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決闘1

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sideサーラ

私たちは今、闘技場へと足を運び、VIP席でアレク達の様子を見ています。

今日来たのは私とクレア、リリィちゃん、ユキとサキ、そしてお母さまだ。リンティには刺激が強いかもしれないため、連れてきてない。

他にもここには貴族だけでなく多くの貴族も来ていました。見せ物ではないのですけど。

『只今から、一年Aクラスアレクと同じくAクラスのボードによる。決闘を行います!ルールは五体五、先に三勝した方が勝ちです。アレク君が負ければアレク君を含む三名の退学、ボード君が負ければ廃嫡となります。』

『では、ボードサイドからの入場です!出場者は』

と相手の出場者の紹介がされました。全員が騎士で当事者のボードは出ないそうです。腰抜けですね。

はぁ、騎士任せですか。逃げ腰過ぎますね。結局、親頼りですか、

『続いて、アレクサイドです!チーム名は執行者。先鋒はブラック!大きな鎌を持ってます、そしてマントの後ろには「不殺」と書かれています!相手を殺さない程痛みつけるのでしょうか!』

これは、一体。話していたのはこれだったの?何か嫌な予感しかしないんだけど。

『次鋒はイエロー!武器はナックルでしょうか、マントの後ろには「美味」と書かれています。今はわかりませんが、何があるのでしょう。』

『中堅はグリーン!武器は杖です。この国ではあまり使われない魔法が得意なのでしょうか。マントの後ろには「お菓子」と書かれています。これも流石に何の意味か分かりません。』

『副将はレッド!武器は剣のようです!マントの後ろには「正義」と書かれています。正義感の強い方なのでしょう!』

『大将はホワイト!武器は大きな斧を持っております。マントの後ろには「潰す!」と書かれております!五人の中で一番凶暴なのでしょうか!』

この5人は一体何をしているのでしょうか。横にいるお母さまは笑っていますが他の方々はみんな唖然としてますよ。

グリーンはグリーさんでしょう。「美味」って分かりすぎでしょう。

いや、イエローの「お菓子」が一番分かりやすいです。どう考えても、ディー君ですね。

ブラックはヴァンさんでしょうし、レッドはアレク。

そして、ホワイトはお父様でしょう。

いい年なのに何をしてるのでしょうか。こういうの、お父様好きですけどこれはやりすぎでしょう。

「我らは執行者!お前たちの平民を馬鹿にするする態度改めさせる!」

と言って5人は何か変なポーズをとりました。決まったとでも思っているのでしょうか。

「なんだ!あのポーズは!アレク達ははずかしくないのか!」

「レグ、それは言わないであげてください。」

「ええ、流石にあれはないわね。」

「あの人もいい年なのに良くやるわね~。」

と話していると、

「これは!決闘を侮辱している!こんなの、決闘と呼んでいいのか!陛下、これは神聖な決闘を馬鹿にしております!」

と侯爵家、すなわち私たちの相手が言い始めました。

「儂はホワイト。其方待て、神聖な決闘じゃと?馬鹿を言うでない、どんな格好で戦おうが勝手じゃろう。それとも其方の息子が平民になり、家が傷つくのが怖いのか?それなら、ここで「平民を不意に扱い申し訳ございませんでした。」と言えばなかった事にしても良いぞ?」

「そんな事はない!私の騎士団がそんな変テコな軍団に負けるわけがないだろう!」

「じゃあやるんじゃな、それにしても力量差も分からんとはボソッ」

お父様も煽って、それにしても陛下を味方につけようとするんなんて卑怯な奴ね。

『では!早速、先鋒戦を始めたいと思います!ボードサイドの先鋒、シド、アレクサイドの先鋒、ブラック前へ!』

と、ブラックことヴァンさんは大きな鎌を持って前に出た。身なりからして悪者にしか見えません。

相手も剣を抜き、構えました。

『では、始め!』



「降参するなら、痛めつけないぜ?」

「何を仰るかと思えば、力量差も分からないのですね。降参?貴方がするべきでは?」

「はっ!お前みたいなふざけた奴に降参なんてするわけないだろう!じゃ行くぜ!」

と言い相手はヴァンさんに斬りかかりました。

その瞬間、ヴァンさんの姿をブレその時には相手の剣が鎌で切り刻まれていました。

「で、こんな感じですが、とその前に、」

ヴァンさんは言葉を途中で止めました。

カンッ

「ヒィィ、」

「ヴぁ、いやブラックやり過ぎですよ!」

とこちらに向かってナイフ投げてきました。そのナイフをレグが防ぎました。
私には全く見えませんでしたが、

「戦闘中に鑑定をされるのは、腹が立ちましてね、もちろん当てる気はありませんでしたよ。次はないですよ?私は雇主を殺りますからね?」

「この国の騎士は力量差も分からないのですか、落ちましたね。ナイフを防いだの護衛ではなく、レグとは、しかも反応すら出来ていない。体たらくですね。」

と、お母さまは護衛の弱さに失望している。
確かにナイフを防いだのはレグだ。
普通、騎士がやる事だ。それに身を呈して守ることすら出来ていなかった。

「陛下、貴族の者たち言っておきますが次はないですよ?護衛や騎士はこの場では役に立ちませんから、私とレグ、それにクレアとメイド達でこの場を制圧することなど容易いですからね?肝に命じて置くように。」

とお母さまが言い、この場を納めた。

この圧力、陛下ですら言い返せない。お母さまの凄まじさを見にしみて感じた。

と、闘技場の方を見ると。

ブラックが相手の騎士ボコボコにしてました。

降参と言う前に、殴り。本当にブラックは悪役のようでした。

「そろそろ、いいでしょう。で、どうします?」

「こ、こ、う、さん。」

『ブラックの圧倒的勝利!!シドは全く歯が立ちませんでした!』

相手が可哀想に見えてきます。


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