安静だぞ。ヴァン殿に言われたからな。エリクサーは病気を治すものであって筋肉は戻らないからな。」

三年も眠ったままだったんだ。三年もしたら兄弟は大きくなるのは当たり前か。

「分かりました、アレクさんに会いたかったのですが。」

もう一度アレクさんにお礼を言いたい。今の私にはお礼を言うことくらいしかできないから。

「明日、アレク殿に頼んでみよう。アレク殿は明日しかこの国いないから来れるか分からないがな。」

「明日だけ?」

「ああ、学園に通っているそうだ。今日と明日は休日でここに来たそうだから明日には戻らないと行けないと言っていた。」

「そ、そうですか」

じゃあ明日会って、次いつ会えるかわからないってこと?

もっとお話ししたいと思ったのに。
ワガママも言えませんからしょうがないですね。

「メリッサ、そんな落ち込むことはないわよ。アレク君は優しいから来てくれるわよ。」

「そうなんだ」

「チャンスは一度切りよ?それにあの子は婚約者が既にいるわ。その一人会ったけど、みんなもうその子のことを慕っているし、優しい子だから安心なさい。」

「お、お母さん、わ、私はそんな事ないですよ!」 

「そうなら、いいのよ。じゃあ私たちは行きましょうか」

「メリッサ、よく寝るんだぞ。」

「お姉様また、明日ね!!」

みんなこの部屋を行っていきました。私のためだと思うけど、一人になることはやはり何か不安です。

そして、よく見ると枕の下に折り畳んである一枚の紙とペンダントが有りました。

「メリッサさんへ
まずは病気が治ってよかった。メリッサさんの了承も得ず、治療のためとはいえキスをしてしまい本当にごめんなさい。もし何かあったり、夜に眠れなかったら話し相手にいつでもなるからこのペンダントに話しかけてください。俺が都合がよかったらそっちに行くからさ。まだ不安かもしれないけどメリッサさんの病気は完治したから安心して。アレクより」

も、もう、アレクさんったら、こんな私だけどもらってくれるかな?



sideアレク

メリッサさんを治した俺は獣王家族とユーリの家族と夕食を取る。

それにしても多い、獣王の奥さんは三人、だが勝ちましたー王にすら勝てる俺の婚約者の数。その分苦労も増えるのだが、

ユーリのお父さんは二人だった。それにしても仲が良い。結構ドロドロって母さん達に聞くけどここでは全くそうではない。

というより王妃三人が団結してるかのように見える。メリッサのこととイリナさんのことも泣いて喜んでいたからな。

「ユーリの婚約者って?」

「アレク、それは」

ともじもじしてるからここに居るらしいな。

「私です。私はレーヌと申します。アレク様お見知り置きを。」

なんか堅そうな子だけといい子なんだろう。礼儀正しく気品がある。ピッタリじゃないか

「ああ、宜しく頼むよ。ユーリにぴったりだね。ユーリ、是非共結婚式には呼んでくれよ」

「わ、分かったよ。」

なんか、ユーリを揶揄うの楽しいんだけど。

「そういえば、ユーリはまだ学園に通うのか?」

もう目的は達成された。もう王国にいる必要性が無いため、学園に残る必要もない。

「僕は通うつもりだよ。アレクやディーと共に居ればたくさん学べるからね。」

「いや、いいのかよ。レーヌさんが寂しいだろ。」

「そうですよ!私も寂しいんですからね!」

「レーヌ、ごめんよでも僕は」

「まあ、そんなことあるかと思って。テッテレー通信ペンダント。これがあれば魔石一つで遠くのいる人と会話できます。これを二人にしんぜよう。」

流石に二人の仲をぶち壊せるほど俺はクソ野郎では無い。

「ハハァー」

「は、ハハァー」

とユーリはいつものテンションに乗ってくれた。それに従ってレーヌも遅れて受け取った。

「あと、これ親御さんにもどうぞ。」

「ありがとう、アレクくん。」

お父さん、お母さんが一番心配してるからね?渡さないと可哀想だし、

そして、夕食を食べて一休みしようとした時

ピピッピピッ

「はい、アレクだけど。」

『あっ、メリッサです。お話し相手になってもらってもいいですか?』

「分かりました。もう一人一緒に行っていいですか?」

『もう一人ですか?大丈夫ですよ。』

「分かりました。すぐ行きます。」

俺はルシルを連れてメリッサさんの部屋へと転移した。

何故ルシルを連れてるかって?何か問題が起こったらまずいからだよ。それに女性同士話したいこともあるかもしれないからな。





更新が遅くなり申し訳ないです。誤字脱字がありましたらご報告お願いします。







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