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学園生活2

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俺たちは体が温まる程度の速さで二十周を走り終えた。

「では、皆さん。ってたった五周でこれとは情けないですねぇ。では、皆さんは息が整うまで、休憩していて下さい。3人は組手から始めましょうか、リリィさんは私とやりましょう。休憩終わった人からペアを組んで組手をやって下さい。」

俺はディーと組手をやるのだった。組手はいわゆる体術、これは戦う者としては最低限身につけておかなければならない。

武器なしでは戦えないってバカバカしいからな。俺たちは体術は独自で身につけている。

体格が違うもの同士、同じことをやっても意味ないからだ。

まあ、俺とディーが組手をやるわけだが、手の内が両者分かっているので大して楽しくない。

それに今は授業なので、本気でやるわけにもいかないので、リリィの様子を見ることに集中してしまう。

「あの先生なかなかやるねぇ、クレアさんより少し弱いくらいかな?」

「そのくらいだろう、リリィじゃちょっと厳しそうだな。それに慣れている動きだな。」

「そうだね、ああ言う人が騎士ならって思うけど、見た感じそうでもなさそうだし。」

ディー言う通りだ、この人を是非見習ってほしいものだ。

そして、数分が経つ頃には次々に組手を多くの生徒が始めた。

見るからに組手とは何ぞ?という感じの人が多かった。剣しか学んで来なかったのか、やって来たがそれほどできないのか知らないが、見るからにど素人の動きだ。

「リリィさん、もう少し相手の行動を予測して受け流すことをした方がいいわよ。でも、十分上出来よ。」

「ありがとうございます!」 

「それに比べて他の生徒はハァ」

とため息をつき失望していた。

「じゃあ次は武器を使って模擬戦といきましょう。好きな人とペアを組んで教え合ってやって頂戴。やり過ぎないようにね。」

と言われたのでディーとやろうとも考えたが面白くないので他の人とやる事にする。

「すまない、アレク殿。私とやって欲しいのだが、いいだろうか?」

「えーと、ニーナだよな。もちろんいいが、何故俺にしたんだ?」

「それは、私が未熟でアレク殿に教えてほしいからだ。ダメか?」

なんだ、その上目遣いは!ギャップ萌えがヤバイ。姉さんみたいな人だな。

「もちろんいいよ、それに俺のことはアレクでいいよ。ニーナが剣使うなら俺も剣を使おうか。まずは軽く打ち合おう。」

俺は刀を空間収納へとしまい、木剣を取り出した。やり過ぎないように、わざわざ作ったものだ。

「じゃあかかってきてくれ。」

そして、剣を打ち合ったがまず、技量が低い。そして、遅い。

「まずは素振りからしようか、剣の振り方からだが、聞く気はあるか?」

「もちろんだ、教えてくれ。それにダメなところがあったら随時言ってくれると嬉しい。」

「わ、わかった。」

こいつ、めちゃくちゃ素直だな。前俺が意地悪なことを言ったのがとても恥ずかしく思う。

ヒュン

「待ってくれ、力の入れ方が悪い。こんなふうに振って欲しい。」

シュン

「音が違うだろ?この音を目指して、とりあえず百ふろう。遅くていいから、丁寧にいこう。」

その後ニーナは俺に聞きながら素振りを百回振った。

「よし、これからはその素振りをしてくれ。それをし続ければ今は分からないが大きな差となる。次は足運びだな。剣は持たなくて良い。俺がダメージを受けないものを全方位から投げるから避けてくれ。行くぞー」

これは俺が考えた鍛錬の方法だ。剣は相手の剣を止めるより避けた方が断然に良い。

そのためには足捌きが必要だ。それは足を意識するんじゃなくて何かを避けることを意識して足を運ばなければならない。

だから、この鍛錬がうってつけだ。

「とりあえず十球な」

と俺は横から背後から上から投げた。

「上体を動かすのではなく足を引け。今はそうして欲しい。もう30球行くぞ。」

再び投げたが俺のアドバイス通りに、動いてくれていた。この子才能の塊では?いや、俺の周り天才ばかりでは?姉さんと言い、リリィと言い天才ばかり嫌になるなぁ。

「オッケー、次は剣を持ってやってみようか」

「分かった。」

剣を持ち始めたため少し、当たってしまうものの、回数を重ねるごとにしっかり避けれるようになっていた。

「まあ、今回はこれんなものだろう。あとは何か知りたいことあるか?」

「強者を見分ける方法を知りたいのだが。」

「それは、時間がかかると思うなぁ。魔物の討伐に毎日行けば一年ほどで身につけられるが、それは厳しそうだからなぁ。俺が殺気を徐々に出すから、感じてみて。」

強者の嗅ぎ分ける嗅覚なんてものはすぐには身につけられない。

威圧ではない殺気を出す。これがわからない時点で護衛失格だと思う。

まあ、この年で護衛なんだ、騎士の中では相当優秀なのだとは思うが。

「うっ」

俺が七割くらい出したところで、ニーナは気付いたようだ。

「遅いな、これと威圧を組み合わせると動けなくなるだろう。それでは、護衛失格だ。殺気と威圧には慣れておくべきだろう。だから一日三回ニーナに向かって威圧と殺気をとばそう。常に警戒しておけよ。」

「分かった、私は護衛だ。すぐさまに感知できるようにしよう。」

「がんばってくれ、それよりニーナはいいとこの令嬢だろう?何で護衛なんてやってるんだ?」

「私は普通の令嬢がやるようなお茶や服を着るのがどうも苦手で、剣を振る方がいいというか、それにこんな私だから殿方も全く近づいて来ないからな!!」

そんな胸を張っていうことじゃないだろう。それに殿方が近づかないって、まあ公爵家でかつ王女の護衛だもんな。遠慮したくなるだろう。

それに他のところに申し込んだ方がメリットが大きいからな。

それでも

「世の男は馬鹿だなぁ、こんなカッコいい女性が居るのに、勿体ない。」

「え?、な、何をいうんだ、アレク!」

「そうか、俺も正直ゴワゴワなドレス着てる女性苦手なんだよ、俺たちのお茶なんて適当だし、もうオヤツの時間って感じだぞ?そんな面倒なこと誰でも嫌気が刺すだろう。」

「そ、そうか」

「それに、ニーナは普通に可愛いだろう。だから男どもは見る目がないなーと」

「か、可愛いだと、そ、そんなことあるわけ、な、ないだろ」

その顔を赤くしてるところが可愛いんだよなぁ、普通これ見て男どもは落ちると思うけどな。

生徒の中では強いから、他の人に目が行くのだろう。

「そろそろ終わりだなニーナ行こうぜ。それとタオルよかったら使ってくれ。」

と言い俺はニーナにタオルを渡した。

「ひゃっ、ひゃい」

なんか、俺ニーナを変なモードに入れてしまったかもしれない。





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