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夢魔と人形
夢の中へ・4
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「仕事押しつけてくる奴に『私は嫌だからやめてくれ』なんて訴えてもやめるわけないじゃろ? そもそも向こうはこっちの都合に配慮する気はまるでないんだから。片方に通じ合う気がないなら無理!」
言葉を尽くさないと通じ合うことはできんとは言ったが、言葉を尽くしたら全てうまく行くとは言っとらん!
なにかを思い出しているのだろうか。
インキュバスの語気は珍しく荒かった。
「じゃあ、失敗するかもと思いながら挑戦しろってことですか?」
「絶対に成功する作戦なんてそもそもないわい。結果なんぞ考えるな若人」
区画を出て、更に続く廊下を歩いていく。
扉はなくなり、渡り廊下であるそこは両側が窓となっていた。
「今回のことだってそうじゃ。ゴーレムがなにを考えているかわからん以上、その正体を知って驚くかもしれんし、落胆するかもしれん。そもそも何もわからないかもしれん」
窓の外は青空だが、雲の形が変わらない。
ゴーレムは少なくとも外の景色にはあまり関心がなかったようだ。
「だが、得るものはある。それが例え嫌なものだとしても」
だから臆さず進め。
そう言って微笑むインキュバスに、マッピーは。
「ジジ臭いセリフ」
「ひどくない?」
辛辣に一蹴した。
これはなにがなんでも言っておかねばならない、と眉間をぎゅっと寄せた。
「事実でしょ。進め進めって、自分は見送る側みたいな言い方して」
足を止める。
体ごと向きを変える。
よよよと泣く真似をするインキュバスの正面から向き合う。
「今隣にいるのはあなたでしょう、インキュバス。ゴーレムの件が解決するまでは一緒に進んでもらわないと困りますよ」
行儀が悪いとは思いつつも勢いよく指を突きつければ、グレーのヒゲを丁寧に整えた紳士は珍しく目を丸くして。
わはは、と大きな口を開けて笑った。
言葉を尽くさないと通じ合うことはできんとは言ったが、言葉を尽くしたら全てうまく行くとは言っとらん!
なにかを思い出しているのだろうか。
インキュバスの語気は珍しく荒かった。
「じゃあ、失敗するかもと思いながら挑戦しろってことですか?」
「絶対に成功する作戦なんてそもそもないわい。結果なんぞ考えるな若人」
区画を出て、更に続く廊下を歩いていく。
扉はなくなり、渡り廊下であるそこは両側が窓となっていた。
「今回のことだってそうじゃ。ゴーレムがなにを考えているかわからん以上、その正体を知って驚くかもしれんし、落胆するかもしれん。そもそも何もわからないかもしれん」
窓の外は青空だが、雲の形が変わらない。
ゴーレムは少なくとも外の景色にはあまり関心がなかったようだ。
「だが、得るものはある。それが例え嫌なものだとしても」
だから臆さず進め。
そう言って微笑むインキュバスに、マッピーは。
「ジジ臭いセリフ」
「ひどくない?」
辛辣に一蹴した。
これはなにがなんでも言っておかねばならない、と眉間をぎゅっと寄せた。
「事実でしょ。進め進めって、自分は見送る側みたいな言い方して」
足を止める。
体ごと向きを変える。
よよよと泣く真似をするインキュバスの正面から向き合う。
「今隣にいるのはあなたでしょう、インキュバス。ゴーレムの件が解決するまでは一緒に進んでもらわないと困りますよ」
行儀が悪いとは思いつつも勢いよく指を突きつければ、グレーのヒゲを丁寧に整えた紳士は珍しく目を丸くして。
わはは、と大きな口を開けて笑った。
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