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ダンジョンギルドで登録

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翌日俺たちは三人でダンジョンギルドに向かった。俺達はマスクをして顔を隠す、学校の奴に見られたりしたら、面倒だからな。

そしてセバスは登録できるのかそこらへんは怪しいが、セバス曰く私の種族がわかることはないと言っていた。

わかる人が居るとすればその人はもう人間ではないと言っていたほどだ。

そして最後に
「マスターもほぼ人間をやめているようなものですよ。」

と言われてしまった。少しは自覚している。不死身を取得してからだけど。

ギルドの登録は未だに行列だ。しかし、回転率も良く意外に早く順番が回ってきた。

「この用紙に必要事項を書込み、第二グラウンドにお願いいたします。」

「わかった。」

俺たちは必要事項のみ書込み、さっさと第二グラウンドに向かった。

「これで五十人だな、これより試験を始める。まずはダンジョンの説明とルールだ。」

と説明されたのは
モンスターがいる。
危険だ。
生命の保証はしない。
ダンジョン内の人殺し強奪は禁止。

くらいだった。当たり前のことを言われただけだ。

その後、試験官との手合わせだ。

まずはセバスからだった。

「じゃあお前から、好きな武器を使っていいぞ。殺しは禁止だ。」

「分かりました。」

セバスは短剣を手に取った。

「じゃあかかってこい」

「いいのですか?」

「大丈夫だ。ほらさっさと来い、あとがつかえてるんだ。」

「では」

と言うとセバスは相手の首に短剣を当てていた。

「こ、降参だ。」

この速さには対応できないのか、セバスは手を抜きすぎだとも思ったがそうでも無いのか。

いや、これくらいでやれと示しているのかもしれないな。

「次、青木」

「はい。」

「あの人の関係者か、じゃあ来い。」

と言うとセバスの再現ように首に刀を当てていた。

「じゃあ、次佐藤」

と俺は武器を選ぼうとするが、鎌が無いではないか、体重しかないか。俺はまだ何も持たず、試験官のもとに向かった。

「素手か?」

「まあ、そんなところです。ではいきます。」

俺は2人同様、相手の背後に周り、首に手を当てた。

そして、その後合格者が呼ばれた。

もちろん俺たち三人は全員合格していた。
試験官に勝って不合格だったらセバスが暴れていただろう。

「では、青木さん、佐藤さん、セバスさんこちらに来て下さい。」

俺たち三人がなぜか呼ばれた。

「こちらに入って下さい。」

なんか、面倒になって来たぞ試験官を倒したのがまずかったか?

セバスの方を見るとにっこり笑っていた。任せろと言うことなんだろう。

よし、セバス任せたぞ。

ガチャ

「失礼いたします。お三方をお連れしました。」

「こっち座ってくれ。」

俺たちは言われた通りソファに腰をかけた。

「何か用ですか?」

セバスから口を開いた。

「貴方たちは何者だ?」

「どう意味でしょうか?」

「先程、試験官を倒したと報告があったから聞きたいと思ってな。」

「なるほどそういうことでしたか、私たちは一般市民ですよ。それ以外何かありますか?それとも、嘘を言ったらそこの秘書さんの持ってるナイフで攻撃されますか?それとも貴方が持っている拳銃ですか?殺しますか?」

やはりそういった類のものを持っていたか、しかし俺はいつも通り警戒は常にしている。そんなもので俺を殺せるわけがない。それはセバスとて同じだ。

そして、相手は沈黙した。武器を持っていることに驚いたのか、全くセバスが臆していないことに驚いたのか分からない。

「私たちはお金稼ぎのために登録しただけですので過干渉はやめていただきたのですが、それとも他の方々にもこのような対応を?」

「分かった。」

「あと、秘書さん?私たちのことを次鑑定しようとしたらこちらも然るべき対応をさせていただきますので、お気をつけ下さい。」

やはり何か感じだがそう言うことか、勝手に個人情報を見られるのは嫌だなぁ。政府は何でもありなのか?個人情報なんちゃら言っているがその程度か。少し威圧しておこう

「では、私たちはこれで退出させて頂きます。それでは」

俺はセバスに促されるように退出し、ギルドカードと言うダンジョンに入るために必要なものを貰い、早速ここにあるダンジョンに様子見程度に潜ることにした。



sideギルド長

「ぎ、ギルド長」

急に俺の秘書、金谷亜美は腰を抜かした。

「あ、あの方々はヤバいです。特に男性2人が」

「何があった」

確かに俺は今から来る三人を鑑定をしてくれと頼んだ。鑑定スキルは希少でステータスを見ることが出来る。

俺は三人の強さの程度を知りたかったからな。

「鑑定三人にしたのですが、女性の方ははじかれ、2人の男性の方はおそらく隠蔽により隠されています。そして、鑑定に気づかれた後2人に威圧を受けました。」

隠蔽に、弾かれた?
金山の鑑定のレベルは高いにも関わらずそんなことが出来るのか。

「その威圧が、五十階層のボスより強かったですが」

あのボスより強いだと、危険人物じゃないか

「まだ、余力を残しています。あの方々に関わるのはやめた方が、いや逆に優遇さえすべきかと。」

「そこまでか?」

「ギルド長は威圧を受けてないから分からないかもしれませんが、私は彼らとは出来れば敵対したくないです、したいのならどうぞお一人でして下さい。」

「分かった、敵対しないようにしよう。」

金谷がここまで言うとは珍しい、従っておいた方がいいだろう。

「失礼致します。」

ど、何処から現れた?

「セバスさん、先程は申し訳ございませんでした。」

「いえいえ、貴方は指示されてやっただけでしょう。私こそ威圧なんて真似して申し訳ございません。マスターも軽く威圧したと申しておりましたのでその分も謝罪を。」

「マスター?隣いた若いやつか?貴方より強いとは思わないが?」

「何か仰りました?」

セバスから急に笑顔が消えた。

「今の言葉撤回して頂けますか?」

「申し訳ない撤回する」

今の威圧は何だ?死すら感じた。これを金谷を受けていたのか?

「では用件を伝えます、私たちに監視、冷遇等の行為をしないで下さい。したら、お分かりですよね?あと政府にも報告はなしでお願いしますよ。」

と言ってセバスは去っていった。

「金谷、すまないお前の言う通りだった。死ぬかと思った。」

「セバスさんから笑顔が消えた時どうなるかと思いました。」

「本当にその通りだ。あれは50階層のボスでは生温い、正真正銘の化け物だ。」

とんでもないやつが現れたものだ。あの方々は自ら問題に首を突っ込まないだろう。

問題があるとすれば他の奴らが関わることか、出来れば何も問題が起こらないことを祈るばかりだ。








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