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Cloudy Brain
しおりを挟む空に雲がかかる
灰色の雲が遥か先にある空を埋めていく
どこかどんよりとした空気感が
のぺりと這い寄ってきて息が詰まりそうだ
無意識に喉に手をやる
気道を確保するように上を見上げるが
伸びた手は首を掴んで握り始める
まるで救いを求めて死を選ぶように
脳に酸素が回らなくなる
目の前が赤く染まる
苦しくなって手を離せば
視界は遥か先を埋めつくした
灰色の雲と同じ色を帯び始める
ああ、今日もダメか
一人、ダラりと手が垂れて
また、明日も試そうと
晴れない脳で雲を見る
ゆっくり瞼を閉じた
何も見たくない
何も聞きたくない
何も言いたくない
何もやりたくない
ゆっくり息を弱めた
息をしたくない
心を休めたい
体を動かしたくない
命を捨てたい
どろりとした感覚が思考を支配する
目を瞑っているはずだ
だがしかし、どうしてだろうか
脳内はいつも晴れない雲がある
誰かか言う
「やまない雨はない」
私は思う
「晴れない雲はある」
私の頭の
Cloudy Brain
鬱という名の
私の雲は
空を覆う灰色の雲
嗚呼、空気が湿り始めた
これから雨が降る
やまない雨が降る
〆
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