詩

居場所

今貴方はどこで
何をして
何を感じているのでしょう？

私のように
朝を迎え
昼を過ぎ去り
夜に抱かれて
居場所を探して
いるのでしょうか？

貴方は何を見て
何を考え
何を決めて
貴方の道を
歩んでいますか？

貴方は楽しく過ごしてますか？
貴方は嬉しく感じていますか？
貴方は怒りに満ちていますか？
貴方は悲しみに沈んでますか？

貴方の心は
海のような所に居て
場所を探して迷子に
なってはいませんか？

浅く呼吸をして
涙を沢山流して
怒りに体を震わせて
絶望に身を委ねて

居場所が無くて
居る場所が無くて
居たい場所が無くて
何もしたくなくなった

貴方の心に
貴方の傷に
貴方の傍に
貴方の隣に

私が居てもいいですか？

現実に居る私には
貴方の手は握れない
現実に居る私には
貴方の隣に座れない
現実に居る私には
貴方の涙を拭えない
現実を生きる私は
貴方の傍に居られない

だから私は文字を書く
だから私は言葉を紡ぐ
だから私は文章を繋ぐ
だから私は作品を綴る


電子の世界で私は語る
貴方の所に居たいから


貴方の隣に私の作品を
貴方の傍に私の文章を
貴方の傷に私の言葉を
貴方の心に私の文字を

少しだけ寄せてもいいですか？

私は生きるのが下手で
生きたい場所が分からずに
居場所が欲しいと想いながら

あっちに行ったり
こっちに行ったり
のんべんだらりと
だらだらくらりと
ふらふらふらふら
疲れるまで歩いて

居たい場所からは煙たがれ
居たくない場所から出られず
居る場所には嫌われて
居ない場所には勿論行けない

そんな私にも
電子世界は居場所を寄せてくれたのです
こんな私にも
電子世界は居場所を作ってくれたのです

私の居場所は電子世界で
私の居場所は創作世界で
私の居場所は作品世界で
私の居場所は文字の世界

私が生きるのは作品の世界
私が活きるのは文字の世界
そして私は貴方と出会えた
貴方が私を見つけてくれた


だからもし
貴方が独りで辛くて
寂しくて悔しくて
苦しくて泣きたくて
背中を丸めて
動けなくなったなら

貴方という心の傍に
私の居場所を作ってください

私の文字が貴方の心に
私の言葉が貴方の傷に
私の文章が貴方の傍に
私の作品が貴方の隣に

いつも居たならば
私は居場所を探さず
彷徨い歩くことも無く
貴方に居て欲しいと
甘えて定住できるでしょう

もし私のわがままが
世界で叶うのであるならば
私は神ではなく貴方に
この願いを伝えましょう


私の居場所が
貴方の隣でありますように
そして
貴方の居場所が
私の隣でありますように


私はまた居場所を探しましょう
貴方がここに来るまで
貴方がまた来た時は
私はここを居場所にしましょう


貴方はもう大丈夫
私は貴方の居場所です
貴方は一人だけど
貴方はもう独りじゃないから
私ももう大丈夫
私は一人だけど
貴方が居場所になってくれるなら

私は独りでは無いから

私の居場所は
貴方という隣に
あるのだから

〆