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穴の部屋1
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我が国を蹂躙されてなるものかと、絡みついてくる鉄の紐をちぎり、人の影が映る窓へと投げつけた。
そのまま突入してせめて大暴れしてやろうと言う心づもりだったのだが、作戦は早くも破綻した。
「……む」
もうもうと粉塵が舞う。
ガラスの破片、そして放送をしたと思しき者の存在はどこにもなく、人の影が写った窓は偽物であったのだと嫌でも気付かされる。
遊ばれているのか、と更なる屈辱に唇を噛み締めた時だった。
粉塵による目くらましが落ち着いてきて、視界が開けていく。
目の前に現れたのは、新たな場所へと続く空間であった。
私が投げた紐による攻撃のせいだろう、扉だった金属製の板はひしゃげて向こうの床に転がっていた。
存在すると騙されていた窓は、どうやらこれを隠すためのものであったらしい。
「! あれは……!」
と、私は開けた視界に写った物に釘付けになり、思わず駆け寄った。
「私の鎧!」
そこにあったのは長年使い込み、もはや体の一部と化した我が黒鎧であった。
飾り台へ吊るされ、ご丁寧にも保管されているそれを隅々までじっくりと観察し、殿を務めた以外の損傷がどこにもないことを確認する。
「壊れていなくてよかった、……?」
鎧の内側になにか違和感を覚えたが、具体的には分からず一旦の保留とする。
ここを脱出した後に点検してもらおう。
そのまま突入してせめて大暴れしてやろうと言う心づもりだったのだが、作戦は早くも破綻した。
「……む」
もうもうと粉塵が舞う。
ガラスの破片、そして放送をしたと思しき者の存在はどこにもなく、人の影が写った窓は偽物であったのだと嫌でも気付かされる。
遊ばれているのか、と更なる屈辱に唇を噛み締めた時だった。
粉塵による目くらましが落ち着いてきて、視界が開けていく。
目の前に現れたのは、新たな場所へと続く空間であった。
私が投げた紐による攻撃のせいだろう、扉だった金属製の板はひしゃげて向こうの床に転がっていた。
存在すると騙されていた窓は、どうやらこれを隠すためのものであったらしい。
「! あれは……!」
と、私は開けた視界に写った物に釘付けになり、思わず駆け寄った。
「私の鎧!」
そこにあったのは長年使い込み、もはや体の一部と化した我が黒鎧であった。
飾り台へ吊るされ、ご丁寧にも保管されているそれを隅々までじっくりと観察し、殿を務めた以外の損傷がどこにもないことを確認する。
「壊れていなくてよかった、……?」
鎧の内側になにか違和感を覚えたが、具体的には分からず一旦の保留とする。
ここを脱出した後に点検してもらおう。
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