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凍てつく心に安らかな温もりを

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鋭い爪が、牙がカイの柔肌を切り裂き、刻み、貫く。血が口の中に広がり思考が血と肉を欲することで埋まっていく…。アノ肉美味シソウダナ。食ベタイ、貪リタイ…。
………モットヨコセ…。
「イヤァァァァァァァ!!!」
い、今のはいったい…。夢…、でもあのリアルな感触はほんとに…。
「あら、もう起きたのね。てっきりまだ寝続けると思ってたのに」
「ライアー…さん?なんでここに、あ!ここはどこ?カイ?ネーラ?」
「あらあら、私のこと覚えててくれたのかしら、嬉しいわね」
へんな部屋…硝子、かしら?隣の部屋にある家具みたいなのが透けて見えるわ。
「ラ、ライアーさんはなんでこんなとこにいるんですか?それになんで私はここにいるんですか?」
「ああ、それは後で話すとするわ。着いておいで、朝ご飯出来てるわよ」
ご飯…そういえばお腹すいた。ご飯食べてから色々聞こ。
「っ、!冷たい…」
「あ、忘れてたわ。何か履き物持ってくるから待っててね」
ライアーさんは裸足なのに寒くないのかな?まあご飯くれるから悪い人じゃなさそうかも。
「はい、これで大丈夫かしら」
トナカイの毛皮で出来た靴下?スリッパ?おっき過ぎてどっちか分かんないや。
「あ!温かい、温かい!モフモフでフワフワ!」
「これで大丈夫ね、ほらいらっしゃい」
ライアーさんが渡してくれたのは…なにこれ?毛皮?鞄?
「フフフ、アハハハハ!それは靴下よ大きすぎて分からなかったのかしら?ごめんなさいねこれしか今は無いのよ」
「鞄だと思った」
「あらあら、確かに鞄にぴったりなサイズね~。さあそれを履いていらっしゃい」
あ、温かい。でも引きずらなきゃ歩けないや。床もツルツルして歩きずらい。
「まだ歩きにくいのね、うーんどしようかしら…。あ、ゲルダちゃん軽いから抱っこすれば良いかも。ゲルダちゃんが許してくれるなら抱っこしても良いかしら?」
「うん!」
「ありがと、んっしょ。ほら行きましょ?」
ライアーさんに抱っこされるとなんか眠たくなってきちゃった…。ご飯食べたいのに眠い……。
「あらもしかしてまた眠くなっちゃった?」
「ご飯…食べたい。食べてからお昼寝するわ」
「そう、分かったわ」
「後ね、皆どこにいるの?もしかしてライアーさんは私を誘拐して私は誘拐されたのかしら?」
「ええ、そうよ私は貴方を誘拐したの」
「お家に帰してくれる?」
「うーん…それは分からないわね。貴方が良い子で大人しくしてたら必ず帰してあげるわ」
「今すぐ帰してくれないの?私、パパとママに会いたい」
大好きなママのシチューもパパのハグも…。それに…
「ネーラ…カイ…会いたいよ…」
大好きな二人に会えないのが悲しい…。
「…」








「はぁ…はぁ…んっ、くはぁ…」
想定外だった…。雨の影響で一日立ち往生を喰らうなんて…そして…
「あの…その、ごめんなさい…」
ネーラが着いてきてたのを気付けなかったなんて…!
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