詩

ケムリ

ふわ ふわ
くる る
ぐわん
ぐわん ぐわん

けむりは うえへ おちていく

しろ くろ きいろ ねずみいろ

あかい あたまが からだを くらう
くらったからだが いろを かえて
うえへ うえへと おちていく

ふわ ふわ
くる る
ぐわん ぐわん
ぐわん

いしきは したに おちていく

あか あお くろ しろ わからない

おもいからだは おいていく
おちていくのは わたしのからだ
したに したには なにもない

そらをみる 
かるいほう
きれいだな
おもいなぁ

かるくなりたい
ぬぎすてよう
たくさんたくさん
つかれたなぁ

すててきた
あはははは
らくになったよ
よかったね

ぶわ ぶわ
ぐる ぐる
くわん くわん
くわ くわ
ぶる ぶる
ぶわっ ぶわっ ぶわっ

ゆっくりあがって
すっとおちる
すっとあがって
ゆっくりおちた

おちて おちて
いつのまにか
なみだを ながして
わらっていた

けむりみたいに
うえへいく
かるいからだを
したにおく

あれあれ
どうした
なんでだろう

わたしと けむり
いれかわる
けむりは のぼる
わたしは おちる
あはは なんだろ
それもたのしい
それもうれしい

てをのばす けむりをつかむ
すこし ぽかぽか
すこし くさくて
とても かるくて
とても せつない
てをひろげる かたちはない
それでもわたしは
けむりをつかんだ

ふわ ふわ
ふわ ふわ
くる くる
くる るん
ぐわん ぐわん
ぐわん ぐわん
ぐわわん すっ


〆