詩

Shall We Dance？

私の中の感情は
正しくなく
上手くなく
美しくない
とても拙く
幼い言葉にしかならない

どんなに言葉が浮かんでも
どんなに文字が浮かんでも
掴もうと手を伸ばして
近寄ろうとしても
あっちこっちにいっちゃって

右に左に
前に後ろに
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ワン・ツー
ワン・ツー

動きも可笑しくなっちゃって
傍から見たら変なダンスだ
たくさん笑われたくさん弄られ
たくさんたくさん傷ついた

そんな中で話すもんだから
誰にも話は伝わらない
誰にも言葉が響かない
誰の心も動かさない

たけど私の罵倒だけは
腹の底から出るもんで
誰かの耳に入っては
知らない誰かを傷つけた

私のダンスはろくなもんじゃなくて
人の邪魔して踊り続ける
右、左、右、左
前、後ろ、前、前、後ろ

少しは文字を使いこなせて
使いたい言葉が出せるようになって
ようやく自分の文章が書けて
楽しくなってきたというのに

周りには誰も居なくなっていた

誰にも見られない作品ほど
誰にも語られない文章ほど
誰にも知られない物語ほど
誰にも読まれない世界ほど

こんなに悲しいものかと思い知る

嗚呼、もう足を止めたい
言葉を追うのをやめて
文字を探すのをやめて
手を伸ばすのを止めたい

私が止まろうとする
彼らは直ぐに振り向いて
そして私に話しかけてくる

私と一緒に踊りましょう？

その台詞に釣られるように
嗚呼、私はまた彼らへと
手を伸ばして足を動かし
言葉を追いかけ舞い踊る

右に左に、回転して
左へ半回転して停止
右手を伸ばして指先を見て
文字を見つけて優しく触る

擽ったそうに震えた文字が
私の指先を取って踊る
動きに合わせて身体を動かし
一つと一人のダンスが始まる

ゆっくり大きく
優雅に広く
激しく小さく
細やかに狭く

手先足先
かかとつま先
目線と顔を文字に向け
全てを言葉に従って
私は文字のリードで動く

動きとともに生まれる風
風に乗って靡く裾
慣性と共に流れる髪
流されながら踊る私
生まれる拙い私の言葉と
共に刻む時間がとても
愛おしいと思ってしまう

私は作品と踊り続ける
さぁ、アナタと踊りましょう。


例え誰にも見られずとも
例え誰にも語られずとも
例え誰にも知られずとも
例え誰にも読まれずとも

私と作品が
私と文章が
私と言葉が
私と文字が


愛し愛され相思相愛
この関係さえ続けばいい
さぁ、私の愛しき作品トモ達よ

私と一緒に、踊りましょう？


〆